遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

世界最年少の出産、 世界最高齢の出産 −−− 産まれた以上、おめでとう !

Wayuu 族 は通称 Guajiros グアヒロス、日本では殆ど知られていないでしょう。


Guajiros o Wayúu
    当記事末尾の音楽関連記事も参照



 
   Etnoturismo en La Guajira
   Colombiatravel さんが 2010/10/28 にアップロード
    コロンビア側観光用のプロモーションビデオ?




彼らの居住地域は、ベネズエラ・コロンビア両国にまたがるカリブ沿岸のラ・グアヒラ半島 (冒頭紹介のリンク先ウィキペディアに簡単な地図アリ)。ここで10歳の女の子が出産したことが報道されています;


「世界最年少の母親」 10歳少女が帝王切開で女児出産=コロンビア
  2012年04月10日、新華社日本語経済ニュース-XINHUA.JP


   このケースではたまたま医者にかかったから判明しただけのこと。医者にかからず / かかることが出来ずに出産したケースも多い筈だし、そもそも病院が無い地域だってある筈。10歳が世界最年少とは限らないでしょう。


  「人形と遊びたい小さな子どもが、母親になるなんて間違っている」 、 「少女は母体としての発育が不十分で、妊娠のリスクが高まる。妊娠中毒症になりやすく、高血圧や浮腫の症状が起こりやすく、おなかの赤ちゃんの成長に影響する。妊娠はできるが、出産はまた別の話だ」 との指摘はごもっとも。実際には母子ともに命を落としているケースもあるでしょう。


  これが、我々が慣れ親しんだ社会の中での出来事なら間違いなく犯罪行為の結果であり女性の人権・母性の蹂躙と云うことになりますが、このコミュニティーの中ではそれが当たり前かも知れません。もし母子の死亡が多いなら、コミュニティーの中でそれなりの年齢制限はなされている筈ですが、 「我々の基準」 を知らないのだから一概には責められない。


  実は昔ベネズエラで暮らしていた頃、マラカイボの西側にあるグアヒロスの居住地域のすぐそばまで仕事で何度も行ったことがあります。色々興味があって居住地区へ行こうとしましたが、地元の人達から、治安が悪いから行かないほうがよい、無事に帰っては来られない、と散々脅かされて断念 (当時は実に素直でしたから)。それが経験によるものなのか、偏見・無知によるものなのかはわかりませんでしたが。恐らくコロンビア側でも同じ様な状況があるのでは? つまり、ベネズエラなりコロンビアの一部ではあっても、アマゾンの深いジャングルの中同様に隔離された状態にあるのではないか。


  民族の文化やら伝統は尊重されるべきではありますが、隔離 (差別) 状態を解消して彼らを社会に取り込んでいかないと、このテのハナシは無くならないでしょう。嘆いて・批判がましいことを言っているだけでは何も変わらない。


いずれにせよ母子ともに健康の様ですから、まずはめでたい。



で、その逆に超高齢での出産。これは神の領域? に踏み込まないと不可能;


70歳のインド人女性が双子を出産―世界最高齢出産
  2008.07.04 (Fri)、HEAVEN


世界最高齢出産の女性はインド?スペイン?


2歳の双子を遺し「世界最高齢の母」が死去、超高齢出産巡る議論が再燃。
  2009/07/17 09:42 Written by Narinari.com編集部

   難しそうな議論。でもトシの順なら親が子より先に逝きます。その時に子が成人あるいは独立していれば葬式を出すだけの話ですが、そうでない場合は、社会あるいはコミュニティーが育てればよいのであって、超高齢出産者だけを問題にすること自体おかしいとは思いますが。2歳の双子を残して両親が事故死、なんてケースは幾らでもあるでしょうに。


なお人間の領域だけでの最高齢出産については;


三宅婦人科内科医院“ちょっと専門的ですが”


  −−− 50歳以上の方の自然妊娠・分娩はわが国でも一年に数名はおられます。記録が正しいかは疑問がありそうですが、自然妊娠の最高齢記録は、日本では60歳でありますが、世界では65歳だそうです。 (以下略、引用終わり)


これらのケースでも、母子ともに健康なら、めでたいハナシ。



フラメンコ好きなら Guajiras と呼ばれるスタイルはご存じとおもうが、この直接の起源はキューバの農民の唄と云われています。キューバではとっくに滅亡したインディオと結び付けることは無理と考えられていますが−−− スペインのフラメンコの連中は中南米カリブのことを知らないからどうですかね。 (フラメンコのグアヒラスについては 別記事 とします)


グアヒロスについては知らなくても、多分その音楽は、アルゼンチンの アタウアルパ・ユパンキ やら メルセデス・ソーサ 、チリの ビクトル・ハラ 経由で随分昔日本にも紹介され、親しまれた筈です。 (過去記事でも紹介 したことがあります);


  
  Atahualpa Yupanqui - Duerme negrito
  monre1949 さんが 2008/09/13 にアップロード

   前奏の後に、ユパンキ作曲とされることのあるこの子守唄の由来を説明、それに合致するのが Guajiros と思われます。彼が採譜したオリジナルはどんな唄であったのか、今でも伝承されているのか? なおユパンキは zurdo (左利き) 、更に蛇足ながらギターは通常の右利き用のもののハズ。


  
  05 Mercedes Sosa - Duerme Negrito (5 13)
  kbzn44, アップロード日: 2008/05/07

   メルセデス・ソーサによるもの *1。歌詞は多分 DUERME NEGRITO Lyrics MERCEDES SOSA


  
  Victor Jara - Duerme, duerme negrito
  BobAlpha さんが 2008/08/08 にアップロード


  
  Duerme Negrito「おやすみネグリート」
  folclore20 さんが 2008/04/13 にアップロード

     桑原しんいち さんによる弾き語り。歌いだしが日本語訳になっています。

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*1:2013年7月25日リンク差替え