遊蕩爺の漂浪メモ

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バイオリン押収 − 無償返還 に伴うトラブル

   過去記事 (コメントを頂いたもの)


押収の名器バイオリン返還=ヤンケさん「ほっとした」―独税関
  時事通信 10月9日(火)18時37分配信


2台目のバイオリンも厳格な筈のドイツ税関が収税せず返還したってことは、書類がキチンと整っていたからかなぁと思ってましたら、どうもそうでは無いらしい;


<ドイツ>バイオリン返還で財務相を告発 税関職員
  毎日新聞 10月9日(火)10時32分配信

  −−−2人とも無申告で税関を通過しようとした ため、密輸などの疑いを持たれたという (以下略、引用終わり)

  楽器標的の摘発でない…フランクフルト空港税関
    読売新聞 10月5日(金)9時17分配信

    −−−フランクフルト空港は、欧州大陸部では最大規模の国際空港で、欧州各国の便をつなぐハブ空港の役割を果たしている。出入国審査を免除するシェンゲン条約に基づき、人の移動の自由が保障された地域が広がるにつれて、「いったん域内に入ったら物品も欧州内をほぼ自由に運搬できる。『最後の関門』としての税関の対策も強化されている。職員の意識も高い」(外交筋)という。 / その一方で、別の外交筋は「独税関当局には、古い楽器は(売買目的の)骨董(こっとう)品という意識が強い。高額物品を使ってのマネーロンダリング資金洗浄)が行われているという情報もあり、楽器に目をつけていることも考えられる」と語る。 (以下略、引用終わり)



私は税関吏に同情しますね。水際で奮闘する職員を否定するような大臣、ロクなものではない。鶴の一声で法がねじ曲げられるなら、現場は馬鹿らしくてやってられるか、ってこと。ドイツにもそんなラテン的? なのがいるんだ、驚き。それに 「ストラディバリウス」 って、法をも曲げられる名器だなんて知らなかった。おまけにコンパクトで持ち運び易く高額だから、マネーロンダリングにはもってこいかも。


悪意はなかったのだろうが、一連のゴタゴタの全責任は 『無申告で税関を通過しようとした』 2人の演奏家にあるのは間違いない。


で思い出したのが、昔同僚から聞いたハナシ。アメリカに出張して帰国した某会社ご一行様; 当時は (今も?) ご法度の●ル●雑誌を税関に見付けられたひとりが、「え〜何でオレだけ? 皆んな通ったじゃない」 と文句をたれたものだから、全員引き戻され再度検査の結果、大量没収の憂き目に。当然税関長からカイシャのソームに相当強いクレームがあったとか。その後海外出張者に対するコンプライアンス教育が厳しくなったとのこと。


高貴なクラシック演奏家皆さまは、 『コンプライアンス』 やら 『李下の冠、瓜田の沓』 なんてご存じないのでしょう。誰も教えてあげないのだろうし−−−