2011年東北地方太平洋沖地震　その３１：　やはり原発は手に余る −−−　後半の補足〜被ばく

いのちがけの作業員の被ばくに備えて −−− 実現も拡大もしないことを望みますが；

大量被ばくに備え造血幹細胞の採取体制整備−虎の門病院
　　　医療介護ＣＢニュース 3月29日(火)19時33分配信

　　−−−日本造血細胞移植学会の豊嶋崇徳理事(九大遺伝子・細胞療法部准教授)は、被ばく線量の限度250ミリシーベルトを守って作業すれば末梢血幹細胞の移植は必要なく、採取・保存は想定外の大量被ばくに備えるものだと説明。谷口部長は「(採取する自己末梢血幹細胞を)一例も使わないことを望んでいる」とした上で、「万が一、骨髄がやられた時には(自己末梢血幹細胞の移植は)最善の方法」との見解を示した。（記事終わり、引用終わり）

　　＜福島第１原発＞造血幹細胞の事前採取に疑問　英客員教授
　　　　　毎日新聞 3月29日(火)18時56分配信

　　　　−−−大量被ばくが実際に起こるか不明な状況で、数百人規模の造血幹細胞を採取することについて、「採取には時間がかかり、痛みなどの副作用も伴う。少人数が大量被ばくすると事前に分かっていれば実施してもいいかもしれないが、現況では合理的ではない。むしろ、作業員が高線量の放射線を浴びないよう警戒することで、彼らの健康を守るべきだ」と強調した。　（記事終わり、引用終わり）

　　　　※ 作業員がリスクをおかして作業せざるを得ない現実を見ていない。

これは現在いのちがけで作業中の作業員の方々のための対応ですが、この原発での被ばくはこれが初めてではない；

東京電力を告発する長尾光明さんの原発裁判が結審、５月23日判決　国策企業の本質が露呈した裁判
　　　『原子力資料情報室通信』404号（2008/2/6）より

また、東海村JCO臨界事故に関しては；

JCO不当判決！原子力行政に屈した司法を許さず控訴審を闘う
　　　『原子力資料情報室通信』第406号（2008/4/1）より

イラクでも起きていることが日本でも。平時の被ばくに関しては本来「原子力損害の賠償に関する法律」で原子力事業者の無過失責任が定められていますが、因果関係の立証が難しいためでしょうか、被害者が一方的に不利。つまり法そのものが被ばく者の健康より事業を優先していると云うこと；

ブログ内過去記事内の劣化ウラン弾

原子力資料情報室サイトから、現在特に把握しておくべきと思われる発信を２つ紹介；

地震・事故：福島原発 : 放射線被ばくを考える
2011/3/17 18:46:48

　　モニタリングのデータが公表されるようになった。一時、公開が止められていたとの報道もあった。ただ、公開と同時に添付されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。また、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」と説明することに憤りを感じる。

　　そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。　（以下略、引用終わり）

地震・事故：福島原発 : 被ばくを避けるために
2011/3/19 20:50:37

　　被ばくを避けるためには、距離をとること、時間を短くすること、呼吸や食べ物から取り込まないことなどが必要だ。距離をとると言っても、誰もが避難できるわけでもない。

　　また、環境の放射線が高くなりつつある中で、被ばくを避けるためにどうしたらよいのか、多くの人が直面している深刻な問題だ。ここでは、無用な被ばくを少しでも避けるための自衛の方法を具体的に考えてみたい。先に「放射線被ばくを考える」で自衛のための被ばくの計算方法をお伝えした。これも参考にしてほしい。　（以下略、引用終わり）