遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

自然災害、人災−−−

今年2010年は1月13日のハイチから始まり、2月27日チリ・3月8日トルコ・4月4日メキシコ・4月7日インドネシア・4月14日中国と立て続けに発生した大規模地震・余震・津波のみならず、2月末欧州西部を襲ったハリケーン級の暴風雨、3月1日ウガンダでの大規模な地滑り、3月中旬南太平洋・フィジー諸島を直撃した大型サイクロン「トマス」、4月上旬ブラジルのリオデジャネイロ州での集中豪雨による洪水・地滑り、4月中旬インド東部・バングラディシュを襲ったサイクロンにより、物的損害のみならず多数の人的犠牲が発生しています。


上掲はほぼ (=人災の部分もアリ) 自然災害と云えますが、馬鹿な人間が起こした災害としては、2月16日ベルギーでの列車正面衝突、3月29日モスクワでの爆弾テロ、4月10日ポーランド大統領専用機の墜落、ロイターの日本人カメラマンも巻き込まれた4月10日タイ反政府集会に関連する衝突など世界が注目するものだけではなく、世界中が聞き慣れてしまい当たり前となってしまった感のある (← 恐ろしいことです) イラクアフガニスタン・ガザ・アフリカを始めとする戦争・紛争地域での殺戮行為もエスカレートしています。


自然災害だけでも相当な被害が発生している中、人間もわざわざ災害を自ら惹き起こしていますから、滅亡を加速しているとも云える。世界終末論が脚光浴びるのも無理は無いかも知れません。


今日現在恐らく最も報道されている自然災害は、アイスランドでの火山噴火による降灰による間接被害でしょう。前回紹介した際には、火山の噴火そのものではなく噴火による氷河融解での洪水発生の危険性と云う観点からでしたから、災害の種類の拡大と云えそう。


現在焦点が当たっているのは降灰による欧州主要空港閉鎖ですが、それより警戒すべきは健康被害と環境に与える影響、特に地表温度の変化では? あの恐竜が絶滅した有力な原因のひとつと考えられているのが、隕石落下により巻き上げられた粉塵が地球を覆って地表温度が下がったことですよね。(隕石落下による熱の発生の部分は不都合ゆえ除きます)

  • ピナツボ噴火とその気候への影響
    出典: 九州大学大学院 理学府地球惑星科学専攻 対流圏科学研究分野


    −−−1991年,フィリピンのルソン島北部に位置するピナツボ火山が噴火しました。 当時この噴火による火砕流などにより,フィリピンでは多くの被害がでました。


    噴火によって発生した二酸化硫黄は成層圏まで行くと亜硫酸ガスに変化し,薄い層を形成します。そのため,本来地表に到達するはずだった太陽光が減少してしまい,地表の気温は減少します。


    その一方で,亜硫酸ガスの層は地表からの赤外放射の一部を吸収する効果(温室効果)もあります。


    しかし,この効果は地表の気温を下げる効果より小さいため,結果として地表は平年と比べて寒くなります。 そして、この噴火の影響が主な原因となって1992〜1993年に世界中で異常気象が起こったと考えられています。


  • 火山学者に聞いてみよう 火山についてのQ&A集(OLD) より抜粋


    Question #- 18
    火山活動と気候変化について教えてください。


    Answer
     爆発的な火山噴火は,大量の火山灰・火山ガスを大気中にもたらします.細粒の火山灰は成層圏を漂い,一時的に日射量を減少させますが,やがてその大半は地表に舞い降りてしまいます.一方,火山ガス中にふくまれる二酸化イオウは,光化学反応によって硫酸液滴となって数年程度成層圏に滞留し,太陽放射を散乱・吸収して地表温度を低下させる要因となり得ます.これに対し,火山ガス中にふくまれる二酸化炭素は地表面からの赤外放射をさえぎるため,その量が大量であれば長期にわたって大気温度を高める温室効果をもたらし得ます.


     このように火山噴火がもたらす物質には,地表温度を高める要因となり得るものと低める要因となり得るものとがふくまれ,その中には短期的な効果をもたらすものと長期的な効果をもたらすものとがあります.それぞれの物質の割合や量は,火山によって,あるいは個々の噴火によって異なるのが普通です.


     実際に大規模な火山噴火と時を同じくして気候変化があったかどうかを歴史記録や考古学的・地質学的記録から調べると,広域的な気候変化(とくに数年程度の寒冷化)と相関がみられる例がありますが(たとえば,1783年のアイスランドのラカギガル割れ目噴火や1815年のインドネシアのタンボラ火山の噴火にともなう広域的な寒冷化),必ずしもそうでない例もあります.もちろん気候変化の要因は火山噴火だけではなく,エルニーニョなどの海洋変動や,人間活動に起因する物質の放出が原因となる場合もありますから,火山噴火と気候変化の関係を調べる際には注意が必要です.


    小山真人(静岡大学教育学部


下にリンクを紹介した早川さんブログによると噴火は弱まっている様ですが、要Watchですね。