遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

Cielito Lindo, Cielito Lindo その2

今日は気楽に、2009年6月1日付け 『メキシコ、フラメンコ、女性の唄い手 −−− Cielito Lindo !!』 にて紹介の、メキシコのうた 「シエリト・リンド」 その2を;


ウィキペディア 【シエリト・リンド】
スペイン語 Wikipedia 【Cielito Lindo】
英語 Wikipedia 【Cielito Lindo】


上掲ウィキペディア中、 「キリノ・メンドーサ・イ・コルテスの伝記によると、彼は山に出かけたときに、ほくろのある女性を見てこの詩を着想したとされている。彼がこの曲と詩の作者である事は確かであるが、この詩はスペインの古い歌と似ており、それに何らかの影響を受けたのであろうことは間違いない。」 の根拠 (裏付け、程度の意味) として挙げられているのが、以下メキシコのサイトに2005年10月30日に投稿された、Arturo Ortega Morán, Domingo さんの記事;

¡Hasta que me cayó el veinte! : Cielito lindo

要は、歌詞のうち "De la sierra morena / cielito lindo, vienen bajando / Un par de ojitos negros / (cielito lindo) de contrabando. の部分はおそらくスペイン南部アンダルシア地方にその起源がありそうと云うこと。確かに、シエラ・モレナ山脈 (固有名詞) はスペイン南部にあるし、盗賊の隠れ場所となっていたことも事実だし、 --- vienen bajando tus ojos negros de contrabando --- と云う歌詞はフラメンコの唄にも度々出て来ます。


勝田保世さんの 『砂上のいのち』 (音楽之友社 1978年11月20日発行 第1刷) 197・198ページに;

−−−むかしの小唄がうまいことをいっている。


A tu cara le llaman
Sierra Morena,
Y a tus ojos, ladrones
Que andan por ella.


   たとえようならお前の顔は
   シエラ・モレナの山脈よ
   お前のひとみはその山脈に
   住んでる山賊、にくらしや


百年ぐらい前まで、シエラ・モレナの山脈一帯には、名物の山賊が横行していた。アンダルシーアでは古来、黒いひとみをどろぼうにたとえる。それは若人のハートをぬすむからである。


(勝田さん、何も若人に限らなくっても−−−)


しかし起源のハナシをし出すと、スペイン語は、ってことにもなりますから、Arturo Ortega Morán, Domingo さんの締めくくりの言葉の様に、 『¡Vaya!, una canción que es 90% mexicana y 10% andaluza, buena forma de reflejar nuestro origen ¿no cree usted?. この歌の9割がメキシコ+1割がアンダルシアと云う比率は、我々(メキシコ人)の起源からして妥当だとは思いませんか?』 大賛成!!


で、以下幾つかの動画を紹介。各々に強烈な個性がありますね;



Titulo = PEDRO VARGAS - CIELITO LINDO



Titulo = Luis Aguilar - Cielito Lindo
Luis Aguilar, Rosita Quintana y Pedro Galindo en la película "Cielito Lindo" (1957).



titulo = carmen sevilla y pedro infante cielito lindo 1953
独特の裏声がイイですね!!



Titulo = Miguel Aceves Mejia-Cielito Lindo


キリがありませんから、最後にフラメンコで:


Titulo = ADELA LA CHAQUETA Y SU ARTE EN EL RECUERDO
6分過ぎあたりに Cielito Lindo が出て来ます。私はこのおばちゃんの唄が(も)大好き。


YouTubeで探すと、様々なバリエーション; 国、楽器、スタイル; があるのに驚かされます。それだけ世界中で愛された唄なのですね。その3では変わりダネを紹介。