今度は静岡県東部を震源とする地震: すると 浜岡原発要 WATCH? その2
昨年2010年は国外の人災・天災Watchに明け暮れましたが、今年2011年は国内かも。動きの活発な環太平洋地域の中でも、非常に入り組んだ地殻構造の上に乗っかる日本 (日本列島の地質と構造 参照) は元々地震や火山活動の巣ですから、むしろ避けられない自然災害により引き起こされ拡大しかねない人災のリスクを見極める、と云う意味になるでしょうか;
◆静岡の震度6強は誘発か 富士山噴火の懸念も… 暴れる巨大エネルギー
産経新聞 3月16日(水)15時6分配信
※ このメディア以外で報道されていないので紹介。なお記事中の研究機関は;
⇒名古屋大学大学院環境学研究科附属 地震火山・防災研究センター
※ 様々な報告書が掲載されています;
3月12 日 長野県・新潟県県境付近[長野県北部]の地震
出典: 関東・中部地方(三重県を含む)の週間地震概況
平成23 年 第11 号(平成23 年3 月11 日〜3 月17 日)
◆東海地域の週間地震活動概況 No.11 / 2011年3月11日〜3月17日 (参考)
※ 産総研 地質調査総合センター - Geological Survey of Japan, AIST の資料。右下フレームには、311以降の余震やら、3/15 22:31頃の静岡県東部の地震、3/12 03:59頃の長野県北部の地震、3/12 04:46頃の秋田県沖の地震、3/19 18:56頃の茨城県北部の地震まで一括表示されています。
富士山噴火は、東海地震とセットで? 常に出て来るハナシです。今回の 2011年東北地方太平洋沖地震 はまだ収まった訳ではありませんが、自然災害同様に手に負えない存在となり得る原発の危険性が浮き彫りになりました。 先日紹介 した様に、 『原発は、再臨界 の条件など、事故の時に何がどうなるかわからないまま安全を宣言して営業運転をしている巨大な「実験装置」であり、本質的に危険なものである』 ことが図らずも暴露された、と理解します。
何が富士山噴火のトリガーを引くか、あるいは大地震と噴火の関係については、多くの記事がネット上に転がっています。良くて科学的な仮説、でも大半は屑レベルかも知れません。あるいは、そもそも杞憂かも知れない。私が、説得力があるかなぁと思うものを紹介しますと;
●富士山噴火と巨大地震: 岩波科学「科学通信」2007年6月号 (Vol.77, No.6, P. 553-554)
鎌田浩毅 かまた ひろき / 京都大学大学院人間・環境学研究科 (火山学, 地質学)
活火山 である 富士山 を擁するのは静岡県 (富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町) と山梨県 (富士吉田市、南都留郡鳴沢村) だそうですが、来る 東海地震 の震源と考えられる駿河湾内の 駿河トラフ をも擁する静岡県にとっては、地震・噴火共に身近な存在でしょう;
−−−『地殻に大きな動きがあった事で地中のマグマが活発化したのではないか』と関連性を唱える学説もありますが、前回の安政東海地震(1854)では火山活動が見られ ないなど、毎回連動しているわけでないため、関連性は現時点では明らかになっていません。
但し、噴火の場合も地震と同様、「起きる、起きない」の議論よりも「起きた時に冷静に対応できる知識と備え」が大事です。 (記事終わり、引用終わり)
この記述の元は多分;
●富士山噴火と東海地震
静岡新聞 時評(2008年2月6日)、小山真人(静岡大学教育学部教授)
⇒ 火山で生じる異常現象と近隣地域で起きる大地震の関連性(PDF)
(同教授の論文、2002年頃?)
更に静岡県は、御前崎市の浜岡原発をも擁します。富士山・駿河トラフについて、人間に出来ることは観測のみ。しかしもうひとつの爆弾は、まだ人間の手で止められる。地震・噴火よりも広範囲に世代を超えて影響を及ぼすリスクは、減らしておくべきでしょう。短絡的と言われるかも知れませんが、それが今回の教訓のひとつと思います。