遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

マグニチュード11、 震度8超級の 巨大地震その11: 米ドル vs ユーロ vs 中国元

それが唯一の選択肢ではありませんが、単一あるいは主要基軸通貨と云う考えを続けるとするなら、基軸足り得るのは現在3つでしょう; 米ドル、ユーロ、中国元。現在の大きな動きは、アメリカが格付け機関の助けも借りてチカラで他2通貨を潰し、消去法で米ドル覇権を維持しようとしているのだろうと思います;



【ユーロ潰し】


  欧州基金強化策を承認のスロバキア、高い代償
  読売新聞 10月14日(金)10時25分配信

     辛うじて否決は回避したものの、ユーロ崩壊は避けられない?


  田中宇の国際ニュース解説; 主に有料記事


    まもなく欧州発で世界金融が再崩壊する? 記事見出し;

      【2011年10月9日】 IMF顧問でハーバードのシャピーロが「十分な危機対策をとらない場合、今後2−3週間以内にEU国債の崩壊が起こり、欧州の大手銀行が次々に破綻し、米英など世界に危機が伝播する。08年(リーマンショック)よりひどいことになる」と発言した。英国の中央銀行総裁は「大恐慌よりひどい史上最悪の金融危機が起きそうだ」と述べた。グリーンスパンは「ギリシャがデフォルトするだろう。欧州にリーマン型の金融危機が起き、米国に飛び火するかもしれない」と発言した。いよいよ大危機が起きるのか。

    出口が見えないユーロ危機 記事見出し;

      【2011年9月30日】 ユーロ危機は当面、最悪の事態をまぬかれた。しかし、危機を脱する方向に動き出したわけではない。米英金融筋は、ユーロ圏を潰すことに成功したら、次は中国など新興諸国の金融市場で脆弱な部分を探し、そこを攻撃するだろう。中国経済を混乱に陥れれば、世界においてドルの覇権を脅かす2大要因であるユーロと中国の両方を破壊させられる。たとえドルが崩壊しても、代わりの基軸通貨体制を作ることができず、世界はドル基軸体制を使い続けねばならなくなり、米国の覇権が何とか延命する。

    ギリシャ危機とユーロ破綻の可能性 記事見出し;

      【2011年9月20日】 ドイツの国家的な意志が変わるとギリシャはデフォルトに追い込まれるが、ドイツの国家意志が変わることは考えにくい。EU統合は、冷戦終結とともに始まって以来、一方通行の戦略だ。EU諸国は、統合をあと戻りする選択肢を何も作らず、統合案が国民投票で否決されても、1−2年後に似たような統合案に別の名前をつけて再び同じ国に意志決定させ、統合案が通るまで繰り返す。民意は事実上、EU統合に関係ない。欧州の政治意志は昔からビルダーバーグ会議に出るようなエリートにゆだねられ、彼らはEUの統合を推進したい。ドイツの民意が「ギリシャのユーロ離脱」で固まっても、ドイツが国家意志としてギリシャを見捨てる可能性は低い。


  トピックス:欧州ソブリン危機
    2011年 10月 13日 11:56 JSTWSJ日本版


  S&P


    欧州ソブリン関連格付けニュース

    格付けニュース・変更履歴

    ソブリンデフォルトの特徴
       ソブリン・ デフォルト = 公的債務不履行


  お手盛り格付け機関;フィッチ、ムーディーズについては 信用格付け - Wikipedia 参照。


  長期金利 動向


   1年以上 (通常10年) の債券の価格と満期償還額 (額面) との差が長期金利と考えればよい。長期金利が上がる = 債券価格が下がる;



    出典:European debt crisis - Wikipedia


      参考: Long-term interest rate statistics for EU Member States


      参考: Interest rate statistics (2004 EU Member States & ACCBs) chart





    比較:先進国の長期金利動向(2011年7月)


      参考: CBOE Interest Rate 10-Year T-No (WCB) / Yahoo! Finance
        米国10年債金利動向。




【中国元潰し】


  自分の病気を人のせいにするな!米上院の対中制裁法案に中国反発
  サーチナ 10月14日(金)6時58分配信

  米上院の対中為替制裁法案可決に、「WTO違反だ」と激しく反駁―中国外交部
    Record China 10月12日(水)12時57分配信


    元高拒めば世界の孤児に=中国企業に努力促す―稲盛日航会長
      時事通信 10月13日(木)20時8分配信

       元高に関する発言の真意がそこにないことは承知しますが、この発言は結果としてアメリカの為替政策の応援に他ならない。京セラ時代の (他企業並みの) 円高対応努力は認めるけれど、今回は状況も動機も全く異なるでしょう。日航同様、いつまでも過去の成功体験の世界から抜け出せない。79歳、耄碌しちゃって。そろそろご隠居なさっては?


  田中宇の国際ニュース解説; 主に有料記事


    中国経済の弱さと強さ 記事見出し;

      【2011年10月12日】中国の地方政府は簿外に巨額の不良債権を抱えるが、それは重篤な危機でないとの指摘もある。中央政府が政策として地方政府にインフラ整備に投資させたのだから、不良債権の面倒は中央が見る。中央はGDPの15倍の資産を持っている。中国は、対外勘定も政府も地方も家計もすべて黒字だ。中国は全体的に、不良債権を償却する能力が高い。中国の経済成長率が5%以下になるとしたら、それはバブル崩壊不良債権増といった国内的な原因でなく、ユーロ危機がひどくなって米国の金融システムが再崩壊し、世界不況になって世界の需要が減退し、中国の輸出産業が不振になるという国際的な要因からになる。

    米国が誘導する中国包囲網の虚実 記事見出し;(無料記事ゆえ全文読めますが)

      【2011年10月5日】 失敗するとわかっているのに、なぜ米国は、南沙問題でアジア諸国をけしかけて中国との敵対を煽るのか。一つありそうなことが、軍産複合体の営業活動だ。米国は財政難で防衛費も削減されていく傾向にあり、代わりに米国の言いなりになる外貨の豊富なアジア諸国に、中国との敵対を煽り、その裏でアジア諸国に兵器を売りつける戦法と考えられる。米国がアジア諸国をけしかけて中国包囲網を作らせる戦略は、いずれ解体するだろう。米経済が隆々とした状態に戻るなら、米国の財政赤字も減り、米国の覇権が維持されるだろうが、米国の金融システムがこれ以上崩壊せず安定の方向に戻る確率は低い。



おまけ;


プーチン首相が「米国は寄生虫」、中国との友好関係は「史上最高」―中国メディア
  Record China 10月13日(木)11時35分配信

  −−−経済の疲弊が指摘される米国を「世界経済の『寄生虫』とまでは言わないが、ドルの独占的地位にかじりつく『寄生虫」と皮肉。「私の発言は過激とは思わない。欧州の一部リーダーや専門家、大臣などの話を聞いてみても、私と同じ考えだ」と強気の姿勢を見せた。 (以下略、引用終わり)

   この認識は多分正しい。



今週末にかけて行われるG20財務相中央銀行総裁会議でも大きな話題となるでしょう。日本は相も変わらず 日本の支援については「本当に必要性が出れば、米と相談しながら対応したい」 と云う態度で臨むゆえ、カネが期待されているだけ。311震災で疲弊した現在、将軍様の我儘に応える余裕は無い筈ですがね。