遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

ルイジアナの看守犬 "Chief": オオカミと犬の交配種

嬉し?悲しいハナシ。オオカミとイヌを交配させた オオカミ犬 が、ルイジアナ州刑務所で警備・対人威嚇 (および当然捕獲) を行う看守犬に任命された話題。このオオカミ犬 "Chief" は、実際には刑務所に収監されている大半の囚人同様 「仮釈放なしの終身刑」 を宣告されたワケですが、その狂暴な性格から安楽死させられるところを刑務所の係官に見出され、裁判所のイキな? 判決で救われた、と云う経緯があるみたい。適材適所、うらやましい?


看守犬、半分オオカミの血筋で仕事一筋
  ウォール・ストリート・ジャーナル 8月1日(水)16時38分配信


このオオカミ犬は多分2012年5月の下掲記事のものと同じ個体でしょう;


Louisiana aggressive dog sentenced to guard Angola prison
  May 6, 2012, Examiner.com

  An Angola wolfdog was spared euthanasia because of his aggressive tendencies, and was sentenced to a life sentence as a patrol dog at The Louisiana State Penitentiary at Angola on Friday. The dog had been previously owned by a family in Point Coupee Parish who surrendered him because of his aggressive behavior. (以下略、引用終わり)

  Dog gets life sentence at Angola
    Posted: Sunday, 06 May 2012 8:55AM @ WWL - AM870 FM105.3 News


薬殺を逃れて天職? に永久就職が決まり活躍していることは嬉しいことですが、この様な 「獰猛な」 犬が人間のエゴのために作られたことには、どうにもたまならない気持ちになります。冒頭紹介のウィキペディアにもある様に、 「−−− 交配が行われているカナダやアメリカでは飼育環境の不備による脱走や、飼い主が扱いかねて放逐するケースが少なくないことから、このような犬種を交配、飼育することそのものに対する批判もある」 のは当然。この狭い日本でも500頭程度飼育されているそうですが、大きなリスク。個体差はあるでしょうが素人に飼い切れる犬種ではないこと、飼い主死亡・破産等で飼えなくなった場合の薬殺、事故や災害で逃げ出した時に地域に与える害・捕獲の難しさなど考えると、新規登録や輸入、交配そのものが禁止されるべきと思います。


Wolf dog hybrid with aggressive behavior receives a life prison sentence
  May 4, 2012, PRIVATE OFFICER NEWS NETWORK

  NEW ROADS, La. May 4 2012 (AP) — The bad dog of the neighborhood has received a life prison sentence. (以下略、引用終わり)

    


"bad dog" なんて人間の身勝手であり、オオカミ犬に責任はないでしょう、可哀想に。地域の中で人間と共存することが難しい交配種を作ったブリーダー・それを軽い気持ちやミエで 「買った」 飼い主の責任でしょう。自由放任もええ加減にせい、と云ったところ。


Wolf Hybrid Information and Pictures


Wolfdog - Wikipedia

   狼犬 - Wikipedia

     サーロス・ウルフホンド - Wikipedia
     チェコスロバキアン・ウルフドッグ - Wikipedia


参考: Blogs about: Angola Prison / WordPress



オオカミ犬同様に人間が作り出した獰猛な犬としては−−−


以前紹介したことのある ブラジリアン・ガード・ドッグ (ポ語では Fila brasileiro)。前者JKCの説明では 『17世紀にブラジルへやってきた、ポルトガルやスペインの征服者によって、この地へもたらされたスペイン・マスティフ、ボルドー・マスティフ、ブラッドハウンド、ブルドッグ、マスティフなどの交雑によって作出され、そのするどい嗅覚で熱帯雨林にのがれた犯人追跡や家畜の番犬として使用されてきた』 なんて少々間抜けな説明がなされていますが、実際には看守犬、ただし監獄の看守ではなく、人権など存在しない監獄以下の奴隷農場の看守。追いかけたのは、たまりかねて逃げ出した黒人奴隷です。(中には犯罪者もいたでしょうが、この頃は農園主に楯突く者・逃げた者は皆犯罪者扱いだったでしょう)


また、これも以前紹介の ブルドッグ (JKC ブルドッグ - BULLDOG) も、元々はその名が示す通り闘牛犬として 「品種改良」 が繰り返された経緯があります。


ウロ覚えながら、両犬種とも皮膚がしわしわである理由は、噛まれた・角に突かれた際、怪我がその皮膚で止まり中まで到達しない様に、と云うことだったか。いずれも人間の勝手で 「作られた」 犬種ですが、時代が変わった現在では番犬・伴侶犬として共存出来る様に獰猛な性格が取り去られている筈。


一方で日本では、いや日本でも、 闘犬 と分類される犬種が存在します。先日プーチンに里子に出された 秋田犬 もその1種。種を保存すべきなのは理解するものの、獰猛な性格の取り除かれていない犬種を 「飼う」 ことが出来るなら、とんでもないこと。人間・犬双方にとって不幸です。動物愛護? それもありますが、無責任な飼い主の多いこのご時世、むしろ人間愛護。子どもなんて簡単に噛み殺されますからね。