アメリカ + IMF + 世銀 トリオ復活?
IMF:国際通貨基金 ・ 世銀 の年次総会が10月8〜10日の会期で開催されています;
Annual Meetings 2010 Home (IMF)
※ アメリカ通商代表・国務副長官などを歴任後、現在は世銀の総裁である ロバート・ゼーリック が10月8日の総会で行った演説の資料が提供されています;
⇒ News & Broadcast - Zoellick Addresses Plenary Session より各国語PDFダウンロード可。
アメリカがIMFおよび世銀 (および USAID こと アメリカ合衆国国際開発庁) を駆使して世界経済を私物化し社会を荒らした前科 (いや、一部現在進行中かも) がある、と私は認識している *1 ので、総会の報道を読んでいると腹立たしいだけ。根本的な機構改革をしない限り米欧以外からの信頼は回復出来ないでしょう。世銀代表はアメリカから、IMF代表は欧州からとの暗黙の了解がまだ生きている様では、結局米欧の利益のための組織でしょ? ゼーリックだってぇ??;
◆IMFの監視権限強化を=米財務長官
時事通信 10月9日(土)1時6分配信
【ワシントン時事】ガイトナー米財務長官は8日、当地で開催中の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会で講演、世界経済の不均衡を是正し、危機再発を回避するためには「IMFの監視権限を強化しなくてはならない」と強調した。 (以下略)
※ 世界経済の不均衡の是正より前に、責任の所在を明確にしたら?
◆IMF・世銀総会、尹増鉉長官が政策協力の重要性強調
聯合ニュース 10月8日(金)23時12分配信
−−−まず、IMFと世界銀行が世界経済をけん引する両輪として、変化する世界経済に対応できるよう、早急に変わらねばならないと指摘。世界経済の不確実性の中で危機の再発を防ぎ、持続可能な成長を図るため、危機の過程で浮上した問題点を点検し、危機を予防できるシステムを整えるべきだとした。
あわせて、新たな開発パラダイムの必要性も改めて強調。開発途上国が新たな成長エンジンになれば、先進国と開発途上国が同時に成長すると述べた上で、韓国は先進国と開発途上国の仲介役を忠実に果たす方針だと表明した。 (以下略)
※ お役人の作文ですね。 「先進国」 の失策の尻ぬぐいのエンジンが 「発展途上国」 なワケ?
◆NY外為 G7時の介入困難…市場、日本の足元見透かす
毎日新聞 10月9日(土)2時8分配信
※ 菅首相、為替介入「一定の成果」 によると、 「引き続き為替の動向に注視して必要なときに断固たる措置を取る」 そうですよ。アメリカ様に怒られるぞぉ〜。日本だけ 「先進国」 の中で浮いてませんか?
◆IMFと世銀、通貨めぐる緊張緩和を呼び掛け
ロイター 10月8日(金)9時20分配信
※ 某国にケンカを吹っかけているのは誰だっけ?
◆中南米諸国、資本規制以外にも一段の措置が必要=IMF
ロイター 10月7日(木)10時6分配信
※ 中南米? 前科者の言い分に誰が耳を傾けるのか???
◆<IMF>先進国の下振れリスクを警戒 世界経済見通し
毎日新聞 10月6日(水)22時23分配信
◆自国問題を人民元にすり替えるべきでない=IMF専務理事
新華社ニュース 10月4日(月)14時43分配信
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は2日、ウクライナ南部のヤルタで開催された国際会議で、「諸外国は人民元問題を自国の経済問題の身代わりにすべきではない」と述べた。 (以下略)
※ IMFも一枚岩ではなさそう。YESマンばかりでは何も解決しませんから。
◆<IMF>中国の出資比率、日本を抜き2位へ=海外メディアが改革プラン報じる―中国メディア
Record China 9月30日(木)12時8分配信
◆IMF、システム上重要な国・地域の金融審査を義務化
ロイター 9月28日(火)6時29分配信
※ アメリカ様の台所を本当にチェック出来るの? IAEAがアメリカ核施設の査察を行う様なものでは? 失礼でしょ?
IMF改革がどこまで進んでいるのか不明ながら、報道を見る限り3者トリオが復権を目論んでいる様にも見えます。国連同様、発言力を増した中国による 「抑止力」 に期待。(でも今度エジキになるのは多分欧州だろうなぁ)
それ以上に気になるのが、一向に解決しない・出来ない・するつもりのない、飢餓の問題。他人事ではないと思いますが−−−
◆22カ国で長期的な飢餓=FAOなどが報告
新華社ニュース 10月8日(金)10時43分配信
−−−アフガニスタンハイチ、イラク、ソマリアなど世界22カ国の約1億6600万人が、戦争や自然災害、治安悪化により長期にわたる飢えに苦しんでいるとの報告書を発表した。 (以下略)
⇒ 22 countries in protracted crisis
(副題)Assistance should be refocused for countries around the world suffering from double and triple shocks
06-10-2010, FAO Media Centre
我が将軍様は、これでも 「正義の戦争」 を続けるのですかね? この問題は今のところアフリカなど経済的に困窮した国や戦地のものですが、我々だって安泰では有り得ない; 気候変動・自然災害は等しく訪れる訳だし、食料が食肉用家畜のエサや投機の対象やクルマの燃料 (もう使ってないかな?) となっているし、更に日本の場合自給率が低いし、にもかかわらず外交無策だし−−−
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*1:以前紹介したことのある、マイケル ハドソン著、広津 倫子さん訳の 『超帝国主義国家アメリカの内幕』 参照。
単行本: 387ページ、出版社: 徳間書店、(2002/05)
ISBN-10: 4198615209 / ISBN-13: 978-4198615208
アメリカによる巧妙な世界支配のカラクリを解き明かしてくれる 『得難い教科書』 と思いますが、既に絶版となっている様です。図書館で、中古で、あるいは原書での講読お勧め。
Super Imperialism - New Edition: The Origin and Fundamentals of U.S. World Dominanc [Paperback]
Michael Hudson, Publisher: Pluto Press; New Edition edition (March 21, 2003)
ISBN-10: 0745319890 / ISBN-13: 978-0745319896
●なおこの著者による面白そうな書籍も間もなく発売される様子; "The Monster: How a Gang of Predatory Lenders and Wall Street Bankers Fleeced America--and Spawned a Global Crisis" by Michael W. Hudson (Hardcover - Oct 26, 2010)
Kindle Edition も同日発売予定みたい。