ハイチ大地震に関する報道: その2
ハイチで続いている余震については、上記ヘッダーに記載のサイト (http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/recenteqsww/Maps/region/N_America_eqs.php) で逐一確認可。参考まで、同サイト情報に基づき地震発生から今日までの本震・余震の一覧をまとめたものは;
USGS EQ list.xls ※ 転記ミスはご勘弁、ハイチのみ表示。
幾つか注意を惹かれた記事がありましたので以下紹介;
- ハイチの子ども、国際養子縁組は「最後の手段」=国連
2010年 01月 20日 12:24 JST, REUTERS
[ジュネーブ 19日 ロイター] 国連児童基金(ユニセフ)は19日、ハイチの大地震で身寄りを失った子どもたちや孤児について、国際養子縁組は最後の手段であるべきとの立場を表明した。 (以下略)
- 元記事は;
Statement by UNICEF Executive Director Ann M. Veneman on the situation of children in Haiti | Press centre | UNICEF
NEW YORK, 19 January 2010, UNICEF
−−−Every effort will be made to reunite children with their families. Only if that proves impossible, and after proper screening has been carried out, should permanent alternatives like adoption be considered by the relevant authorities. (以下略)
一方では;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100121-00000050-san-int
1月21日7時56分配信 産経新聞
【ワシントン=犬塚陽介】ハイチ大地震で壊滅的被害を受けた首都ポルトープランスから、食糧があって治安もましな農村部へ住民の大脱出が始まった。そうした国内状況に絶望した住民が米国などに海路、押し寄せる可能性も浮上、米政府は難民発生を食い止めようと躍起になっている。 (以下略)
養子縁組の手続を簡素化・加速しよう、と云う安易な動きにUNICEFが警告を鳴らすのは当たり前。不法滞在難民はお断り、ただし養子縁組なら (=子どもなら) 大歓迎、と云う政策は、自分の子どもを 「売る」 行為、「買う」 行為を助長しかねません。実際、震災で今後の生活を悲観して子どもを孤児院に連れて来る親もある様です。とても責める気にはなれませんが、やり切れないハナシです;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100121-00000101-mai-int
1月21日21時6分配信 毎日新聞
−−− 【欧州総局】ハイチ大地震で懸命の救援活動が続くなか、被災地の首都ポルトープランスから約100キロ離れた同国北部のリゾート地の海岸に、米国のクルーズ船3隻が相次いで寄港し、下船した観光客数千人がジェットスキーなどを楽しんでいる。被災者感情に配慮して下船しない客もいるが、運航会社は「復興の手助けとなる」と正当化し、議論を呼んでいる。英ガーディアン紙が報じた。 (以下略)
- 元記事は;
Cruise company boss says tourists helping Haiti quake relief effort | World news | The Guardian
Robert Booth, guardian.co.uk, Tuesday 19 January 2010 19.33 GMT
- 客船を運行する 「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル」 のHP内でのアピールは; http://royalcaribbeancruises.com/Haiti.html
このクルーズに関してはアメリカ国内でも賛否両論ある様です。確かに、クルーズでハイチ観光をアピール出来る、援助物資も積んでいくし寄付もする、と云うのは事実でしょう。ハイチの地震はアメリカの 「お客様」 の責任ではない、楽しんで何が悪い、自由ではないか、ってリクツも成り立つのでしょう。しかし、恐らく欧州などでは軽蔑される行為と思います。大多数の 「アメリカのお客様」 に満足を与え、ハイチの観光に貢献し、被災された方々に援助も出来る、自社も注目浴びる、等々、商業的な観点からは Win - Win - Win の関係なのでしょうが、問題なのはカネで全てが測れ正当化出来るとしか考えられないこと。上掲ハイチの子どもの養子縁組もしかり;子どもは当然幸せな筈、実の親が生きているなら彼らも助かる筈、養子の欲しくてたまらなかったアメリカ人もハッピー、それでおカネを稼いで何が悪い? ってのがあっせん業者の言い分でしょう。
しかし、何万人が犠牲になり、生き延びても飢えと渇きと家族を失った痛みに正に今苦しんでいるひとたちがいる島でバカンス、と云う神経は、私などには到底理解不能。たとえ経済・商業的に正しくても、タイミングは間違いです。 危篤の病人がいる家の庭でパーティーやる様なもの。自分に置き換えて見ればわかることではないか、何故今なのか?