「生き物」 への虐待 −−−
昨日の 閑話 (むだばなし) : 動物との関わり - 翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記 に続いて、スペインのカタルーニャ州で2012年から禁止されることになった闘牛について考察するつもりでしたが、その前にホモ・サピエンスへの虐待2件について紹介しておいた方がよさそうです;
ニューギニア島 は以下の様に3つに分かれています;
ニューギニア島の行政区分。西から、出典: ウィキペディア
先日の 『死の商人』 アメリカ その1: 東ティモール - 翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記 中紹介の東ティモールの東にある島の一部であるパプア州が舞台、同じくインドネシアの特殊部隊 Kopassus による蛮行が指摘されていました。今回の事件も公式には存在しないことになっているのでしょうが、ケータイ動画がネット上に流出;
- Activist's killing angers Papuans
UPDATED ON:Wednesday, August 04, 2010 00:43 Mecca time, 21:43 GMT / Al Jazeera English
−−−It shows Indonesian police officers taunting him as he lies dying from the gunshot wounds they had inflicted upon him.
さて先日紹介の様にアメリカはインドネシア陸軍の特殊部隊に対する訓練支援を再開することになりましたが、どうするつもりか。益岡さんサイトで紹介されている記事は東ティモール中心ですが、パプアについても随所で言及されています。例えば;
- ニュース速報:インドネシア軍特殊部隊コパススが新たな暗殺に連座:2009年に活動家の殺害に関わった特殊部隊に対する支援をオバマは更新
アラン・ネアン, 2010年3月21日
−−−2009年のPAメンバー殺害はアチェ全土で起きた。関係者によると、ビレウエンでのアブ・カリム殺害は、スナルコ将軍のもとで、TNIの地方軍司令官R・スハルト中佐が指令したもので、兵士の他に支援要員として以前から軍が支援していた FORKAB民兵とPETA民兵の民間人を利用していた。
スハルト中佐はTNIのBAIS諜報部隊に長いこといた。BAIS諜報部隊は今回の暗殺および全国各地での様々な暗殺に関与している他、かつてインドネシアが占領下に置いていた東ティモールや現在実質上占領しているパプアで殺害や拷問を実行していることで名を馳せている。 (以下略)
- 模範的殺人者スハルトと、権威筋の友人たち
ジョン・ピルジャー, 2008年1月28日
−−−サダム・フセインとは違い、スハルトが絞首台でではなく、何十億ドルもの秘密資金を注ぎ込んで買うことのできる最上の医療チームに囲まれて死んでいった理由はここにある。1960年代にCIAの上級作戦士官だったラルフ・マクギーは、スハルトによるインドネシア政権奪取から数年後にチリのサルバドール・アジェンデ政権を転覆した米国支援下のクーデターにとって、スハルトの政権奪取テロは「作戦の模範」となったと述べている。「CIAは、チリの軍指導者たちを左派が殺そうとしていることを暴露するような文書を捏造した」と彼は書いている。「1965年にインドネシアで起きたのと[同様である]」、と。ジャカルタの米国大使館は、スハルトにインドネシア共産党(PKI)メンバーの「除去リスト」を提供し、名簿に載っている人物が殺されるか逮捕されるたびに、名前を消していった。当時BBCの南亜細亜特派員だったローランド・チャリスは私に、英国政府も水面下でこの虐殺に関与していたと教えてくれた。「英軍の選管がインドネシア軍兵士を満載してマラッカ海峡に運び、運ばれたインドネシア軍兵士たちはこの恐ろしいホロコーストに参加した」と彼は言った。「当時、私も他の特派員もそれに気付かなかった。取引があったんだ」。
その取引とは、スハルト支配下のiインドネシアが、リチャード・ニクソンが「天然資源の最も豊富な蓄え、東南アジア最大の獲物」と呼んだものを西洋に提供することだった。「最大の獲物」は、1967年11月、タイム・ライフ社の主催でジュネーブで開催された3日間の驚くべき会議で手渡された。デヴィッド・ロックフェラーを中心に、大企業の代表が勢揃いした。主な石油企業と銀行、ゼネラルモーターズ、インペリアル・ケミカル産業、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、シーメンス、USスチールなどなど、多数である。彼らの向かいには、米国で訓練を受けたスハルトの経済顧問が座り、一部門また一部門とインドネシアを企業に手渡していった。フリーポート社は西パプアの銅山を手に入れた。巨大企業アルコア社はインドネシアのボーキサイトの多くを手にした。スマトラの熱帯雨林は、米国と日本、フランスの企業が手に入れた。略奪が完了したとき、リンドン・ジョンソン米大統領は「巨大な機会と約束をめぐる物語」wを祝福した。30年後、東ティモールでのジェノサイドが完了したとき、世界銀行はスハルトの独裁を「模範生」と呼んだ。 (以下略)
- 西パプアの人々に対する秘密戦争
ジョン・ピルジャー, 2006年3月11日
※ 上掲2記事では西パプア州 (上掲地図中、薄緑の部分) に関する記載アリ。
【ニジェール】
Niger children condemned to hunger
UPDATED ON:Tuesday, August 03, 2010, 16:55 Mecca time, 13:55 GMT / Al Jazeera English
※ 動画あり。このケースは、アフリカの貧困の1例に過ぎない筈です。干ばつなど自然現象やら内戦・クーデターなど人為的な原因は様々あるにしろ、問題の根は欧米列強による植民地支配まで遡るでしょう。しわ寄せが子どもに来ている状況はどうにもたまらない。全く機能していない 「国際社会」 による虐待と言えませんか?
- ニジェール - Wikipedia
−−−ニジェール (Niger) とナイジェリア(Nigeria) は本来は同じ地域を指しているが、旧宗主国 (注: 各々仏、英) を異にする両地域が別々に独立した際に、現在のように別の国を指すこととなった。 (以下略)
上掲記事 模範的殺人者スハルトと、権威筋の友人たち の最後に以下記述があります;
−−−スハルトが死ぬ直前、私はアラン・クラークにインタビューした。彼はサッチャー政権時代にスハルトに武器を与える任務を担当していた大臣だった。「これほどの暴力と苦しみを引き起こしたことについて個人的に悩まなかったのでしょうか?」
「まったく、少しも」と彼は答えた。「頭に浮かんだことさえなかった」
「これをお聞きしたのは、あなたはベジタリアンで、動物の殺されかたについて真剣に憂慮していると書いているのを読んだからです」
「それで?」
「その憂慮は、人間には及ばないのでしょうか?」
「奇妙だが、まるで及ばないね」
今回紹介した被害者は、動物や人間未満の存在でしょうか???