2011年東北地方太平洋沖地震 その40; 国際社会の問題児?
【IMF のストロスカーン専務理事は (中略) 日本と、信用不安を抱える欧州、政情不安が続く中東を「三つの不確実要因」と指摘。世界経済の先行きについて「(従来の認識では予測できない事態を指す)『黒い白鳥 *1』が多く泳いでいる」と表現した。 (⇒ 当該記事)】 と報道されています。
最大の確実要因? であるアメリカの破たんやらIMF自身が不確実要因を引き起こす片棒を担いだ点に触れていないことは不満ですが、 『従来の認識では予測できない事態』 との認識には賛成。でももっと突き詰めれば、従来の仕組みでは解決出来ない、と云うことと思います。アメリカ+IMF+世銀トリオが世界中の経済を荒らして社会不安を増大させ、地域のためではなく旧宗主国連合の利益のために中東やらアフリカの人権保護・民主化茶番劇を演出して多数のいのちを奪っている仕組みが長続きする訳がない。
日本については、地震・津波による自然災害だけであれば、少々時間はかかっても世界経済の不確実要因になどなり得ません。その様な認識の原因は、原発事故により世界中に汚染が拡がりつつあること、原子力発電の安全神話が根底から揺らいでいること、そして肝心の日本が何も出来ない事実でしょう。同情はそろそろ期待出来なくなりそうですよ;
【日本の対応、国内の反応】
◆汚染水放出、各国への説明尽くす=国際法に抵触せず―枝野官房長官
時事通信 4月5日(火)19時49分配信
◆日本が原発事故を説明=事態収拾へ協力要請―IAEA
時事通信 4月5日(火)18時30分配信
◆知事ら10首長、東電と国に抗議=福島原発の汚染水放出などに―茨城
時事通信 4月5日(火)21時14分配信
◆<福島第1原発>汚染水放出 農相「連絡なかった」
毎日新聞 4月5日(火)11時12分配信
◆汚染水放出「止めて」地元漁協抗議、補償も要求
読売新聞 4月5日(火)14時37分配信
◆海水から濃度限度750万倍=ヨウ素検出、直接流出ピット付近―東電
時事通信 4月5日(火)13時5分配信
◆放射性物質「想定しがたいデータ」 魚介類へ野菜基準値を適用
J-CASTニュース 4月5日(火)20時2分配信
◆小魚から放射性物質…影響ない程度・規制値なし
読売新聞 4月4日(月)20時37分配信
【世界の反応・評価】
◆福島原発の安全性回復には1世紀の時間が必要=英専門家
サーチナ 4月4日(月)21時42分配信
◆<放射性物質>韓国、通報なかった 日本外務省に懸念
毎日新聞 4月5日(火)20時9分配信
◆汚染水放出 韓国が憂慮「国際法上問題となる可能性」
産経新聞 4月5日(火)19時29分配信
◆中国報道「日本の原発事故、リスク恐れるぐらいなら禁煙を」
サーチナ 4月5日(火)18時16分配信
※ タバコとストレスよりマシ、との報道をどこかで見たような −−− 自国の原発推進の観点からのコメントでしょう。
◆ドイツ、原発停止措置によって電力の純輸入国に=独業界団体
ロイター 4月5日(火)15時40分配信
◆周辺の土壌汚染は史上最悪か、日本政府の対応遅れが致命的に―米紙
サーチナ 4月5日(火)11時32分配信
◆ロシア懸念「海水汚染、我が国にも影響」
読売新聞 4月5日(火)10時40分配信
◆'No safe levels' of radiation in Japan
Last Modified: 04 Apr 2011 15:46, Al Jazeera English
◆Japan dumps thousands of tons of radioactive water into sea
CNN April 4, 2011 -- Updated 1347 GMT (2147 HKT)
【産業への影響】
※ 『汚染国』 日本からの食品関連のみならず、物流全般にも影響が。(ただし製造業については、原発事故のためだけではなく部品メーカーさんの震災被害によるところ大のハズ)
◆日本料理店、大量倒産も=原発事故受け―香港
時事通信 4月5日(火)17時17分配信
◆日本の食品「安全」イメージ低下…25の国と地域で輸入制限へ
サーチナ 4月5日(火)17時10分配信
◆日本発の全船舶に放射能検査=今月半ばに初到着―ロッテルダム港
時事通信 4月5日(火)9時16分配信
◆【英国】ホンダ、スウィンドン工場で生産停止も
NNA 4月5日(火)9時0分配信
【身勝手−−−と思う】
◆原発や被曝について正しい理解を 日本財団がシンポジウム
産経新聞 4月5日(火)17時28分配信
◆【お知らせ】緊急シンポジウム開催「福島原発事故 〜“誰にでも分かる”現状と今後 〜」 日本財団
※ どうもこの財団の名前を見聞きすると、初代会長の 『一日一善!』 のコマーシャルを思い出す。シンポについては、何が 『正しい理解』 なのか理解不能。 「状況がかわるのではないか」 やら 「今のレベルで一般住民が健康被害を受けることはまずない。」 はお馴染み 「専門家のセンセイたち」 の希望的観測に過ぎない。発行されたばかりの 新ブックレット『チェルノブイリ原発事故 ― 25年のメッセージ』 / 原子力資料情報室 読んでみたら? 被害を拡大させた要因は様々でしょうが、カネで買われた 「専門家のセンセイたち」 の希望的観測も主犯格だったのでは???
◆「停止中原発のスイッチを入れろ」 こんな声まで出る電力供給巡るさまざまな議論
J-CASTニュース 4月5日(火)19時32分配信
※ このタイミングでアホか、のひとこと。人間の営みである 「経済」 ではなく 「カネ勘定」 しかアタマにない、知恵の欠如した評論家のタワゴトなので無視して構わないと思いますが。 「今の生活レベルと社会の安定を維持するためには」 については、それが過去全く説明も想定もされておらず、かつ対応も出来ない危険の上に成り立っていたことが露呈したことをお忘れの様で。この期に及んでも (不本意ながらこのコトバもお気に入りとなってしまった) まだ、震災前の状態に戻れると思っているのは、過ぎ去った過去にしがみついているだけ。進歩がない。
【ほっ!】
◆イラン人ボランティアら、被災者にケバブ3000食振る舞う
ロイター 4月5日(火)13時40分配信
◆<東日本大震災>スラム街の住民も募金 タイの財団が報告会
毎日新聞 4月3日(日)22時17分配信
※ この浄財は、某シャチョーの100億円の寄付より尊いと思いますが。
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*1:経験的観測からは稀な事象が必ず発生する確率を計算できないと云う Black swan theory - Wikipedia およびその理論を提唱した ナシム・ニコラス・タレブ - Wikipedia 参照。