遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

私の大好きなフラメンコのこと その13: ロマンセ

スペイン文学の歴史をかじったことがあればロマンセと云う詩(物語り歌)のことは聞いたことがある筈です。

スペイン文学 (ウィキペディア) 中の「スペイン文学の主な作家および事項一覧」−「15世紀」の項目として ロマンセ (ウィキペディア) があげられています。ロマンセに関しては日本語版はプアなので、以下西語版参照;


また新泉社刊 『ロマンセーロ − スペインの伝承歌謡 − 橋本一郎/著』 の案内には 【ロマンセはスペインのバラードであり、伝承歌謡である。それには民衆の歩んできた歴史が表現されている。無名の吟遊詩人達によって歌われたエル・シッドの英雄歌や悲恋哀歌を解明してヨーロッパ文学の源泉を探り、スペインでも散佚しているロマンセをここに集大成する。】 と記されています。


全くの無伴奏でフラメンコとは呼べないロマンセのレコード --- 歯の抜けたおじいちゃん (吟遊詩人) の単調な歌が延々と続くもの --- も何故か持っていますが、ここではフラメンコに取り込まれ、かつYouTubeにアップされているものを幾つか紹介します。ロマンセとして独立?したものもあるし、ブレリアなどの中で有名なロマンセの一節が唄われる場合もありますが、いずれにせよそんなに頻繁に唄われるものでは無い筈。学生時代にディスコ・マニアも含む関東圏内のレコード屋さんを散々捜し回りましたが、ロマンセに関しては殆ど収穫無しであったこと思い出しました;




Titulo: Antonio Mairena - Romance de la Princesa Celinda.
歌詞: POÉTICA Y TRADICIÓN DE LOS ROMANCES DE LOS GITANOS BAJOANDALUCES 脚注 No.20
唄: 大御所アントニオ・マイレナ (1909〜1983)。マイレナ3兄弟については後日紹介予定。




Titulo: Manuel Mairena - Prendimiento de Antoñito "El Camborio"
歌詞: Prendimiento de Antoñito el Camborio en el camino a Sevilla
※ 最後だけ少し変えてあるみたい。
唄: 上記アントニオの25歳年下の弟マヌエル・マイレナ (1934〜)。




Titulo: Antonio Mairena - Romance
歌詞: 捜せば見つかる筈ですが割愛。
唄: アントニオ・マイレナ。




Titulo: E Lebrijano y su Familia - Canción y Romance por Bulerías
唄: エル・レブリハノ (1941〜)。




Romance Pascual de los Peregrinitos
歌詞: Lorca Web Concordance の最下部あたりにアリ。この歌詞はペリコン・デ・カディスもブレリアに乗せて唄っています。
唄: カルメン・リナレス (1951〜)。



−−−最後におまけ? スペインギターの世界で "Romance" と云えばこのおじさん (残念ながら97年没) のこの曲;