遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

私の大好きなフラメンコのこと その10: 訃報 Parrilla de Jerez さん


Parrilla de Jerez            その妹 Ana Parrilla
出典: Flamenco-World.com、 http://es.geocities.com/ana_parrilla/


残念なことに、またひとりフラメンコの弾き手が亡くなりました。 *1 左上の写真 "Parrilla de Jerez" こと Manuel Ferna'ndez Molina さん、長い闘病生活の後、去る6月6日、63歳の若さでした。思い出されるのが、その妹にあたる踊り手 "Ana Parrilla" こと Ana Ferna'ndez de Molina さんが、兄に先立つこと約5年前の2004年7月11日、同じ様に長い闘病の後夭逝されたこと。アナさんは、確か来日経験がおありだったはず。


フラメンコの唄・ギター・踊りの全てをこなされヘレスで独自の芸を打ち立てた "Tio Parrilla" こと Manuel Ferna'ndez Moreno さんを父に持ち、更に19世紀の傑出した唄い手であった "Juanichi El Manijero" こと Juan Ferna'ndez Carrasco さんを祖父に持つ、フラメンコ名門一族の出。Manuel, Ana のお二人が逝かれたため、3兄弟のうち残されたのは弾き手である "Juan Parrilla" ひとりとなりましたね。


13歳(1959年)の時セビージャの春祭りで弾き手としてデビューした後、妹のアナさんの踊り伴奏をはじめ偉大な唄い手たちの伴奏もこなしてきた、ヘレスの大立者。私は、 『ガッツで弾く』 そのスタイルが大好きです。以下、歴史的な録画を幾つか;



題名: M. PARRILLA -LA NOBLESA Y PUREZA POR BANDERA RECORDADO PA TO LA VIA
おひとりの時には唄も唄われたのですね。踊りについては下記。



題名: Baile por Alegrias de Cadiz de Ana Parrilla
数少ないアナさんの踊りの録画。年代不明。



題名: Terremoto de Jerez por Seguiriyas
年代不明ですが、1970年前後?唄はヘレスの天才テレモト(父)



題名: Terremoto Hijo por Bulerias
録画年不明。唄は、上記テレモトの息子さん。父親の声と才を継いでいるのは嬉しい限り。ぼやっとして聞いていると、父親と区別が付かないことがあります。



題名: Los Fandangos de Huelva - 12 de Junio de 1972 - Paco Toronjo - 4/6
72年ですから27歳の時の録画。唄は、ウエルバの傑出した唄い手トロンホ兄弟のパコさん。



題名: La Paquera de Jerez - 14 Mayo de 1973 - 2/4
73年、唄い手はヘレスの唄い手パケラ。


題名: la paquera de jerez con parrilla de jerez
同じ組み合わせ、録画年不明ですが、2000年前後?確か2002年に来日されましたが、2004年没。


最後に、父親である Tio Parrilla の自宅で催されたホエルガ(宴会)の様子を。一族郎党が揃っている筈。パリジャ親子の踊りが録画されています。Tio Parrila が亡くなられたのは1980年ですから、その直前位?


題名: FIESTA EN CASA TIO PARRILLA

フラメンコにとって、ひとつの時代が終わりつつあるのでしょう。パリジャさん、ご家族と共に安らかに。

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