遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

米欧の標榜する 「正義」 の胡散臭さ: 不都合な敵は殺して構わない

本日2011年5月3日は 日本の憲法記念日 ですが、非常に由々しい事件を2件紹介;


NATO カダフィ大佐の家族を殺害】


 


 カダフィ大佐の息子と孫3人、NATO軍の空爆で死亡
   ロイター 5月1日(日)10時22分配信


   [トリポリ 1日 ロイター] リビア政府のイブラヒム報道官は、4月30日に行われた北大西洋条約機構NATO)軍の空爆で、最高指導者カダフィ大佐の息子、セイフアラブ氏(29)と孫3人が死亡したと発表した。同大佐は無事だという。 (以下略、引用終わり)


 Nato strike 'kills Gaddafi's youngest son'
   Last Modified: 01 May 2011 01:00, Al Jazeera English


 Gaddafi son killed in Nato air strike
   01 May 2011, Scotland on Sunday


  大佐は、過去の爆撃でもまだ幼かった養子を殺されています。そして今回また−−−


 
 出典: Libya protests: The Gaddafi family tree
      21 February 2011 Last updated at 19:03 GMT, BBC News
       画像オリジナルはクリッカブル。なお養女とされる
        ハンナさん (故人) が多分意図的に除外されている様子。


   Muammar Gaddafi - Wikipedia より抜粋;


     He is also said to have adopted two children, Hanna and Milad. Hanna was apparently killed in 1986 at the age of four, during retaliatory US bombing raids; the facts are disputed however, and this adoption may have been posthumous. (以下略、引用終わり)


   Saif Al-Islam Al-Gaddafi And The Telegraph
     Wednesday, 21 August, 2002 より抜粋


     −−− Sadly, some of my brothers and sisters were too young to know what to do, and they became trapped in one part of the house when a corridor collapsed. They were stuck there until the rescue services arrived, and, when we dug them out we found that Hannah, my youngest sister, had died. She was just four years old. (以下略、引用終わり)


 カダフィ氏息子の死で懸念表明=中国
   時事通信 5月2日(月)19時48分配信


   −−−「(市民保護を掲げた)国連安保理決議の枠を超えたいかなる行動にも賛成しない」と懸念を示し、即時停戦を呼び掛ける談話を発表 (以下略、引用終わり)


 ロシア、リビア問題解決に向けて軍事行動停止を呼びかける
   サーチナ 5月2日(月)17時50分配信


   −−−「カダフィ大佐の家族を空襲の標的にはしていないというNATOの声明は疑い深いものである。多国籍部隊の武力行使は、国連安保理が与えた権限を越えている」 (以下略、引用終わり)


さて 「平和憲法」 を有する日本の対応は?




【米軍 ビン・ラディン容疑者を殺害】



 Interactive archive: Osama bin Laden
   Last Modified: 02 May 2011 14:37, Al Jazeera English


 米主導の作戦でビンラディン容疑者殺害、オバマ大統領「正当な処罰
   ロイター 5月2日(月)16時12分配信


    アメリカの掲げる 「正義」 の本質がよく現れた事例。まず、 「アルカイダ」 そのものが半ば架空の組織である可能性が大きい −−− もう少しスマートに言うなら、反証の余地があまりに大きい仮説に過ぎない −−− ことを考えると全て茶番かも。アメリカ自身が育て敵に仕立て上げたビン・ラディンがとっくに死亡していたかまだ生きているか検証のしようがないが、今回殺害され海に捨てられた死体は別人のものでしょう。そのうち遺体の写真やらDNA鑑定の資料が 「意図的に」 「暴露」されるでしょうが、そんなねつ造はアメリカお手の物。再選を目指すオバマとその師たる子ブッシュの点取りのためのでっち上げでしょう。子ブッシュ911復権したのと同様、オバマはこの殺害で復権を目論んでいるだけのこと。


   また今回実際誰を殺したのかは別として、刑どころか罪さえ確定していない 「容疑者」 を殺害することのどこが 「正当な処罰」 なのか、理解に苦しむところ。何が 「テロの無い世界へのへ大きな前進」 か? また首謀者どころか全容さえ明らかになっていない状態で捜査が打ち切られ、アメリカ政府による自作自演の可能性さえ取り沙汰される911事件に関しても、何が犠牲者の慰めか? これほど犠牲者やご遺族を馬鹿にしたハナシは無い。


   何も変わりやしない。今度は 「アルカイダの報復」 と云う名の脅威がダシに使われるだけ。アメリ有権者のどの程度が容疑者殺害のニュースに狂喜しているのかは知りたくもありませんが、次に犠牲になるのは自分たちであることは多分認識していないでしょう。グアンタナモ閉鎖のハナシも立ち消えになってるみたいですし。




米欧は図に乗ってカダフィ大佐やらアサンジ氏・マニング米陸軍上等兵など自分たちに 「不都合な」 敵を抹殺し兼ねない。要注意。 「オバマは、罪もない数多くの人々を殺した責任がある」 やら 「オバマビンラディン死亡」 など 「ウサマ」 と 「オバマ」 を 「誤植」 したメディアがあった様ですが、マトモなジャーナリストのせめてもの抵抗でしょう。テロの真の親玉が健在である以上、無益な殺し合いは続くでしょうね。