翻訳家 山岡朋子さんとの出会いから1年: その2
このブログで扱うテ−マは、そのタイトル 『翻訳家 山岡朋子 *1 ファンクラブ初代会長の日記』 ですから;
として考えています。一部、テーマを拡大解釈して自分の言いたいことを言っているものもありますが。
「翻訳・執筆活動応援の目的」 と云う観点からは、現在市場で流通している書籍の拡販が出来ればよいと云う即物的な考え (現在のトレンドですね) もアリですし、その方向での展開も別の方法で準備中ですが、このブログが主に目指すところは、こんなに素晴らしい翻訳もあるんだぞ、ってことをアピールすること。当面の最大の課題は 『ルス、闇を照らす者』 の復刊ですが、まず 「わかりにくい、日本では売れない小説」 などと云う見当違いの評価を変えていく必要がありますよね。需要が無ければ供給は成り立たないので。
日米のみならず今まで世界を動して来た仕組みが変わるかも知れない現在、私が80年代初頭からずっと関わって来た中南米の歴史を学び直すことに大きな意義があると考えています。以前にも書いたかも知れませんが、中南米には現代を象徴する善きもの・悪しきもの --- 人種問題、極端な富の偏在、暴力、文化の多様性 など --- の全てがある。別に中南米に限ったことではなく、アフリカや中近東など日本ではあまり馴染みの無い地域について学ぶことは、日本を知る有効な手段でもあります。
また、現在の出版界も大きな変革の時期にさしかかりつつあることは認識する必要があります。現在私が相当の時間をかけてWatchしているインターネットビジネス関連について言えば、ITの世界で成金になった品の無いガキどもの書籍 (=ネットは儲かりまっせ系) が雨後のタケノコよろしく新刊され、瞬間ランキングでハリポタを抜いたなどとつまらない自慢をしている一方で、スロームービングではあるが本屋さんの棚にいつも必ずあって欲しい書籍が無くなって来ている様な気がします。最近産経ニュースで面白い特集記事を見つけましたので以下紹介しておきます;
【なぜ本は売れないのか】(上)着いたその日に返本
【なぜ本は売れないのか】(中)「1000万種類超、ネット書店は2ケタ成長」
【なぜ本は売れないのか】(下)「新刊点数が増え、どれを手に取ればいいのか」
※蛇足ですが上掲記事に関連して、本来販売の結果として表示されていたランキングが本を選ぶ際の基準になってしまっています。数字に基づいて効果・効率を追求することは正しいと思いますが、全てにおいてそれが善なわけでは無い、と云う認識が薄れていますね。メーカーがシェアを気にする理由は、それが高いほど利益も大きくなるからですが、では利益が全てなのか、はよく考える必要がある。カネは悪ではない; 価値の交換手段として必要不可欠なものですが、それだけを目的とすることは間違いですね。ベストセラーだけを読むことは、時代の趨勢を理解するには役立つかもしれませんが、ココロの肥しにはなりませんし、生きていくうえでの指針にもなりません。単なる時間ツブシですね。
「復刊」 と云うと、コンベンショナルな形態 --- コンテンツの印刷された紙を綴じた本 --- で絶版となった書籍を再度印刷して流通させるワケですが、そうでない方法もこれからはアリかも知れません。著作権の問題はあるものの、書籍をデジタルコンテンツとして保管しておいて、注文に応じてデジタルデータで提供 (いわゆるEブック) 、あるいは製本サービスを通じてコンベンショナルな本として供給、とかね。これからの趨勢は間違いなく、Amaxxxに代表されるネット書店、xxx屋に代表される大型書店、エキナカ書店、近所のxx堂など、各々ユニークなセールスポイントを打ち出せるところが生き残っていくのでしょう。それに応じて図書館も変わらざるを得ないでしょうね、きっと。
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