遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

イラク参戦の、 ある米退役軍人 (享年30) の死; mercy killing ---

いつまでこんなことを容認し続けるつもりか、いやそれ以前に、いつまで産み出し続けるつもりか?


ご遺族了解の下、家族宛て最後のメッセージが公開されていました;


  
   出典: 下掲記事


"I am sorry it has come to this": a soldier's last words
  27 June 2013, Stop the War Coalition


  Daniel Somers suicide: The tragic suicide note of an Iraq War veteran with PTSD who felt 'abandoned' by the government after being discharged
    23/06/2013 11:45:00, Miami Newsday


  The Death of Daniel Somers
    Monday June 24, 2013, The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity



この方は、戦地から戻ったにもかかわらず修復出来ない痛みから解放されるための最後の手段として死 (ご本人の言葉で "mercy killing" 、尊厳死に近いのでしょうか) を選びました。


それと全く状況は異なりますが、最近 「日本の伝統を重んじるしつけ中心の教育」 の一環として某神社を訪れる学校 のことが報道されました。それは別に構わないが、 特攻隊員さんが任務実行前にしたためた手紙 を引き合いに出して 「アジアに押し寄せた“白人支配”の国際情勢の中で独立を守ろうとした日本の立場を理解」 する一助と称しているのには、猛烈に怒りを感じます。「お国のために死ぬこと」 を美化している様にしか思えない。


この退役軍人も、特攻隊の兵隊さんも、こんな形で生を終わらせたくはなかった筈です。自国を守ると言う大義名分の下、戦争なる名の国家犯罪に加担させられた、と云うのが真実でしょう。特攻隊の兵隊さんは結末を見ることは出来なかったが、退役軍人は 「大義名分」 の本質を見て、かつその結果を背負うはめになった分、より残酷かも知れない。


いずれの手紙も、私は涙無しでは読めません。しかしそこから何を引き出すかと言えば、国民のいのちを犠牲にすることが正当化される大義名分なぞ、少なくとも現代ではまやかしでしかないし、その様な国家犯罪を繰り返してはならない、と云うことでしかない。


Daniel Somers さん、痛みから解放されたでしょう、安らかに。

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