遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

思い上がるな、xxx賞受賞の学者センセイたち

非常に腹立たしいニュースが流れているので以下紹介・糾弾します。各々のニュースに関する私のコメント・意見は米印 "※" に続く部分;


まず、問題となっているスパコンとは何か?

  • スーパーコンピュータ (ウィキペディア) より抜粋;


    −−−膨大な計算処理が目的であり、それを実現するための大規模なハードウェアやソフトウェアを備える。有限要素法や境界要素法などに基づく構造解析、気象予測、分子動力学、シミュレーション天文学最適化問題金融工学のような大規模数値解析に基づくシミュレーションに利用される。計算機による大規模シミュレーションを前提とした科学は特に計算科学と呼ばれ、スーパーコンピュータの設計に大きい影響を与えている。 そのような計算科学の成果を元に、工業製品の設計や評価を行うCAEの分野でも広く利用されている。 (中略)


    歴史


    スーパーコンピュータの歴史は、高性能コンピュータの軍事利用/軍事技術としての側面を切り離して語ることができない。現在もスーパーコンピュータはこういった政治的な影響から逃れることはできず、欧州でのスーパーコンピュータの採用などについては、性能や利便性という問題ではなく、その時のその国家の政治事情で採用ベンダが決定している。 (中略)


    市場


    現時点でのスーパーコンピュータベンダは、日本の3社(NEC/日立/富士通)とアメリカのIBM/HP/SGI/Cray/SUN及び、それらの派生品を扱う欧州ベンダである Bullと、市場規模に対して数が多すぎる過当競争の時代に突入している。
  • http://ascii.jp/elem/000/000/477/477851/ 1頁目
    http://ascii.jp/elem/000/000/477/477851/index-2.html 2頁目
    沈没した「スパコン戦艦大和」は再浮上するか / 文● 池田信夫/経済学者
    2009年11月25日 12時00分更新 ASCII.jp


    −−− 科学の世界では「世界初」の発見には意味があるが、「世界最大のコンピュータ」には意味がない。欧州にはスパコンメーカーはほとんどないが、CERN(欧州原子核研究機関)などの研究施設は学術的に大きな成果をあげている。理研は研究の目的を明確にし、そのために必要最小限の性能のコンピュータを調達する国際入札をやり直すべきだ。科学者も、国民の税金を使っているという自覚をもってほしい。
  • http://www.nsc.riken.jp/project.html
    次世代スーパーコンピュータの開発と利用
    10月20日リニューアル 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部 - NSC
    (下掲の野依はここの理事長)


以上を大まかな知識として認識したうえで;

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091125-00001155-yom-sci
    「取り返しつかない」ノーベル賞受賞者が仕分け批判
    11月25日21時17分配信 読売新聞


    −−− 小林さんは「科学技術で世界をリードするという鳩山政権の政策とどう整合性があるのか、全く理解できない」と指摘。米国での研究歴が長い利根川さんは、経済が悪い時でも科学技術に投資し、将来を見据えて人材を育成していく、とするオバマ大統領の発言を紹介し、日本の現状を「別世界のこと」と皮肉った。 (以下略)


小林誠 (物理学者) (ウィキペディア) さんの言い分は尤もであり、「科学技術で世界をリードする」 などと云う訳のわからない美辞麗句は見直されるべきと思いますが、利根川進 (ウィキペディア) *1 の言うことには強い反感と不快感をおぼえます; アメリカが何故スパコンなど先端技術へ湯水の如くカネをつぎ込まざるを得ないのかを考慮せず日本と単純比較しているだけ。アメリカはその覇権を維持するため軍事力の圧倒的な優位性を保つことを全ての政策に優先させていること、その覇権を行使し世界中でドルを流通させる仕組みを持っていることを意図的に無視しているだけ。そもそもアメリカの国益のために働いているコイツなどに、発言の資格があるの??

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091125-00000739-yom-sci
    「歴史の法廷に立てるか」野依さん仕分け批判
    11月25日14時39分配信 読売新聞


    −−− 政府の行政刷新会議による「事業仕分け」で、次世代スーパーコンピュータースパコン)の開発が「事実上の凍結」となるなど科学技術への厳しい判定が相次ぐ中、ノーベル賞受賞者の一人で理化学研究所理事長の野依良治さん(71)が25日午前、自民党本部での会合で判定の再考を訴えた。ほかの同賞受賞者らも同日夜、野依さんと緊急声明を発表する。若手の研究者グループもこの日、仕分けの現場を見学に訪れ、「このままでは日本の将来は危うい」と強調した。 (中略)


     これについて、25日朝、自民党文部科学部会などの合同会議に講師として招かれた野依さんは「先進各国がオリンピックと同じように国の威信をかけてスパコンの開発にしのぎを削っている。いったん凍結すれば瞬く間に他国に追い抜かれる」と説明した上で、「凍結を主張する方々は、将来、歴史という法廷に立つ覚悟ができているのか」と痛烈な批判を展開した。


     若手研究者の育成や地域科学振興などの事業でも、予算縮減や廃止の方針が次々に打ち出されており、野依さんは、「科学技術は我が国の生命線。短期的な費用対効果ではなく、将来への投資と考えるべきだ」と指摘。「科学にムダはつきものか?」という自民党議員の質問には「うまく行かないこともたくさんあるが、先進国の平均寿命も、科学技術がなければこんなに伸びなかった」と強調した。 (以下略)
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091125-00000529-san-pol
    「歴史の法廷に立つ覚悟あるのか」野依氏が事業仕分けを批判
    11月25日12時52分配信 産経新聞


    −−− 野依氏は「科学技術振興や教育はコストではなく投資。コストと投資を一緒くたに仕分けするのはあまりに見識を欠く」と強調。「仕分け人」が「(スパコンは)世界一でなくともいい」と発言したことに関しても「中国やアメリカから買えばいいというのは不見識だ。科学技術の頭脳にあたる部分を外国から買えば、その国への隷属を意味することになる」と糾弾した。 (以下略)


※ この 野依良治 (ウィキペディア) *2 も、利根川同様にアタマはよいのだろうが、自分のコトバに酔っているだけの単なるアホとしか私には見えない。意味を理解して喋っているのかな?それともボケが始まったのか?順不同に言わせてもらうと;


●『歴史という法廷に立つ覚悟』 のコトバはそのままコイツに返したい;その法廷では一体何が裁かれるの? 「オリンピックと同じように国の威信をかけたスパコン開発に関して他国に追い抜かれる」 こと? 実にくだらない。では問うが、コイツの受賞したノーベル賞の名前の元となった アルフレッド・ノーベル (ウィキペディア) こそ法廷に立たせたら? 罪状は何かわかるよね?


また、原爆・水爆をはじめとする核兵器は誰が開発したの?「科学者」 たちだよね? 「歴史という法廷」 でどう言い訳するつもりなの?


●『その国への隷属を意味することになる』 なんて、スパコンごときで馬鹿馬鹿しい。それよりあなたが訪れた某野党が戦後ずぅっと取って来た政策の方がよっぽど隷属的じゃあねえの?


●科学技術の脳に当たるのはスパコン(=ハードウエア)なの? それともそれを設計する・運用する能力を備えた人間なの? 不況だし供給過多みたいだから当面ハードウエアはコスト競争力とパフォーマンス考えて他国から調達するのは間違いではない。無い袖は振れないのよ。


 最近、自動車ギョーカイトップのT社が (それより早く決断した某社に続いて) F1レースから撤退しましたね? それに参戦していた理由はわかりますか? 宣伝効果も少しくらい (目玉が飛び出るほどのカネがかかるので) はあるがそれより重要なのは、世界の自動車レースのトップに位置するF1でもがき苦しむことで技術者のレベルを飛躍的に上げること。F1マシンやエンジンはそのための手段ですよ。ハードウエアは簡単にぶっ壊れますが、参戦を通じて培った技術や鍛えた技術者は将来を支えるかけがえのない資産。でも不況で売れなくなって資金繰りが厳しくなったから一時的に参戦を取り止めただけ。野依はそんなことも理解出来ない馬鹿だね。


スパコンは膨大なシミュレーションを行うことが主な用途と解します。でも温暖化などのシミュレーションなんてもう十分。それより、対策にカネかけるべきだよね。アメリカのスパコンは、その軍事力同様恐らく現時点で世界のトップ。でも温暖化対策を最も軽視しているのもアメリカだよ。何のためのシミュレーションなの? 学者センセイ達の趣味の世界におカネが出せる財布は今無いのだけど。


●研究開発には、回収出来ないコストにあたる部分もあるのでは? 研究開発が純粋に投資だと云うなら、1年以内の短期とはいわないが、せめて3年位で回収しないと。学者センセイごときが 「投資」 と云うコトバを振り回すのなら、少なくとも預金金利よりは高い配当してね、そうでないと株主から首飛ばされるよ、知らないと思うけど。 民間企業での勤務経験からいえば、研究開発費が出せる限りは削ってはならないが、それも出せなくなって来たら、即ち研究開発の効果がなく 「投資」 が回収出来なくなって資金がひっ迫したら、当然研究開発といえど聖域では無いのよ。少しは無駄を削ってよ、もっとカネになる研究開発してね、お客様のわからないところに余計なカネかけるのよしてね、と言われるだけ。


●「先進国の平均寿命も、科学技術がなければこんなに伸びなかった」 だって?? 世界の科学技術のトップを走るアメリカの平均寿命って世界最長だっけ? これ明らかに、苦し紛れの屁理屈。


ノーベル賞あるいはそれに該当する賞の受賞者』 達が雁首を揃えて自分達の研究だけを守りたいのか、何を勘違いなさっているのですか、おじいちゃん? 老害って言葉、ご存知?  ノーベル賞は葵の御紋のつもり? 思い上がりも甚だしい。毎年当然の様に通っていた予算がカットされ慌てたベンダーさんから泣きが入って動いているの? それともアンタ (野依) が主宰する 「次世代スーパーコンピュータ 開発実施本部」 が頓挫しそうだから、他の 「葵の御紋」 所持者を巻き込んで騒いでいるの? アンタらに日本の将来を託そう、なんて殆ど誰も思ってないよ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091125-00001169-yom-pol
ノーベル賞受賞者の批判に首相「会って話聞きたい」
11月25日21時34分配信 読売新聞

新政権は、にぎにぎが得意の役人だけではなく、放っておくとどこまでも暴走しかねない科学者のやることまで掌握しなければならないから大変ですね。 国民の意見を代表する政治家として責任を持つと標榜している以上、勘違いしたセレブたちのハナシを聞くのは構わないが、ポリシーは曲げないでね。国家の威信をかけてスパコン開発レースに勝つべきだ、なんて望む国民はそんなに多く無い筈ですから−−− ひとのいのちを救うためのカネや本当に人の教育にかかるカネついては、日本が飢えでもしない限り削ってはイケませんけど。


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*1:国外での経歴について上掲ウィキペディアによると;


--現在、マサチューセッツ工科大学教授(生物学科、脳・認知科学科、元・学習と記憶ピカウアセンタ所長)を勤める他、ハワードヒューズ医学研究所研究員、RIKEN-MIT神経科学研究センタ所長兼研究員等も兼任。


--1963年:京都大学理学部化学科卒業。同年四月、同大学院理学研究科に進学し、同大学ウイルス研究所の渡辺格に師事するものの、渡辺の薦めもあり、分子生物学を研究するため、設立されたばかりのカリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
--1968年:カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了。Ph.D. in molecular biology
--1969年:米ソーク研究所・ダルベッコ研究室でポスドク研究員
--1971年:バーゼル免疫研究所(スイス)の主任研究員
--1981年:マサチューセッツ工科大学生物学部およびがん研究所教授。

*2:国外での経歴について上掲ウィキペディアによると;


1969年1月、アメリカ合衆国にわたり、ハーバード大学博士研究員としてイライアス・コーリー(1990年ノーベル化学賞受賞)の下、1970年3月まで研究を行った。この時期、後のノーベル化学賞共同受賞者となるバリー・シャープレスとの交流が始まる。