OWS / We are the 99%: カネは無いが覇権を維持したいアメリカ、 それに翻弄されるアジア、 エリートの手に負えなくなって来たEU、 行き先不明の日本 −−−
火山噴火だ、地震だ、原発だ、放射能汚染だ、と様々な災害が多発していますが、それ以上に気になるのが世界を牛耳って来た米欧システムの実質破たん。個別の記事は別途としますが、ひとつの大きな流れを感じているので、キーとなる、あるいは象徴的な記事を中心に以下短く考察しておきます。何がいつ起きるか予断を許さないし;
- アメリカ: 8月のデフォールトは辛うじて回避できたものの問題は何ら解決出来ておらず、次の山場11月が目前。相変わらず小手先・裏の誤魔化しを積み重ねて来ただけに問題は大きくなっている筈だし、更に今回は自国民からの猛反発・EU破たんの影響も避けられない筈;
◆米国債格下げ危機が再燃へ (有料記事)
2011年10月25日、田中宇の国際ニュース解説
米議会は12人の特別委員会で2大政党間の対立を解き、財政赤字削減策をまとめようとしたが、期日まであと1か月しかないのに、何も決まっていない。緊縮策が合意できそうもないので、年末までに米国債がまた格下げされるとの予測が出てきた。11月は、今夏の米議会での騒動が繰り返されそうだ。 (以上、HPに記載の記事あらまし)
◆実現の可能性極めて低い=米大統領の赤字削減策―ムーディーズ
時事通信 9月27日(火)0時31分配信
◆【コラム】皮肉なEU包括策
ウォール・ストリート・ジャーナル 10月29日(土)18時27分配信
※ WSJがこんな記事を書くこと自体最大の皮肉、アメリカ流ブラック・ユーモアでしょう。EUの上を行くテメエの国を心配しろ、と言いたくなります。
- EU: 構成国の国民の意向は全く無視してエリート達がこしらえた自己満足の塊EU、ギリシャを発端とする経済危機は何ら改善せず、亀裂も拡大。次の候補は行列をなして待機していますし。でもさすがに今回は、国民が黙っていないでしょう;
◆ユーロ危機対策めぐる裏の暗闘 (有料記事)
2011年10月29日、田中宇の国際ニュース解説
独仏は、自分たちが対立してユーロ救済策が決まらない状態を意図的に演出している感じだ。加盟各国の国権の一部を剥奪してEUに集中させる財政統合や、その先にある政治統合は、平時に各国の議会に議論させても、ほとんど支持されない。政府財政を審議して決める権限は、国家の議会が持つ重要な権限の一つだ。各国議会が、それを喜んで手放すはずがない。平時にやれないなら、有事にどさくさ紛れに進めるしかない。財政統合が究極の解決策であるユーロ危機は、格好の有事だ。EUは、わざと自分たちを困難に追い込んだ方が、財政を含む政治統合を推進できる。 (以上、HPに記載の記事あらまし)
◆ギリシャのユーロ加入「誤りだった」…仏大統領
読売新聞 10月28日(金)23時51分配信
◆<英国>与党「反EU」の大量造反 脱退国民投票動議は否決
毎日新聞 10月25日(火)19時9分配信
- アジア: 表向きこの地域での覇権を失いたくない、また戦争・紛争を輸出したいアメリカによる中国脅威論が奏功している様子。確かに世界の新たな覇権国としての中国は未知数ですが、中東に限らずこの地域の安全を脅かす最大の要因はアメリカであるし、主体性無く盲従する代償は実際の紛争実現であり、カネをむしり取られることだけ;
◆中国の軍事拡張が生んだアジアの焦り―米紙
Record China 10月30日(日)13時5分配信
◆米国が誘導する中国包囲網の虚実
無料記事、2011年10月5日、田中宇の国際ニュース解説
失敗するとわかっているのに、なぜ米国は、南沙問題でアジア諸国をけしかけて中国との敵対を煽るのか。一つありそうなことが、軍産複合体の営業活動だ。米国は財政難で防衛費も削減されていく傾向にあり、代わりに米国の言いなりになる外貨の豊富なアジア諸国に、中国との敵対を煽り、その裏でアジア諸国に兵器を売りつける戦法と考えられる。米国がアジア諸国をけしかけて中国包囲網を作らせる戦略は、いずれ解体するだろう。米経済が隆々とした状態に戻るなら、米国の財政赤字も減り、米国の覇権が維持されるだろうが、米国の金融システムがこれ以上崩壊せず安定の方向に戻る確率は低い。 (以上、HPに記載の記事あらまし)
- 日本: アメリカの奴隷であり続けることを選択した日本。どさくさに紛れて一体どこへ行こうとしているか? 国民がおとなしいと云うよりぬるま湯から出られないから、いつの間にやらいつか辿った道へ−−−
◆PKO法改正へ着手…武器使用基準が焦点
読売新聞 10月27日(木)8時58分配信
※ 武器使用が当然の様に迫られるPKOへの参加そのものが憲法違反と思うが。平和 Peace を維持 Keeping しなければならない状況 ≒ 戦地だろ? 覇権国の利権のために貢献するいわれは無いと思うが。災害支援をはじめとする国防の要である自衛隊は、幸いにしてまだ人殺しではないし、殺されて欲しくもない。おまけに、改正すべきとは思うけれどされていない以上、日本国憲法はまだ有効ですよ。 『武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』 の理念を 某国に横取りされて? どうするのか。
◆武器輸出3原則を緩和、米大統領に表明へ
読売新聞 10月14日(金)3時8分配信
※ どさくさに紛れてなし崩し的に「見直し」て我が将軍様へおべんちゃら、虫酸が走る−−−
−−−民主主義、人権尊重を叫んでいる様に見えて実はごく一握りの人間や勢力が、自分達の利益のためだけに、自国民を無視し他国民の権利を踏みにじっているのが 「西側」 先進国がでっちあげたシステムの実態。しかし経済が悪化、と云うよりメッキが剥げた当然の結果として本来の姿に戻ろうとする中、政治や国際情勢に興味がなく知らずに自分達自身および他国民の犠牲の上に享受して来た生活が破たんするに至って国民が声を上げているのが、 OWS であり We are the 99% でしょう。単に職をよこせ、富を公平に分配しろ等と云う前時代的なアカの運動では無い。
立って半畳寝て一畳、天下取っても二合半 (「家具も入れると約六畳」 、ってのもアリ)、表面的ではあるものの経済的に日本はまだ追い詰められていません。連休の都度成田空港が一杯になるこの国、どこが不況なのか。従ってこの運動に期待するのは、経済もそれに貢献する大きな要因でしょうが、覇権と利益のための戦争を止めさせること。直接関係はありませんが、昨日がアフガニスタンの女性活動家 マラライ・ジョヤさんの日本公演最終日 だった筈。彼女は一貫して、 『占領と民主主義は同居不可能』 と主張しています。でも単にアメリカは敵だ! と叫んでいる訳ではない、彼女自身、戦地に送られ殺されるアメリカ兵にも同情していますのでね。私は都合により一度も出席出来ませんでしたが、民意を反映させられない現在のシステムの間違いを気付かせてくれるよい機会でもありました。
明日2011年10月31日に 世界人口が70億人 になるそうです。自然(災害)は、増え過ぎた人間を淘汰しているのかも知れません。その上更に自分達で自身を淘汰する愚は避けるべきです。