新たな茶番劇
オバマ起死回生のパフォーマンスでしょうか、人権を考慮する必要のないグアンタナモに収容されている9−11 「主犯格 (マスターマインド)」 容疑者をニューヨークに連れてきてアメリカ国内法で合法的に 「吊るす」 と云う、東京裁判・サダム・フセイン裁判以上の茶番劇を演じようとしています;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000446-reu-int
米同時攻撃の裁判、「死刑に不快感持つ人いない」=大統領
11月19日12時42分配信 ロイター
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000038-san-int
9・11主犯格移送 NY厳戒 公判賛否
11月19日7時56分配信 産経新聞
- http://sankei.jp.msn.com/world/america/091118/amr0911181940013-c.htm
9・11テロ主犯格公判で緊張走る NY厳戒へ
2009.11.18 19:38 msn産経ニュース
【ニューヨーク=松尾理也】国際テロ組織アルカーイダ幹部で、米中枢同時テロ(9・11)の起案者とされるハリド・シェイク・モハメド容疑者ら主犯格5人の裁判が開かれるニューヨークに、緊張が走っている。公判の舞台は、悲劇の象徴となった世界貿易センター(WTC)のツインタワーの跡地から、わずか数ブロックのところにある連邦地裁。テロリストにとり最も宣伝効果が高い環境といえ、テロも予想され厳重な警備態勢敷がかれる。それだけに「ニューヨークにとり不必要なリスク」との批判が根強い。 (以下略)
- http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200911170019.html
同時テロ主犯格のNY裁判に3分の2反対、国内実施の支持6割
2009.11.17 Web posted at: 17:03 JST Updated - CNN
ワシントン(CNN) オバマ米政権が2001年の米同時多発テロの主犯格とされる国際テロ組織アルカイダの幹部ハリド・シェイク・モハメド容疑者を含む5人を、キューバ・グアンタナモ米海軍基地に併設するテロ収容施設からニューヨークに移送し、一般公判で裁くことを決めた問題で、米国民の3分の2がこの案に反対していることが最新世論調査で16日分かった。CNNとオピニオン・リサーチ社が共同実施した。
しかし、約60%が、第3国での米国関連施設より、同容疑者を米国内で裁くことには賛成した。64%がモハメド容疑者は軍事法廷に出廷すべきと回答、34%は一般的な公判を支持した。
また、約80%が死刑判決を支持。5人のうちの1人は、通常なら死刑判決には反対するが、同容疑者の場合のみは賛成すると応じた。 (以下略)
公判 (ウィキペディア) とは、、日本の法律では、刑事訴訟において、裁判所、検察官、被告人(弁護人)が訴訟行為を行うために法廷で行われる手続のこと。ただしあくまでこの 「公判」 と云うコトバは翻訳ですから原文を見ると "trial in a civilian federal court" ですね;
- http://cbs4denver.com/national/911.mastermind.trial.2.1309927.html
U.S. To Seek Death For 9/11 Conspirators
Nov 13, 2009 4:52 pm US/Mountain / cbs4denver_com
WASHINGTON (CBS News) ― Self-proclaimed Sept. 11 mastermind Khalid Sheikh Mohammed and four other Guantanamo Bay detainees will be sent to New York to face trial in a civilian federal court, the Justice Department said today. (以下略)
- http://www.justice.gov/opa/pr/2009/November/09-ag-1224.html
Departments of Justice and Defense Announce Forum Decisions for Ten Guantanamo Bay Detainees
Friday, November 13, 2009
−−− The Attorney General, in consultation with the Secretary of Defense, has determined that the United States government will pursue a prosecution in federal court against five detainees who are currently charged in military commissions with conspiring to commit the Sept. 11, 2001 terror attacks, which killed nearly 3,000 individuals. (以下略)
アメリカの法制度など馬鹿馬鹿しくて興味もありませんが、興味のある向きは アメリカ合衆国の司法制度 (ウィキペディア) とか アメリカ合衆国連邦裁判所 (ウィキペディア) あたりが目次としてはよさそう。現代版西部劇の裁判で 「吊るされる」 予定の5人は;
- Khalid Sheikh Mohammed (Wikipedia EN)
the suspected mastermind of the attacks in which hijacked planes- Ramzi Bin Al Shibh (Wikipedia EN)
said to have been the main intermediary between the hijackers and leaders of al-Qaida;- Ammar al-Baluchi (Redirected from Ali Abdul Aziz Ali) (Wikipedia EN)
known as Ammar al-Baluchi, a nephew of Khalid Sheikh Mohammed, who has been identified as Mohammed’s lieutenant for the 2001 operation;- Mustafa Ahmed Al Hawsawi (Wikipedia EN)
al-Baluchi’s assistant;- Walid bin 'Attash (Wikipedia EN
a detainee known as Khallad, who investigators say selected and trained some of the hijackers.
※ 容疑については Pentagon charges six in Sept. 11 terror attacks / Death penalty will be sought against alleged mastermind, others / Ap Associated Press, updated 12:21 p.m. ET Feb. 11, 2008 より引用。公判時は変わっているかも。
下手な西部劇よりはるかにおもしろそうです。5人の容疑者は、アメリカ国内法の適用されないグアンタナモで一体何年に渡って虐待され 「自白」 させられたのか知る由もありませんが、今回の茶番劇の中ではそれが全て有効な証拠として使われるのでしょう。現代法の下では、拷問は勿論のこと脅迫により違法に獲得したものに証拠能力は無い筈ですが。また、乗っ取った飛行機での自爆と云う性格上実行犯が全て乗客と共に一瞬にして蒸発した事件ですから、裁かれるのはそれを指揮したマスターマインド (立案・指導を行った者、の意味でしょう) たるハリド・シェイク・モハメド容疑者とその部下・親族。実行犯死亡の犯罪を裁く通常の裁判であれば、手を下していない者に死刑宣告するのはウルトラCだろうと思いますが、今回のは茶番劇ですから楽勝でしょう。まして陪審員裁判であるなら、「愛国的でない」 意見を述べることさえ実質不可能でしょうし。
9−11は自作自演の疑いも完全には晴れてはいない、未だに不明な部分が多い事件です。冒頭で 「起死回生の」 と言いましたが、この茶番劇がどの様な形で終わるにしろ、オバマにとっては国内・国外問わずマイナス評価にしかならない様な気がします。
他の裁判や 「茶番劇」 との比較を考えるなら、ドイツの戦犯を裁いたニュルンベルク裁判は連合国の管轄下にあったが、日本の戦犯を 「裁いた」 東京裁判はマッカーサー司令官の指揮下、極東国際軍事裁判所即ちアメリカ単独での 「裁判」 でした。いずれも連合国側の戦争犯罪は裁かれていない。最近のものでは サッダーム・フセイン (ウィキペディア) を 「裁いた」 茶番劇。形のうえではイラク自身の良心による判決・ サッダーム・フセインの死刑執行 (ウィキペディア) と言われていますが、実際アメリカの圧力が無かったなどと思っている馬鹿はいない。従って今回のものは、サダム・フセイン裁判に最も近そう;
- http://www1.gifu-u.ac.jp/~terasima/essay040201sadamtrial.html
サダム・フセインにはどんな公正な裁判が必要か
ノーム・チョムスキー 『トロント・スター紙』2004年1月25日、(翻訳:寺島隆吉+寺島美紀子、公開040201)
- http://www.amnesty.or.jp/modules/news/print.php?storyid=239
イラク : サダム・フセインの死刑執行に遺憾
2006年12月30日 AI Index: MDE 14/043/2006 Copyright (C) 2009 AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN
オバマになっても、アメリカは変わらない。今回の茶番劇を首尾良く片付けることで達成出来るものは何も無い。誰が本当ののマスターマインドであったのか、そしてもしそれが広く信じさせられている様にアメリカ国外の過激派によるものだったとしても、何故銃口がアメリカに向けられたか考えない限り、何も解決しない −−− いや、むしろ解決するつもりが無いのでしょう。世界が平和になると、大量破壊兵器・核兵器の所有・行使能力とも世界一を誇るアメリカ軍と軍事産業が喰って行けなくなりますし、するとアメリカの優位性が無くなりますから。今回の茶番劇は息抜きかな?