遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

NPT (核拡散防止条約) 再検討会議での アメリカとイランの対立: 一体どちらがマトモなのか???

国連総会でのアハマディネジャド大統領演説全文
Full text of Ahmadinejad's Speech to the UN General Assembly
By Haaretz Service Special to Salem-News.com


アメリカおよびアメリカに丸めこまれた常任理事国ならびにアメリカの都合のいい様に操縦出来るほど 「落ちぶれた」 天野IAEA全体を指して 「国際社会」 と呼ぶ様ですが、核問題に関して矛盾だらけの動きをしています。大変危険な兆候と私は捉えていますが、さて−−−

  • 米国防次官補 一層の負担を同盟国に要求
    5月7日21時1分配信 毎日新聞


    −−−  地域情勢に関しては、不透明な形で軍拡を続ける中国と北朝鮮を名指しし、「核とミサイルの脅威は明白で、しかも高まっている」と指摘。その上で、米国が「核の傘」も含めた抑止力を提供し続ける方針を強調した。


    結局核兵器をちらつかせる訳で、過去自分達が犯したヒロシマナガサキへの犯罪行為による犠牲は脅しの道具に使われているだけですよ。おまけにカネの無心。日本はいいカモですね、鳩山は煮え切らないし。
  • 常任理5カ国:「イラン、北朝鮮、自制を」
    毎日新聞 2010年5月6日 12時18分


    −−−  20項目からなる声明では、核保有国である常任理事国自らが核軍縮に取り組むと強調。その上で、イランについては核開発で「核拡散の危険性が高まっている」と指摘し、ウラン濃縮活動停止を求めた国連安保理決議などに応じるよう要求した。


    アホかいな、NPTを脱退したDPRKと、NPTメンバーとして踏み止まりルールに従って (下掲 田中宇さん記事参照) 核を利用しているイランを一緒にするんじゃぁねぇ。それに、一体イスラエルはどうなった?
    • イランはNPT脱退の意向なし、制裁は恐れず=大統領
      5月5日14時43分配信 ロイター


       [ニューヨーク 4日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は4日、訪問先のニューヨークで記者会見し、イランは北朝鮮のように核拡散防止条約(NPT)から脱退する意向はないと述べた。


       NPT再検討会議に出席するため当地を訪れた同大統領は「私がここに来た意味は、NPTが改正され、公平なシステムになることを望んでいるためだ」とコメント。「われわれは核爆弾を必要としておらず、他国を脅したこともない。自ら国民と国境を守ることができる」と語った。 (以下略)

      賢い選択。アメリカの挑発に乗ってNPT脱退などすればそれこそアメリカの思うツボですから。


米国側は「ルールを守らない者は罰せられるべきだ」とイランの孤立化を図ろうとしており、また天野に至っては 「原子力の平和利用などの面でNPT体制の有益性を強調する一方、イランからの協力がないため同国の核開発が平和利用目的と確認できないと指摘し、イランの非協力的な姿勢を厳しく非難」 してアメリカをバックアップしましたが、イランは本当にルールを破ったのか? この点については、田中宇さんの以下記事が参考になります。なお田中さんの記事は、公開された記事や報告書などの情報だけを丹念に読んだうえで事実と考察を明確に分けて書かれています。このところのアメリカの動きを見ていると田中さんの考察には少なからぬ疑問を抱かざるを得ませんが、事実は正確に把握されていると判断しますので引用させて頂く次第;

http://tanakanews.com/090927iran.php
歪曲続くイラン核問題 2009年9月27日  田中 宇


−−− 問題の施設はイラン中部の都市ゴムの郊外にある「革命防衛隊」(事実上のイランの軍隊)の基地にある地下のトンネルで建設されており、3000基のウラン濃縮用の遠心分離器を収納できる施設となる。イラン政府によると、施設が稼働し始めるのは1年半後の予定だ。IAEAの規則では、加盟国がウラン濃縮施設を建設・稼働する際には、稼働の半年前までにIAEAに申告し、IAEAが施設が怪しいものでないかどうかを吟味することになっている。国連総会出席のためニューヨークに来ているイランのアハマディネジャド大統領は「半年前に申告すべきものを1年半前に申告したのだから、誉められるべき話であって、非難されるべき話ではない」と主張した。イラン政府は、IAEAが同施設を査察するなら受け入れるし、IAEAの監視施設も設置して良いとの方針を表明している。 (中略)


 米国などは「イランの一存でIAEAとの協定を破棄することは許されない」と主張しているが、IAEAは加盟国との協定で成り立っている組織であり、たとえばイスラエルIAEAに加盟していないため、IAEAが何を決めても守らなくてよい立場にある。イラン議会がIAEAとの協定を批准せず、協定が最終的に破棄された以上、イランが守るべきIAEAの規則は「稼働の半年前までに新施設について申告する」ということだけになる。イランは違反しておらず、米国など「国際社会」の方がお門違いな非難をしていることになる。


状況はこの時点から変わっていない筈ですから、ヒラリーの言い分は詭弁に過ぎません。アメリカ国内での裁判ならよく使うテだろうしどうぞご勝手にですが、そんな品の無い手段を国際問題に対処する際にも使う神経が我慢なりませんね。ただし簡単に論破されることは認識している筈ですから、世論操作やら恫喝を中心とした根回しなどあれやこれや策を弄して 『大きな嘘』 を信じさせる手腕はさすが、とミョーに感心させられますが。先生は一体誰なのでしょう。


また今回の会議はアメリカで行われましたが、イランのマスコミにはビザを発給しなかった様です。露骨な嫌がらせであり、自由な報道を妨げる行為ではありませんか? 逆にもしイランがアメリカのマスコミの入国を許可しなかったらどうなりますか? 非難の大合唱ですよね、きっと。

No U.S. visas for Iran press
May 3, 2010 tehran times


−−− The U.S. government has refused to issue visas for the Iranian press delegation that was scheduled to cover the president's trip to New York and his participation in a nuclear conference, Mehr News Agency reported on Sunday.  (以下略)

ベネズエラチャベス大統領 (の専用機に同行したSPだったか?) も、過去NYで開催の国連総会出席 (子ブッシュを悪魔呼ばわりした時の) のため訪米時に嫌がらせをされた、と記憶します。チャベス大統領は 「次回はアメリカ以外で開催しよう、ベネズエラなら大歓迎するが」、と嫌味たっぷりに演説しましたが、その通り。


どう贔屓目に見ても、アメリカの言い分には正当性がありません。また戦争でも始めかねない状況と危惧します;

  • Preventing the next "Supreme International Crime"
    Friday, April 2, 2010, War Crimes Times


    War of aggression is the mother of all war crimes. The Nuremberg Tribunal declared: "To initiate a war of aggression . . . is not only an international crime; it is the supreme international crime differing only from other war crimes in that it contains within itself the accumulated evil of the whole."  (以下略)