遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

けむりのゆくえ、そよ風ときにはつむじ風 −−−

少し余裕が出来たので、リハビリ? も兼ねて二つのお気に入りエッセイのことを。(音楽系は除いて)


生活基盤を見直す過程で、紙巻きたばこ(シガレット)を止めてほぼ全面的にパイプ喫煙に切り替えました。値上がりしたとは云えシガレットの値段がヒステリックに高い欧米と比べればまだ割安であることは確かですが、それ以上にパイプたばこの方がお財布に優しいことが主な動機。加えて環境に同化されないフィルターが無く燃え残りも極少であってちきゅうに優しいこと、燃焼促進剤の様な訳のわからない添加物や紙が介在しないこと、基本的に葉巻同様ケムリをくゆらすだけで吸い込まないことも。(能動的な受動喫煙みたい)


昔吸っていたパイプ数本を全て引っ張り出して掃除し、近所の 高名で元気な? たばこ屋さん でパイプたばこを購入してゆったりと味と香りを楽しんでいます。シガレットの場合は、せかせかと吸うことが多かった様な。燃焼促進剤のために勝手に灰になるし−−−


たばこの楽しみについて書きたいことは山ほどありますが、当ブログの主旨にはそぐわないので割愛。ここで採り上げた理由は;


パイプの吸い方を自分なりに身につけたン十年前、傍らに置いて愛読していたのが、 早川良一郎 さんの 『けむりのゆくえ』 でした。これはパイプのノウハウ本ではなくエッセイ集であり、今思い返すと色々な面で随分影響を受けた本です。なお同じ頃、同じパイプ愛用者でありもっと有名な 團伊玖磨 さんの 『パイプのけむり シリーズ』 もありましたが、何故かこちらはあまり馴染めませんでしたね。



次に忘れられないのが、毎日新聞に連載されていた 池部良 さんの 『そよ風ときにはつむじ風』 (正、続、続続の3部作。単行本も全て絶版)。私は映画や芝居に殆ど興味がなく俳優池部良については何も知りませんでしたが、江戸っ子おやじを中心とした池部(えけべ)家の日常を描いたこのエッセイには惹かれるところが多く、何度も読み返した記憶があります。 (ちなみにこの作品が日本文芸大賞を受けた後、池部さんは文筆の道に入られた様です。)


このふたつのエッセイ以外にも、主に狐狸庵先生こと 遠藤周作 ・ どくとるマンドウこと 北杜夫 のエッセイも愛読しておりましたが、そのうちに仕事の関係から、また元々本のムシではなかったので、文学とは遠ざかってしまいました。