遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

安保理決議#1887: 第二次大戦戦勝国連合での歴史的な茶番劇と、盲目的にそれを称賛するしか能のないマスコミ

予想はしていたものの、24日の 国際連合安全保障理事会 (ウィキペディア)オバマの中身の無い美辞麗句を参加者がヨイショするだけの 「歴史的な」 パフォーマンスで終わりましたね。お祭りですからそれでよし、かも知れませんが、決議の内容そのものも問題と思います。Resolution 1887 (2009) が問題の 国際連合安全保障理事会決議 (ウィキペディア) のオリジナルです;

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090924-OYT1T01161.htm
核兵器なき世界」へ決議、安保理全会一致
(2009年9月25日01時29分 読売新聞)


 【ニューヨーク=吉形祐司】国連安全保障理事会は24日午前(日本時間同日夜)、核不拡散軍縮に関する首脳級会合を開き、「核兵器なき世界」の条件作りを目指す決議1887を全会一致で採択した。


 核不拡散体制の徹底とともに、核軍縮原子力平和利用を推進、将来的には核兵器の廃絶を実現しようとの目的を、核を保有する常任理事国が中心となって進めようとする歴史的な決議となった。 (中略)


 決議は、核拡散防止条約(NPT)未加盟国に非核保有国としての加盟を、すべての国に爆発を伴う核実験の自制を求めた。核実験全面禁止条約(CTBT)の加盟、批准もすべての国に求めており、同条約を批准していない安保理常任理事国の米国、中国は、自ら責務を負うことになった。


 NPT体制強化により核不拡散を徹底、核関連物資や技術が核開発に野心を持つ国家やテロリストの手に渡るのを阻止することが、決議の当面の狙い。核兵器保有国である常任理事国の米英仏露中5か国も自ら、NPTに基づく核軍縮交渉を推進するとうたった。 (以下略)


最大の不備というより欺瞞は、明らかに臨界前 (=核爆発を伴わない) 核実験は認めていること、また爆発を伴う核実験を禁止している様には読めないこと。これでは今と何も変わらないのでは? 問題の決議文は;

7. Calls upon all States to refrain from conducting a nuclear test explosion and to sign and ratify the Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty (CTBT), thereby bringing the treaty into force at an early date;


今回の会合は 「核不拡散と核軍縮に関する首脳級会合」 ですから、核保有国にとって都合のよいハナシだけですね。「核不拡散」とはオレ達以外に核兵器は持たせないぞってことだし、「核軍縮」はオレ達の中では騙しっこ無しで数を減らそうや、との内輪の約束に過ぎません。うがった観方をすれば、核兵器保有国の既得権を絶対的なものにすること、および核兵器保有のコスト削減と云う、正にアメリカの考えそうなことです。たとえ今回の決議通りにコトが進んだとしても、世界平和につながるシロモノではありません。


以下参考までウィキペディアによる幾つかのコトバの説明を;

  • 臨界前核実験
    −−−臨界前核実験(りんかいまえかくじっけん、英: subcritical experiment)は、主に核物質を臨界に至らない条件に設定して行う各種の実験。核兵器の新たな開発や性能維持のために行われる。


    核物質の高性能爆薬による爆破・圧縮や大出力レーザーの照射によって行われ、主に物性変化を観察することが目的である(実験結果はコンピュータ・シミュレーションの基礎データなどに利用される)。 核物質が臨界に達する前の段階で実験は終了するため、通常の核実験で起こるような(閃光・熱・爆風を伴う)核爆発は発生しない。


    包括的核実験禁止条約 (CTBT) の禁止対象外である。現在アメリカが中心となって行っており、核兵器反対派の団体などからは「何らかの条約によって禁止すべき」との意見が多くある。また、以前レーザー核融合を用いた臨界前核実験に用いる光学プリズムをHOYAローレンス・リバモア国立研究所に提供することになったことが報道されたことがある。


なおこの24日の会議には、23日の一般討論演説で常任理事国が拒否権を保有する安保理の仕組みを激しく批判したリビアの最高指導者、カダフィ大佐は姿を見せなかった。私が嫌悪するライスに恫喝されたため。ただしカダフィ大佐が頭でっかちのアメリカの優等生ごときに脅されてビビる訳は無いから、恐らく自制したか、馬鹿馬鹿しいから欠席したのでしょう。 (それともテントが張れないから帰った?);

  • http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/297626/
    「不規則発言ダメ」米国連大使リビアカダフィ氏にクギ
    配信元: 産経新聞 2009/09/03 15:49更新


     毒舌や長時間の演説で知られるリビアの最高指導者カダフィ大佐に対し、ライス米国連大使は2日、オバマ大統領が主宰し、24日に国連安全保障理事会で行われる首脳級特別会合で、不規則発言をしたり長々と話したりしないよう、くぎを刺した。


     ライス氏はニューヨークの国連本部での記者会見で、会合のテーマは核不拡散・軍縮だとして「どの国の指導者であれ、テーマと関係ない話をしたら場違いで不適切」と指摘。参加者に発言を5分以内にするよう既に依頼し、大半の国から承諾を得ているとして「カダフィ氏が来るなら、同じことを期待する」とした。


     カダフィ氏は2005年、安保理を「テロ組織」と呼び、ことし6月にも、1986年の米軍のリビア空爆と01年の米中枢同時テロを比べ「米国の空爆と(国際テロ組織)アルカイダの攻撃のどこが違うのか」と発言した。(共同)
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090924-00000001-mai-int
    カダフィ大佐>「安保理はテロ理事会だ」国連総会で初演説
    9月24日1時21分配信 毎日新聞


    −−− 大佐の国連訪問と演説は初めて。オバマ米大統領の演説を、大佐はリビアの席で最後まで聞いた後、総会議長に促されて登壇。気候変動、経済危機、食料危機など現在、国連はさまざまな挑戦に直面していると説明した。その後、国連憲章を読み上げながら、加盟国に同じ権利が保障されているはずなのに一部の国が拒否権を持っていると批判し、憲章の冊子を破ろうとした。


     また、大佐は「安保理で各国が同じ権利を有するには全理事国に拒否権を与えなければならない」と述べ、「今の安保理核兵器を所有する国が特権を持っており、正義ではない」と主張した。


     大佐は途中、「国連が認めている武力行使は世界の平和にとって脅威になる場合に限られるのに、過去の世界の戦争のほとんどは1カ国か数カ国のために行われ、国連はそれを止めることもチェックすることもできなかった」と、安保理の機能に不満を示した。


カダフィ大佐の上記の言葉のどこに誤りがありますか? あまりに正し過ぎて反論出来ないでしょう。でも欧米の言い分だけが正しいと思い込まされて生きて来た人達には、カダフィ大佐の怒りはわからないでしょうね。−−−と云う以前の問題で、”カダフィ”や ”アフマディネジャド”や ”フィデル”や ”チャベス”の名前を聞くだけで耳を塞いでしまう。 正に 『バカの壁』 。彼らは王様は裸だぞ!!って叫んでいるのですがね。


で早速キナ臭いハナシが持ち上がっています。イラク開戦時にあったのと同じレベルの胡散臭い情報なのに、まだ懲りないのか??? 鬼っ子イスラエルまで尻馬に乗って来たが、まだウラン濃縮のレベルのイランより、既に核兵器を所持している、かつガザでの虐殺行為を今現在行っているイスラエルの扱いの方が優先度と重要度の高い問題でしょ??? 何故アメリカはイスラエルには弱腰なの?? これでは子ブッシュと変わらない;

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090926-00000553-san-int
    イランの核問題ヤマ場 オバマ米大統領、軍事手段も排除せず
    9月26日19時59分配信 産経新聞


     【ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)=有元隆志】イランが秘密裏にウラン濃縮施設を建設していたことが明らかになったことで、同国の核問題は米国も参加して直接協議が行われる10月1日から、オバマ米大統領が区切りと位置づける年末にかけてヤマ場を迎える。イランが国際原子力機関IAEA)の査察に抵抗することが予想される中、オバマ大統領は25日の記者会見で「あらゆる選択肢を排除しない」と、軍事手段の可能性も指摘した。実際にどのようにイランに圧力をかけていくのか、大統領にも正念場となる。


     米政府高官は中部ナタンツにあるウラン濃縮施設ではなく、この秘密施設こそ実際にウラン濃縮作業が行われる予定だったとの見方を示した。IAEA職員が監視するナタンツの施設では、核爆弾製造に向けたウラン濃縮を実施するのは困難なためだ。 (以下略)


国連は、聞こえはいいものの、所詮第二次世界大戦戦勝国連合であり、かつ核保有国の既得権を守るだけの機関のまま。無いよりゃマシ、程度のものですね。オバマは、xx丸出しだった子ブッシュよりはスマートですが、大統領としての統率力はあるのか疑問。間もなく立証されるとは思いますが、戦争をさせてはならない。鳩山さん、それだけの覚悟は出来てますか?