遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

翻訳家 山岡朋子さん その45:  Jami Alden さん、 ロマンス小説のこと その1

2008年10月13日に一度だけ、山岡朋子さん(山岡とも子さん名)翻訳の 『二人だけのレシピ(原題: Delicious - A taste of temptation) 』 に関してロマンス小説なるものについていい加減に?書きましたが、その後原作者 Jami Alden さんサイト・Amazonなどで新たな本の出版・翻訳がなされたことを知ったため、およびロマンス小説なるもののアングロサクソン文化圏(?)での地位を再認識したと云うことがありましたので、改めて書いてみることに。Jami Alden さんのサイトから "Romance novel" (日本ではあまり評価されていない?ロマンス小説) の分野一般へと、何回かに分けて展開してみますね。



HP最上部

Jami Alden さんHP (http://www.jamialden.com/index.html) は、逞しい男性のイメージに、漆黒の背景と云う夜の雰囲気で、 "smart, sexy romance" の記載があります。ロマンス小説の分野でも特にスマートさ・セクシーさに重きを置いている、と云う意味でしょうか。


HP最下部


『二人だけのレシピ』 の訳者あとがき *1 を、山岡朋子さん(山岡とも子さん)は次の様に始めていらっしゃいます;

 淡いピンクのグロスで彩った口をそっと開いた女性。手にしているのは ------ 唇の形をした真っ赤な棒つきキャンデー。

 口とキャンデーだけをクローズアップした原書の表紙を初めて見たとき、この本を電車の中で広げるのは少々抵抗があるなと思いました。相当ホットな内容だろうと覚悟して開いたところ、冒頭一行目から scrotum (初代会長注: 翻訳書にはこの単語の意味がルビとしてふってありますが、おかしなコメントやらリンクを避けるためここでは控えます) なる単語が出てきて、やってくれるなあ、と。 ---

 
原書の表紙             翻訳書の表紙
写真の出典はいずれもAmazon

※ 表紙のデザインは、特にシリーズもので出版する場合出版社の意向も相当反映されるのでしょうね。


Jami Alden さんのこれ以降の出版は、予定も含めると以下の通り:

・Private Party            2007年11月
                      邦題 『ターコイズブルーの海の誘惑』
・Italian Stallions           2008年 7月
・Caught : Gemini Men Book 1  2008年10月
・Kept: Gemini Men Book 2    2009年 3月
・Unleashed: The Gemini men   2009年 9月29日出版予定


Jami Alden さんのポジションは上記の如く "smart, sexy romance" と云うことでしょうが、ロマンス小説全体の枠組みの中ではどうなのか把握するのもおもしろそうです。昨年読んでコメントした時にはそうは思えませんでしたが、意外と山岡朋子さん(山岡とも子さん)が訳者あとがきに書かれている様に、【 --- 本書は官能だけではなく、ストーリーを追う楽しみも十分に味わえ】 るのかも知れません。他の同ジャンルのものとの比較の問題ですが、何しろ他のものを読んでいないものですから−−−。


ジェイミー・アーデンさんHP中の経歴紹介ページ *2 を見ますと、13歳の時のロマンス小説との出会いから書き始めておられます;

Like so many romance readers, my first romance novel was by Kathleen Woodiwiss - The Flame and the Flower, to be exact. I was thirteen.

この1972年に出版された "The Flame and the Flower" *3 は、英語版 Wikipedia によると現代ロマンス小説の最初の小説と考えられている様です;


  
オリジナル                      翻訳版
写真の出典はいずれもAmazon


次回からは主に英語版 Wikipedia の記事を中心に、男性には禁じられた? 世界を覘いてみようかな、と。

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*1:株式会社 ぶんか社 2008年2月20日発行 初版第一刷 443ページ

*2:http://www.jamialden.com/biography.html

*3:邦題 『炎と花(上)(下)』 再版重ねている様で、まだ新品で入手可。各々ISBN-13: 978-4863327900 / 978-4863327917

ヴィレッジブックス、2005年9月出版、英米文学翻訳家 野口 百合子さん訳