遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

青々としたゴルフ場は環境に優しいか?

何年か前、ゴルフ場 (ウィキペディア) は環境破壊の元凶なのかそうではないのかの議論が沸き起こったことがありましたが、それも下火になりました。私は自分がやらない (やれない?) せいか、どちらかといえばアンチゴルフ派ですが、アイドル的なゴルファーが増えた?せいか、ゴルフ (ウィキペディア) の話題が新聞の紙面を賑わわせている様な気がします。2016年のリオ・オリンピックから7人制ラグビーとともにゴルフの正式競技への採用が決まった様でもあり、海外でも幾つか話題が;

  • http://www.cnn.co.jp/science/CNN200911150013.html
    小さなボールが環境への大きな脅威に ゴルファーに警鐘
    2009.11.15 Web posted at: 19:56 JST Updated - CNN


    ロンドン(CNN) ゴルフ場などでなくなったり捨てられたりしたボールは、自然に分解されるまでに100―1000年もかかり、その過程で大量の有害物質を放出するとの研究結果が、デンマークでこのほど発表された。ゴルフボールによる環境汚染については、英国などでも懸念が強まっている。 (以下略)
  • http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-11799420091005
    世界最長のゴルフ場、ウォンバット遭遇のチャンスも
    2009年 10月 5日 17:30 JST 世界のこぼれ話 Reuters


    −−− 2005年に建設が始まったこのゴルフ場は、やりがいがあるだけでなく、オーストラリアの野生動物をじかに見ることができるところも魅力。4番ホールがあるNundrooは、ミナミケバナウォンバットがオーストラリアで最も多く生息している地域で、ゴルフ場建設のプロジェクト責任者は「カンガルーやエミューラクダなど、ワニ以外のあらゆる野生動物を目撃できるだろう」と話した。 


     コースを回るためには、ガソリン代が200オーストラリアドル(約1万6000円)ほどかかり、5番ホールではボールがいくつかカラスに盗まれることも覚悟しなくてはならないという。
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090917-00000014-rcdc-cn
    ゴルフはもう「緑の阿片」ではない!急速に普及、世界で5番目にゴルフ場の多い国に―英紙
    9月17日11時28分配信 Record China


    2009年9月14日、英紙インディペンデンスは中国でゴルフがブームになっていると報じた。中国ではゴルフはこれまで「緑色阿片」と呼ばれ、資本主義の象徴的な存在だったが、今ではスポーツとして徐々に認知されてきているという。環球時報が伝えた。 (以下略)
    • Record China紙 関連記事 (※題名見ているだけで楽しい)
      • 大量の農地がゴルフ場と別荘に…!違法転用が拡大―中国
      • 巨大な需要見込める中国のゴルフ・マーケット、課題はコース整備に―米誌
      • ゴルフが必修、富豪子弟の学ぶ貴族小学校―広東省恵州市
      • 誰だ、成金を「新貴族」などと呼んだのは?灰色の金を得ただけ、礼儀・教養なし―中国紙


私はゴルフがスポーツとは認識しておりませんから、オリンピックの種目に再度加えられたことには大きな違和感感じます。まあそれは私の勘違いだろうから構わないとして、オリンピックに向けてゴルフがさかんになった場合に問題となるだろうなぁと思われる点を列挙すると;

  1. インフラ整備、特に新たなゴルフ場建設に当たっての環境負荷 (昔散々議論された筈ですが、芝維持のための農薬による汚染とか、森林の伐採による自然災害のリスク増加とか。上掲記事中で問題提起されたゴルフボール程度なら分解性の高いものは幾らでも作れるでしょうけど。)


  2. 同、自然の中に暮らす動物の領域侵害 (本来人間を恐れる野生動物が人間の住む世界に降りて来ざるを得なくなる。)


  3. 同、土地活用の問題 (儲からない農地をツブすケースも多いでしょうね。)


ゴルフ場の芝は青々として写真を見るとキレイではありますが、自然とは本質的に異なります。ゴルフのためだけに人工的に作られたまがいものの自然です。野生動物と触れあえるなんて聞こえはよいが、要は彼らの領域を人間が奪っているだけのこと。オーストラリアの場合は人間の方が動物より少ないから問題無いのかも知れませんが、誰でもがゴルフ場に入れる訳でもありませんし。


いつも考えることですが、そこに人が暮らしている以上、その生活を守ることが第一義に考えられるべきゆえその範囲で自然を利用するのは止むを得ないが、それを超えて --- 外部の人たちや会社の利益のため、あるいは周辺に影響を及ぼす場合 --- の利用は許されないと思う。その意味で、日本や荒らすべき自然の残っていない国ではコースに出ての練習の機会が絶対的に少ないと考えられますから、そんなものがオリンピックの種目に採用されること自体疑問。ある意図を感じます。雪の降らない国の選手が冬季オリンピックで活躍、のサクセス?ストーリーを否定はしませんけど。ゴルフが環境に与える影響は再度検証されるべきと思いますが、プラスにだけはならないのは確か。「緑の阿片」 とは言い得て妙ですね。