遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

田中宇さん記事の紹介 その2: 米国の威を借りて自民党を恫喝した官僚

先日12月11日付け 【田中宇さん記事の紹介: 官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転】 の補足として以下一連の記事も紹介しておきます。いずれも独自の取材と考察に基づく秀逸な記事と思いますので (日付の旧いものから新しいものへ並べてあります);

  • http://tanakanews.com/081224awakening.htm
    世界的な政治覚醒を扇るアメリ
    2008年12月24日  田中 宇


     民主党の外交戦略家の重鎮で、オバマ新大統領の外交顧問をしてきたズビグニュー・ブレジンスキーが、12月16日に興味深い論文を発表した。「世界的な政治覚醒」(The global political awakening)という題名で、米国が指導力を失う中、環境・社会・経済などの分野で起きる世界的な問題に対する論争が活発化し、世界的な政治覚醒が起きると予測している。 (以下略)
  • http://tanakanews.com/091104okinawa.htm
    沖縄から覚醒する日本
    2009年11月4日  田中 宇


    −−− 民主党の沖縄ビジョンでは、沖縄の自立を「地域主権パイロット・ケース」と位置づけている。地方分権自民党小泉政権の時からやっているが、地方分権の究極的な意味は「霞ヶ関官僚制度の大幅縮小」である。対米従属下の高度成長期の日本は、官僚制度が自民党というみこしを担いで日本を動かしてきたが、日本はもう低成長で、しかも多極化で対米従属も維持不能になる。日本の中枢たる官僚制度は大幅な改革が必要だが、官僚は権限を保持しようと謀略し、自民党政権下の地方分権は腑抜けにされていた。上からの地方分権ではなく、下から住民が革命的に権力を霞ヶ関から奪うような展開にならないと、地方分権は進まない。  (以下略)
  • http://tanakanews.com/091115okinawa.htm
    日本の官僚支配と沖縄米軍
    2009年11月15日  田中 宇


    −−− 田中角栄の追放後、自民党は対米従属の冷戦党に戻ったが、外務省など官僚機構は「対米従属をやめようと思うと、角さんみたいに米国に潰されますよ」と言って自民党の政治家を恫喝できるようになった。官僚機構は、日本に対米従属の形をとらせている限り、自民党を恫喝して日本を支配し続けられるようになり、外務省などは対米従属を続けることが最重要課題(省益)となった。


     日本において「米国をどう見るか」という分析権限は外務省が握っている。日本の大学の国際政治の学者には、外務省の息がかかった人物が配置される傾向だ。外務省の解説どおりに記事を書かない記者は外されていく。外務省傘下の人々は「米国は怖い。米国に逆らったら日本はまた破滅だ」「対米従属を続ける限り、日本は安泰だ」「日本独力では、中国や北朝鮮の脅威に対応できない」などという歪曲分析を日本人に信じさせた。米国が日本に対して何を望んでいるかは、すべて外務省を通じて日本側に伝えられ「通訳」をつとめる外務省は、自分たちに都合のいい米国像を日本人に見せることで、日本の国家戦略を操作した。「虎の威を借る狐」の戦略である。


     80年代以降、隠れ多極主義的な傾向を持つ米国側が、日米経済摩擦を引き起こし、日本の製造業を代表して米国と戦わざるを得なくなった通産省経産省)や、農産物輸入の圧力をかけられて迷惑した農水省などは、日本が対米従属戦略をとり続けることに疑問を呈するようになった。だが外務省は大蔵省(財務省)を巻き込んで、方針転換を許さず、冷戦後も時代遅れの対米従属戦略にしがみつき、巨額の思いやり予算で米軍を買収して日本駐留を続けさせ、自民党を恫喝し続け、官僚支配を維持した。


     官僚機構は、ブリーフィングや情報リークによってマスコミ報道を動かし、国民の善悪観を操作するプロパガンダ機能を握っている。冷戦が終わり、米国のテロ戦争も破綻して、明らかに日本の対米従属が日本の国益に合っていない状態になっているにもかかわらず、日本のマスコミは対米従属をやめたら日本が破滅するかのような価値観で貫かれ、日本人の多くがその非現実的な価値観に染まってしまっている。  (以下略)


新政権は脱官僚支配をうたっていますが、さてどこまで実現出来るか? 「官僚の力の源は専門的知識と秘密主義、そして時間」 と言うひともいるくらいですから容易なことではありませんが、こと外交に関しては秘密主義なんてとんでもない、組織をぶっ壊してでも吐き出させるべき。一部の木端役人に一国の進む方向を決められてたまるか、と思うのは私だけではないでしょう。

  • 外務省 (ウィキペディア)


    外務省問題


    2001年4月に第1次小泉内閣が発足したとき田中真紀子議員が外相に就任した。田中外相は人事凍結方針を打ち出し、外務省がそれに反発、外務省は機密費流用問題、公金流用疑惑、裏金などの不祥事が続出し、田中外相は外務省を伏魔殿と呼び、外務省改革を唱えた。以降、ことあるごとに田中外相と外務官僚の対立が続くようになった。田中外相は事務次官の任免を繰り返し改革を断行しようとするが、アメリ同時多発テロ以降、外交政策は官邸主導、外務省主導になり、肝心の外相は1人取り残されるようになった。その後、アフガン復興支援に関して、NGOを復興会議から排除した問題が浮上。NGO排除に鈴木宗男議員の大きな影響があったと大西健丞NGO「ピースウィンズ・ジャパン」代表が発言、小泉首相も鈴木議員の圧力を認めたが、野上義二外務事務次官はそれを否定。田中外相、鈴木議員、外務省の3者をめぐって全面的な争いが起こった。2002年1月、小泉首相は田中外相と野上事務次官を更迭した。


    その後、外務省への過度な圧力などを指摘され、2002年3月11日に鈴木宗男議員が証人喚問を受けることになった。 (以下略)
  • http://mainichi.jp/select/today/news/20091213k0000m010100000c.html
    沖縄密約:文書現存せず 外務省廃棄か 元局長証言と矛盾
    2009年12月13日 2時30分 更新:12月13日 10時8分 毎日jp


    −−−外務省幹部は「もし意図的に廃棄したとすれば、違法性が高いと裁判で判断されるかもしれない」と指摘しており、裁判の行方にも影響を与えそうだ。


     01年4月の情報公開法施行前に同省が文書管理の在り方を見直した際、「存在しない」としてきた文書が将来発覚する事態を恐れ、廃棄した可能性もある。
  • http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091213ddm003010104000c.html?inb=yt
    解説:沖縄密約文書、現存せず 外務省、問われる責任
    毎日新聞 2009年12月13日 東京朝刊


    沖縄返還に絡む原状回復補償費400万ドルをめぐる密約文書が外務省に保存されていなかったことで、密約を隠し続けてきた外務省の責任が改めて問題になる。外交上の秘密は当然付いて回るが、隠ぺいしたまま廃棄してしまえば、機密でなくなった後に妥当性を検証することが不可能になる。外務省の外交に対する姿勢と責任が厳しく問われそうだ。 (以下略)


これって、国民を馬鹿にしたハナシである以前に犯罪行為ではありませんか? 別名、国賊かな? 以下、キワモノの感はありますが、絶版となった書籍の紹介を;

http://members.jcom.home.ne.jp/rieux2/saraba_gaimusyo.htm
読書メモ:『さらば外務省!』(天木直人


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  • 書籍データ:出版社: 講談社 (2003/10)
    ISBN-10: 4062121093 / ISBN-13: 978-4062121095