遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

アフガニスタン: Malalai Joya マラライ・ジョヤさん関連記事の紹介 その9: TIME Magazine よ、恥を知れ!

2010年5月11日付け アフガニスタン: Malalai Joya マラライ・ジョヤさん関連記事の紹介 その5 - 翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記 でもコキおろしたタイム (雑誌) がまた事実を捻じ曲げ、従ってアフガニスタンの女性の権利を踏みにじる恥知らずな行為を行う様子;



出典: 8月9日号紹介ページ
問題は、ショッキングな写真に添えられた "What Happens If We Leave Afghanistan"


件の号は明日8月1日発売される様ですが、暴力の被害者の写真を利用してアメリカ政府のアフガニスタン侵略戦争を正当化し長引かせる様な卑劣な行為は許し難い。この雑誌、一体どこまで落ちるのだろうか? RAWAあるいはマラライさんなど、アフガニスタンで女性のために戦っている活動家や組織から相当過激なクレームが付くのでは?

TIME’s Epic Distortion of the Plight of Women in Afghanistan
Posted by derrickcrowe at 1:05 am July 31, 2010 / AlterNet 掲載


よく整理された批判ゆえ紹介。記事の締めくくり "Shorter version: TIME Magazine’ cover art is rank propaganda, and the current U.S. policy is failing women, badly." に怒りが要約されています。


なお記事中紹介されている ヒューマン・ライツ・ウォッチ - Wikipedia の7月付けレポートは The “Ten-Dollar Talib” and Women’s Rights (pdf) よりダウンロード可。


前回 (2010年4月) TIMEがマラライさんに対して行った侮辱行為に関するRAWA コメントは;

  • Afghan Leader Malalai Joya is Resistance personified
    The News, July 24, 2010 (RAWA News 掲載)


    −−−Time asked Dutch-Somalian author Ayaan Hirsi Ali, who is known for her Islamophobic views, to make the announcement. Now settled in the US, Hirsi Ali distorted Joya's image in her malicious announcement by saying: "I hope in time [Joya] comes to see the US and NATO forces in her country as her allies. She must use her notoriety, her demonstrated wit and her resilience to get the troops on her side instead of out of her country".


    A furious Joya reacted strongly. In her counter-statement, she said: "Time has painted a false picture of me and does not mention anything at all about my struggle against the occupation of Afghanistan by the US and NATO, which is disgusting. In fact, everyone knows that I stand side-by-side with the glorious antiwar movements around the world and have proved time and again that I will never compromise with the US and NATO who have occupied my country, empowered the most bloody enemies of my people and are killing my innocent compatriots in Afghanistan". (以下略)


以下記事は、NYTおよび先日紹介しましたCSMの関連記事。TIMEの論調との比較は行っていませんが取り急ぎ紹介;


女性の人権だけを問題にしている訳ではなく、アフガニスタン国民の人権が問題。RAWAやマラライさんが戦っている理由は、国民、特に女性や子供の人権を踏みにじり続ける軍閥タリバンが何の罰も受けずに 「国際社会のお墨付きで」 アフガニスタンを統治しようとしているから、またアメリカ軍・NATO軍の介入や 「国際社会」 から流れ込むカネが結果として彼らを利しているからに他なりません。


オバマ子ブッシュから引き継いだアフガニスタンでの9年に渡る過ちを隠ぺいするため、傀儡として育て損ねた出来の悪いカルザイを擁護し、 「安定した民主政権」 を樹立することで 「名誉ある撤退」 したいのでしょうが、本来アフガニスタン国民が 「国際社会」 に最も期待していた正義 −−− 犯罪者の逮捕および処罰 −−− を実現するどころか彼らを政権の座に据えると云う、とんでもない愚を犯しつつあります。これ以上介入を続けると事態は悪化する一方。9年かかって出来なかったことが今更出来る訳がないし、戦争犯罪を積み重ね嘘の上塗りでドツボにはまるだけ。即刻撤退するしか途はありません。撤退後? 傷付けること・殺すこと・カネの勘定しか考えられない馬鹿なアングロサクソンではなく、聡明なアフガニスタン人に任せるべき。時間はかかるし犠牲も避けられないでしょうが、必ず自分達で解決出来ます。以下、上掲 AlterNet 記事中に引用されている Orzala Ashraf さんの言葉;


"I don’t believe and I don’t expect any outside power to come and liberate me. If I cannot liberate myself, no one from outside can liberate me."


山岡朋子さん (横山朋子さん名) 翻訳の 『ルス、闇を照らす者』 に描かれたアルゼンチン軍政による国民への犯罪行為は、多くの犠牲を伴いながらようやく今裁かれつつあります。アフガニスタンでは、正に今その 「国民に対する犯罪」 が行われている真っ最中。それに 「国際社会」 が加担していることに、何故気付かないのか? 気付いてやっているのであれば、我々は救い様の無い馬鹿です。