遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

事実の誇張? それともまた−−−

航空機 「爆破未遂」 が大きく報道されています。当初は機内で花火 (爆竹) に着火したと云う様なハナシであったのが 「高性能爆弾」 となり、次にお決まりの 「アルカイダ」 の名前が出て、更には言う事を聞かない息子の危険性を父親が事前に当局に警告していたと云う内輪もめの様なハナシまで報道され、 「テロリストは富裕層から」 の様な噴飯もののコメントが出たり、爆薬は爆弾の材料に用いられる物質の粉末であったらしいとか、そもそもリストアップされていたのに何故搭乗させた、など、それでなくとも効率の悪い空港でのチェックインが更に大変になりそう。


結局全員を徹底的に調べることなど不可能ですから、9−11以降暫く顕著であったアラブ系や東洋系、今回はアフリカ系など 「有色人種」 を狙い撃ちした殆ど嫌がらせ・人種差別と同義のセキュリティーチェックが復活するのでしょう。安全のためとは言え、実際にその対象となるのは非常に不愉快ですよ。中近東などに度々出張している人はパスポートがアラブのビザのハンコで一杯になりますから入国管理も大変になるかも。加えてこの事件の直後腹をこわして航空機のトイレから出られず疑われたのもナイジェリア人でしたから、アメリカ在住の同国人は肩身が更に狭くなるでしょう。世界中で殺戮行為を展開するアメリカが狙われるのは自業自得ですが、とばっちりを喰らう可能性がある以上、そうも言ってはいられない。真相が解明されることを望みますが、何せ 「テロとの戦い」 ですからアメリカ政府は説明責任を負わないでしょう。


報道を見ていて第1の懸念は、『テロの懸念』 が再び宣伝され始めること。大統領の支持率を上げ国民を統制するための常套手段、子ブッシュと本質的に何ら変わらない広告塔オバマが使ってもおかしくはありません;


第2の懸念は、オバマ子ブッシュ以上にアメリカ単独で 「アルカイダとの戦い」 を拡張しつつあること。【アルカイダ】 なるかっちりとしたテロ組織があるとは思えず、以前にも記した様にアメリカの都合の良い様に使える 「アメリカの敵」 の象徴的な存在であったり、一部の狂信者がハク付けに勝手に名乗ったりする程度のものと私は考えています;

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091228-00000043-san-int
    アルカーイダの新拠点 イエメン、ソマリア 米、掃討強化
    12月28日7時56分配信 産経新聞


    −−− 【ロンドン=木村正人】反政府勢力と政府軍の戦闘が激化する中東イエメンや内戦が続くアフリカ東部のソマリアは、国際テロ組織アルカーイダが訓練キャンプをアフガニスタンから移すなど、新たなテロ発進基地になりつつある。このため、オバマ米政権は両国政府を支援、アルカーイダ掃討作戦を強化している。 (以上、この記事の引用終わり)


    このオバマの 「支援」 によって実際に 「掃討」 されているのはテロリストよりもむしろ罪の無い民間人や政府にとって 「不都合な」 人間の方が多い筈です。その方々のいのちが失われることは、 「正義のための戦い」 では避けられないコストという屁理屈で正当化されている様ですが。


オバマの支持率は、ギャロップ社 (Gallup poll (Wikipedia EN)) のサイトで公開されています;


Gallup Daily: Obama Job Approval: Dec 21-23 2009 まで
出典: http://www.gallup.com/poll/113980/Gallup-Daily-Obama-Job-Approval.aspx


支持率低下かつ不支持率上昇傾向と云えますかね。弁舌だけは相変わらず爽やかですが。