遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

孤立するイスラエル その4: 犯罪国家とそれを擁護する覇権国家、それにへつらうそれ以下の国家 #3

腹にすえかねることども;

(1) 支援船襲撃 イスラエル首相謝罪拒否 国連が調査団派遣へ
6月4日0時8分配信 毎日新聞


−−−イスラエルのネタニヤフ首相は2日、「命が失われたことは遺憾だが、自らを守ったことで謝ることは絶対にない」と正当防衛だったとの主張を譲らなかった。イスラエルには国際的非難が高まっており、国連人権理事会は2日、国際法違反を調べる「独立した調査団」を派遣する決議を採択した。米国は反対、日本は棄権した。


日本の棄権の意味は何か? アメリカさまへの心遣いですか、呆れてものが言えない。「現行犯」 イスラエルの主張にさえ耳を傾けるべきと言うなら、では何故 「状況証拠による容疑者」 DPRKの主張には聞く耳持たずなのか? また日本同様に 「核は平和目的以外には利用しない」 と言うイランの主張は何故聞かないのか? 結局何でもアメリカの言いなり、それこそが日米同盟の本質なんでしょ? カネ以外には特段の努力など要らない安易な外交・国防ごっこですね。 「人の命を大切にする政治」 なんていう、オバマの 「核の無い世界」 以上に意味不明の前首相のタワゴトなど無視するにしても、日本国憲法の 「崇高な」 理念はどこへ行ってしまったのか。

(2) G8外相会合―外相同士の有用な議論の場
2010年4 月 5日 (月)、岡田かつや TALK-ABOUT


−−−そういう中で、私として特に力を入れて議論をしたのが、核の問題です。


「核の役割を低減させる。そして、『核なき社会』を目指して具体的に進めていく」そういう表現は、いずれもオバマ大統領のプラハ演説(2009年4月)に出てくるわけですが、そのことを是非入れたいと思って頑張りました。


この問題だけで60分くらい議論していたと思います。しかし、なかなかそれは、他の外務大臣に受け入れられることはありませんでした。 (中略)


−−−G8外相会合の結果の文章は、コンセンサス(全会一致)方式で、1人でも反対したら出来ないため、結局私の意見は受け入れられませんでした。 (中略)−−− これ以上頑張ると、「初めて来た日本の外相はちょっと変わっているのではないか」という印象を持たれても困りますので、今回はそこそこのところでやむを得ないことにしました。 (以下略)


日本人らしいココロヅカイでしょう、日常あるいはビジネスの席上であればむしろ美徳かも知れません。しかしこの様な場でのこの態度は、自分の(=日本の)意見を引っ込めることを意味しますから、背任行為 (本音でないなら別ですけど) です。1人でも反対したらコンセンサスの文章が出来ないのであれば、不成立とすべき。そうすることでのデメリットは何ですか? いや、そうしない限り、被爆国としての主張など誰にも聴いてもらえない。正直に経緯を書かれていることは評価しますが、いつまでこんな税金の無駄遣いのお付き合いを続けるのか、と、私は腹立たしく思いますがね;


「今回はそこそこのところでやむを得ないことにしました」 だって? その 「今回」 は被爆後 『過ちは、繰り返しませぬ』 と誓ってから一体何年に渡って続いているのか?

(3) イランの核とミャンマーの選挙―G8外相会議でも議論したい
2010年3 月29日 (月)、岡田かつや TALK-ABOUT


−−−イランは、核兵器を開発しているのではないかということで、各国が疑惑の目で見ています。そして、国連安全保障理事会で、制裁に関する議論がいよいよ始まろうとしています。


私は、イランという国の歴史や文化に心から敬意を表する1人ですが、もしイランが核を持つということになると、これは中東の力関係がガラッと変わってしまいますし、例えば北朝鮮にも、核を持つということで影響を及ぼします。


イランには、核を持つということを是非断念してもらいたいと思います。


数日前に、イランのモッタキ外相と電話で1時間くらいの会談をしました。モッタキ外相も素晴らしい人ですが、是非核開発を行わない――イランはもちろん否定していますが――そして、これだけ世界の国々が疑っているなかで、それを挽回しようとすれば、かなり思い切った決断をしなければいけないと思います。 (以下略)


「もしイランが核を持つということになると、これは中東の力関係がガラッと変わってしまいます」 だって? ならばイスラエル保有する核兵器はどうなるのか? また 「イランには、核を持つということを是非断念してもらいたい」 と云うのが 「かなり思い切った決断」 なの? 日本にそんなことが言えますか? 被爆国日本だって核利用を行っていますから、幾ら平和利用であると主張したって 「核兵器開発能力あり」 と分類されている筈です。率先垂範、日本も一切の核利用を放棄すると云うならハナシは別ですけど。

(4) モッタキ外相―国の考え方は違えど、個人的な信頼関係は大
2010年6 月 1日 (火)、岡田かつや TALK-ABOUT


−−−特にモッタキ外相が主張されたことは、最近、トルコ、ブラジル、イランの3カ国で「テヘラン合意」が出来たが、それは、ここ数年議論してきたイランが持っている低濃縮ウランを海外に出し、加工して――これは、アイソトープ用に使うものですが――20%まで濃度を上げ、特別な加工をしてからイランに戻して使うという合意が3カ国間で出来たので、制裁の必要性はなくなったというのがイランの主張です。そして、「この間、アメリカもこのことについて賛成してきたのではないか」ということです。


私は、「信頼醸成措置として重要なことであるから、是非、このテヘラン合意はやってほしい。ただ、だからと言って、制裁の問題がそれでなくなるということではない。なぜなら、ウランの20%濃縮をいまでも続けている。それをやめない限り、制裁は避けられない。したがって、イランおよびイラン国民の将来を考えたときに、ここは大きな決断をして、20%濃縮を直ちにやめるべきだ。そうでなければ、制裁になって、大変な苦しみを国民に与えることになる」と申し上げました。


かなり突っ込んだ激しいやり取りになりましたが、お互いの溝は埋められないまま、会談は終わりました。 (以下略)


全体の主旨は、 「溝は埋まらなかったが個人的な信頼関係は出来た」 とのこと、よかったですね、そりゃ。でもモッタキさんは相当失望されたと思いますよ、予想はされていたでしょうが、アメリカのごり押しで、アメリカの私物化した国連による追加制裁ありきで岡田は話した訳ですから。ブラジルやトルコの行った仲裁は、本来被爆国である日本が中心となってやるべきだったと思いますが。大きなチャンスだったのに−−−


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以上列記した4件とも、日本はアメリカに忠実に追従しているだけ。良し悪しは別として世界でも稀な 『平和憲法』 を持ちかつ世界唯一の 『原爆被爆国』 であるのに、世界唯一の 『原爆加爆国』 かつ世界最大の 『核兵器保有国』 を無条件によいしょする類稀なる存在、それが日本です。こんなもの、世界の中で理解などされる訳がない。日本はいっそのこと中国の属国にしてもらったらどうでしょう?? あのゲーツをして 「軍事交流から得られる潜在的利益をわれわれほど重視していないことに失望した」 と嘆かせた国 *1 ですから、アメリカよりゃぁマシでしょう。

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