遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

2011年東北地方太平洋沖地震 その137: バイカル湖での地震 〜 釈愚ふうプチ考察、 諏訪湖の御神渡り

地震頻発地域ではあるもののこのところ滅多に見ることの無かった バイカル湖 での地震について、以下紹介および釈愚ふう (=もどき) プチ考察を。長くなったので独立させます;


 
 出典: Russia Seismicity Map


 
 出典: Latest Earthquakes in the World - Past 7 days
  ユーラシアにぽつんと表示が−−− 拡大して見ると;


 
 出典: Asia Region
  モンゴルとの国境付近、バイカル湖


 Magnitude 5.7 - LAKE BAYKAL REGION, RUSSIA / 2011 July 16 18:38:51 UTC


   Землетрясение произошло сегодня на озере Байкал
   26.07.2010 | 13:47 / Русская служба новостей


      ロシア語で読めやしませんので Google 翻訳 で翻訳すると;


     記事題名:地震は、バイカル湖で、今日発生した ⇒ 『彼の強さは、イルクーツク地域の緊急管理によると、4ポイントだった。震源地は、貯水池の南東部の海岸から32キロに位置していた。イルクーツクの震えでは感じられない。死傷者とバイカル湖の近くの町での被害はしません。』


バイカル湖周辺での過去発生の地震は;


 
 出典: Historic Seismicity
  震央の位置表示が見にくいのですが、1990年以降マグニチュード4程度?のものが多発、湖の中にも震央が相当あります。



この 世界遺産 でもある不思議な湖について、以下、上掲 バイカル湖 - Wikipedia から引用します (注釈番号は削除);


 概要 / 南北680km×東西幅約40-50km(最大幅80km)に及ぶ湖水面の面積は31,494 km²(琵琶湖のおよそ46倍)。カスピ海(塩湖)や現在急速に面積を縮小しているアラル海を除くとアジア最大である。淡水湖で比較した場合、面積は世界最大のスペリオル湖には及ばないものの、最大水深が1,634 - 1,643m と世界で最も深い。湖面は標高456mにある。なお、1956年初頭にアンガラ川に建設されたイルクーツク・ダム(en)の影響で水位は1.4m上昇した。


 歴史 / 世界で最も古い古代湖でもある。元々は海溝であったとされ、約3,000万年前に海から孤立、その後長い期間をかけて徐々に淡水化していった。一般的な湖沼は流入し堆積する土砂などによって数万年もすれば埋まってしまい姿を消す。しかしバイカル湖は、インド亜大陸ユーラシア大陸に食い込み、これを北東と南西を結ぶ線で引き裂くユーラシアプレートとアムールプレートの境界に当たる地溝(バイカルリフト)の陥没部にあり、現在でも年に幅2cm、深さ6mmずつ広がっているため、長大な時間を経ても湖であり続けている。この沈降によって将来バイカル湖は再び北極海と繋がるという説もある。


この辺りの お馴染みのプレート図 は;


 


バイカル湖アムールプレートユーラシアプレート の境界にあると考えられるバイカルリフト帯(Baikal Rift Zone、下掲載) に位置します;


 
 Baikal Rift Zone - Wikipedia


   The Baikal Rift Zone is a divergent plate boundary centered beneath Lake Baikal in southeastern Russia. To its west is the Eurasian Plate and to its east is the Amur Plate which is moving away from the rift toward Japan at about 4 mm per year. (以下略、引用終わり)

    中露による領土侵害だ!! ってのはおとな気無い冗談。


で、いよいよ釈愚もどきプチ考察;


上掲ウィキペディアに以下興味深い写真・記事が掲載されています;


 
 写真注釈: 2009年4月に発見された、氷結した湖面上に現れた2つのミステリー・サークルのうちのひとつ。国際宇宙ステーションが観測、撮影した。原因は比較的温かい水の湧き上がりと思われる。


バイカル湖に「氷のミステリーサークル」、宇宙から確認 / Page 1/2
   日本語版:ガリレオ-緒方 亮、WIRED VISION. 2010年11月5日


  −−−下の画像は、米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星に搭載された『MODIS』(中分解能撮像分光放射計)によるものだ。 (中略)

 
  見にくいですが、湖面左下および右上に注目。
 (以下略、いったん引用終わり)


上掲の如くバイカル湖の湖面標高は456m、湖の水深は最大で1,643m、ってことは、湖底の標高は海抜マイナス1,187m。大陸地殻の厚さが30Kmとしても湖底でもまだ地殻内と考えられます。しかし; バイカル湖ユーラシアプレートとアムールプレートの境界に当たる地溝(バイカルリフト)の陥没部にある、と云う特殊事情を考えると、大陸地殻内に大きな亀裂が残っており、湖面水温はSST同様地殻下の熱の動きを反映しているかも、と考えることも出来そう。もう一度上掲 「氷のミステリーサークル」 記事から引用しますと;


  −−−2つのサークルはどちらも氷面が崩れた部分の中心付近にあり、湖中で起きた比較的温かい水の湧昇(ゆうしょう)によって生じたものとも考えられる。薄黒い色は薄くなった氷が原因で、通常この辺りでは6月にかけてこのような色になる。 / 湖の中央付近に発生したサークル(下の画像の右)がある場所のように、熱水の活動が認められている比較的浅いエリアなら、湧昇が起こるのも不思議な話ではない。このエリアでは1985年と1994年にも、今回ほどはっきりしたものではなかったが、サークルが目撃されている。 / しかし、バイカル湖の南端に出現したサークル(下の画像の左)の地点は、水深が比較的深く水が冷たい場所であり、そのことが説明を難しくしている。 (以下略、引用終わり)


この現象については、例えばドイツ語ですが−−−


Mysteriöse Winter-Phänomene Forscher erklären Geheimnis der Eiskreise
   - SPIEGEL ONLINE - Nachrichten - Wissenschaft


  "Mysteriöse Winter-Phänomene" は、英語から類推される通り 『冬の不思議な現象』。Google 翻訳 で何となく意味はわかりそう。


アイスサークル - Wikipedia の全てでは無いにしろ、熱が原因と考えるのはそう不自然とは思えません。


で、思いだしたのが 諏訪湖御神渡り(おみわたり) と云う現象。諏訪湖は、前出ウィキペディアによれば 「糸魚川静岡構造線の断層運動によって、地殻が引き裂かれて生じた構造湖(断層湖)である。また糸魚川静岡構造線中央構造線が交差する地でもある。」 とのこと、また御神渡ができるかどうかは必ずしも前もってわからない様ですから、そのメカニズムも完全に解明されているとは言い難いでしょう。凍結する湖全てで発生する事象でも無いし。御神渡のできない「明けの海」の原因は温暖化だ、との声もある様ですが、そんな単純なものか?


あまり無責任に広げるのも気が引けますので、これでいったん打ち切り。