遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オバマの核政策

オバマの核政策の欺瞞については2月4日付け 『核廃絶を最終的に目指す核削減と云うが−−−』 で述べた通りで特に目新しいことはありませんが、その確認の意味で最近のイベントを紹介: 4月7日に発表された核態勢見直し (NPR) レポート、4月13日に政治声明を採択し閉幕したオバマ核サミット、そしてそれに対抗してイランが主催した核サミット;


【NPR (核態勢見直し)】


さまざまな分析がなされていますが、そのうちサーチナに掲載されたフランスの戦略分析研究所長・新ソルボンヌ大学戦略問題研究所のフランソワ・ジェレー所長の観方は;


このジェレーさん見解のオリジナルはおそらく Université Sorbonne Nouvelle - Paris 3 - Accueil *1 から辿って行けば入手出来るのでしょうが、何しろ誇り高きおフランスのことだからフランス語以外では提供されていないしWeb翻訳参照しながらやっていると時間ばかりかかるので断念、サーチナを信用することにします。


【核安全保障サミット】

  • 核サミット:政治声明採択し閉幕 「管理徹底4年以内に」
    毎日新聞 2010年4月14日 11時07分(最終更新 4月14日 12時32分)


    −−−会見したオバマ大統領は「参加国は核テロが安全保障の最大の脅威と宣言し、核防護や密輸阻止が最も効果的な予防策であることに合意した」と述べた。 (以下略)


    呆れてしまう、真の安全保障の最大の脅威は、世界最大の核兵器保有国であり軍事的覇権にしがみつくアメリカの暴走を誰も止められないこと。国連? IAEA? 皆骨抜きですね。恐らくダミーである 『アルカイダ』 を核にしたテロネットワークをでっち上げられて繰り返しあの手この手で恐怖を煽られるアメリカ国民の大半は多分無関心だろうし。


【イラン核サミット】

  • イラン主催「核サミット」に56か国、欧米は黙殺
    4月17日22時44分配信 読売新聞


     【テヘラン=久保健一】核開発計画で欧米の批判を浴びるイランの主催で、核軍縮と核の平和的利用を訴える国際会議が17日、テヘランで開幕した。


     米ワシントンで開かれた「核安全サミット」に対抗するもので、核の平和利用の権利を強調することで非欧米諸国からイラン核開発への支持を取り付けるのが狙いだ。 (以下略)
  • Nuclear summit kicks off in Iran
    Sat, 17 Apr 2010 05:22:19 GMT / PRESSTV


    ※ 日程は17日から2日間 (イランに限らずアラブ圏の休日は確か木〜金曜日あたり) ですから、日本時間では明日19日以降内容判明。
  • Iran to take US to UN over 'threat'
    UPDATED ON: Sunday, April 11, 2010, 23:23 Mecca time, 20:23 GMT, Al Jazeera English


    Iran has said it will file a formal complaint with the UN against the US, citing what it calls President Barack Obama's threat to use "nuclear attack" against it. (以下略)


    骨抜きUNには間違い無くシカトされるであろうが、公式に発行された苦情の内容は多分;


王様アメリカや落ち目の元王様大英帝国のやっていることは、自国の軍事的な覇権の脅威となると勝手に解釈しているイランを孤立させ挑発しているだけ。核だの人権だの、他国を批判する立場に無いでしょうに。


ここ何年か、アメリカは対イラン戦争を始めるのではないかとの観方がある一方、少しずつではあるが西側でも反戦の動きが活発化しつつある様です。例えば−−−


−−−−−−−−

ぱっと見たときは何かの冗談か皮肉と思いましたが、以下実にふざけたHPを見つけました;

http://www.america.gov/publications/ejournalusa/0210.html?gclid=CJX2runBi6ECFQU9bwod6zLVMw
February 2010


Since the first atomic bombs exploded in 1945, some have tried to rid the world of nuclear weapons. (以下略)


アメリカにおける最初の核実験は確かに1945年ですが、他人事の様に 「1945年に最初の原爆が炸裂して以来」 なんて馬鹿げている。人類に対する使用実績がなければそれでよいが、 "Since we, the U.S.A. released the atomic bombs onto the human beings in 1945 for the first time in the history" が正解でしょ? 上掲サーチナ記事中に誰の言葉か少々不明ながら 『グローバル化された今日、核兵器が戦争による大量殺りくを防いでいるのである。平和な時代にある人は、このことを忘れてはならない。』 とあるのも、犠牲者・被爆者を愚弄しているとおもうが。パックス・アメリカナの見せかけの 「自由」 と 「平和」 の時代にわれわれが忘れてはならないのは、アメリカの核兵器使用による長年に渡る大量殺戮の事実ではないか? 原発からの放射能漏れによる被害者も含めてこの欺瞞に抗議する正当な権利を有するにもかかわらず、日本政府、ひいては有権者である我々の無能のせいで、ヒロシマナガサキの犠牲が無駄になるのは悲しいことです。


どう考えても無用の長物である米軍基地の問題ごときで優柔不断さを世界中にさらけ出し嘲笑の対象となっている現政権は下野すべきですね。今回のオバマ核サミットでも存在感ゼロであったし。所詮国民レベル以上の政府はありえないのだからしょうがない、早くアメリカ様に謝ってアタマを撫でてもらいましょうよ。原爆? 過去のことです、忘れちゃいました、また家来No.1に戻して下さい、儲けさせて下さいってね。


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*1:ソルボンヌ大学はパリ第3大学の通称;
パリ大学 - WikipediaSorbonne — Wikipédia 参照