遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

三重苦のインドネシア: 地震・津波、火山活動 そして相変わらずの人権侵害

正に三重苦:



地震津波


邦人と連絡取れず=死者40人、380人不明―スマトラ沖地震
  時事通信 10月26日(火)18時31分配信

Indonesian tsunami kills dozens, hundreds missing - UPDATED
  Tuesday, 26 October 2010 11:08, Reuters, World Bulletin

Un tsunami causa al menos 160 desaparecidos en Indonesia
  YAKARTA, 26 Oct. (Reuters/EP)

Tsunami Information and Earthquake Information
  Pacific Tsunami Warning Center


<地震>インドネシアでM7.5 日本への津波の影響なし
  毎日新聞 10月26日(火)0時26分配信

PAGER - M 7.7 - KEPULAUAN MENTAWAI REGION, INDONESIA
  USGS Earthquake Hazards Program


【火山j活動】


ジャワ島の火山が噴火の危険、4万人が避難
  CNN.co.jp 10月26日(火)9時51分配信

  −−−同国の火山学者によれば、差し迫った噴火の予兆として、地震活動が活発化しているという。

  ムラピ山は標高約3000メートル。噴火予測が難しいことでも知られる。噴火が起きた場合、ガスや岩塊を高速で噴出する火砕流の発生が最も懸念される。

  2006年の噴火では2人が死亡、1994年には住民60人以上が死亡した。1930年には約1300人の死者を出している。

  ムラピ山情報:メラピ山とも書かれる


Indonesia on volcano alert / In Pictures
  Al Jazeera English

Global Volcanism Program Merapi Eruptive History


【相変わらずの人権侵害】


<インドネシア>国軍兵士らパプア人集落焼き打ち 映像入手
  毎日新聞 10月26日(火)2時36分配信


 【ジャカルタ佐藤賢二郎】インドネシア国軍兵士が同国東部パプア州プンチャック・ジャヤ県で住民を拷問する映像が流出した問題で、毎日新聞は25日までに、国軍兵士によって焼き払われたとみられる同県の集落の映像を独自に入手した。同県で国軍が続ける反政府武装組織の掃討作戦を巡り、国際的な批判が高まりそうだ。 (以下略)


Amateur video shows West Papuans tortured by Indonesian army
  23/10/2010 / INDONESIA, FRANCE24

掲載されているビデオからは残忍な部分はカット済みであるが相当ショッキング、とのコメント付加されています。なお同じものがYouTubeにもアップされています;

 
   
  Title: AHRC VID 012 2010 Indonesia

参考サイト: FreeWestPapua_org - For a Free and Independent West Papua - News


インドネシア国軍によるパプア人に対する蛮行については 「生き物」 への虐待 −−− - 翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記 でも紹介しましたが、益岡さん訳によるジョン・ピルジャーさんの記事を改めて紹介しておきます。時間は経ちましたが何も変わっておらず、最近アメリカがインドネシア陸軍の特殊部隊に対する訓練支援を再開することが報道されましたから、むしろ更に悪化するでしょう;

西パプアの人々に対する秘密戦争
2006年3月11日 / ジョン・ピルジャー / antiwar.com 原文


−−−1949年、インドネシア独立を認めたとき、オランダは、西パプアは地理的・民族的にインドネシアとは別の存在であり、異なる民族的特徴を持つと主張した。ハーグにあるオランダ歴史研究所が昨年11月に発表した報告書が明らかにしたところでは、オランダは秘密裡に「パプア国家の設立の開始を誤解なく」認めていたが、その政策は、ジョン・F・ケネディ政権によりお蔵入りにされた。ケネディ政権は、西パプア----ホワイトハウスの顧問は西パプアを「人喰い族の住む数千平方マイルの土地」と呼んだ----に対するインドネシアの「暫定的」支配を認めたのである。


西パプアの人々は騙された。オランダとアメリカ合州国、英国、オーストラリアは、表向きは国連が行ったことになっている「自由選択行動」を支持した。実際には、25人からなる国連監視チームの行動はインドネシア軍により制限され、また通訳さえ付けられなかった。1969年、人口80万人の西パプアで、たった1000人の西パプア人が「自由選択行動」の「投票」を行った。1000人全員がインドネシアにより選ばれた人々だった。銃口を突きつけられた中で、これらの人々はスハルト大統領----1965年に権力を掌握した。後にCIAはその掌握劇を「20世紀最悪の大量殺人の一つ」と呼んだ----の支配下にとどまることに「合意」したのである。1981年、亡命地で行われた西パプア人権法廷で、インドネシアの初代西パプア州知事エリエセル・ボナイは、1963年から1969年の間に約3万人の西パプア人が殺されたと証言した。このニュースは、西洋諸国ではほとんど報じられなかった。


「国際社会」の沈黙は、西パプアに膨大な富があることから説明できる。1967年11月、スハルトが権力掌握を確固たるものにしてまもなく、タイム=ライフ社が驚くべき会議をジュネーブで主催した。参加者には、銀行家デーヴィッド・ロックフェラーを筆頭に、世界の最も有力な資本家たちが名を連ねた。机を挟んで反対側にはスハルトの手下たちが座っていた。その中の数人は米国政府の奨学金でカリフォルニア大学バークレー校に留学したことがあったため、「バークレー・マフィア」として知られていた。3日間にわたる会議で、インドネシア経済は一部門一部門切り分けられていった。西パプアのニッケルは米国と欧州のコンソーシアムに手渡された。森林 *1 は米国・日本・フランスの企業が手にした。しかしながら最大の獲物----世界最大の金資源と世界第三位の銅資源、文字通りの銅山と金山は----米国の巨大鉱山企業フリーポート=マクモラン社 *2 のものになった。オランダ歴史研究所の報告書によると、米国国務長官として、スハルト東ティモール侵略の「青信号」を与えたヘンリー・キッシンジャーが、同社の役員会に名を連ねていた。 (以下略)

これが中国軍の仕業であったら非難の嵐では済まないでしょうが、西側のお友達のやることには知らん顔の 「国際社会」 って、ナンボのものですかね? 胸糞が悪くなります。



地震津波、火山活動は地球の営みですから、これはどうしようもない。しかし人権を踏みにじる行為やら戦争やらは止めさせることが出来る筈です。特にインドネシアなど火山・地震の巣の上に乗っかっている国ですからそれでなくとも常に存続の危機に晒されているにもかかわらず、何故わざわざ自滅する様な行為に走るのか。見て見ぬふりをするだけではなく、インドネシアから木材を輸入している日本だって間接的に関与していますが。

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