遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

シェールガス: 安価?  安全? ちきゅうに優しい?

   高らかな奴隷復活宣言 !!
   シェールガス


ウィキペディア によれば;

  • シェールガスを含む頁岩は、泥岩の一種で硬く薄片状にはがれる性質をもち、粒子が細かく流体を通す隙間がほとんどないので、自然の状態では天然ガスの商用資源とはなりえない
  • 2000年代に入ってから水圧破砕(英語版)によって坑井に人工的に大きな割れ目をつくってガスを採取する技術が確立し、更に頁岩層に接している坑井の表面積を最大にするために水平坑井掘削技術(英語版)という技法で10,000フィート (3,000 m)もの長さの横穴を掘ることが可能となった。これらの技術進歩の結果シェールガス生産量が飛躍的に増加しシェールガスブーム、シェールガス革命などと呼ばれるようになった
  • テキサス州バーネットシェール(英語版)が経済的に成功したことは、アメリカとカナダにおけるシェールガスフィールドの探鉱に拍車をかけた。しかし、急激な生産拡大と価格低下により開発企業の収益が悪化している


イメージを把握するには;



 出典: Fracking shifts global energy balance
     Dec 14, 2012, Phys.org (AFP 作成図)


右が従来型の油井、左が 「進歩した技術による」 取り出し方法。どちらの資源取り出しコストが高いかは一目瞭然。現時点では、余程数字を舐り回さない限り、シェールガスが安価なワケはない。


勿論、ある程度価格も安定していて生産量が増えて来れば、また税制上の恩典などで投資促進されれば、規模の経済で 「割安」 にはなるでしょう。しかし現在最大の問題と思われるのは上掲 『水圧破砕』 の安全性が確認されていないことの様です。アメリカの様に汚染しても知らん顔出来るほど政府が厚顔で土地が余ってりゃあ別ですが、密集した? ヨーロッパでは切実な問題、反対運動も相当規模で展開されています;


Hydraulic fracturing or fracking

   Shale gas
   Shale gas in the United States


水圧破砕のみならず、環境に与える影響も未知数。様々な試算がなされている様ですが、推進派・慎重派ともに結果ありきのお手盛り調査を前面に出している可能性大。関連記事は溢れています。例えば;


Carbon Briefing: what does extracting shale gas mean for the local environment?
  15 May 2013, 16:50, The Carbon Brief


Fracking Can Be Done Safely, but Will It Be?
  iday, May 17, 2013, Scientific American

  Concerns Spread over Environmental Costs of Producing Shale Gas
    July 9, 2010, Scientific American


Q&A: shale gas and fracking
  guardian.co.uk, Tuesday 17 April 2012 11.00 BST


Fracking brings economic boost, but risks raise concerns
  Published on May 14, 2013, University of Michigan News Service


Quebec seeks fracking moratorium in shale gas rich area
  Reuters – Wed, May 15, 2013 via Yahoo! News


South African Anti-Fracking Activist Calls for Global Alliance
  Published by National Geographic Newswatch on 2013-05-14


Natural Gas Glut: Wall Street Is Driving the Shale Gas Boom Like it Did the Housing Mortgage Scandal
  February 25, 2013, Published on Alternet


Fracking’s Lure, Trap and Endless Damage
  Dec 13 2012, The Nader Page (ラルフ・ネーダー


Marcellus Shale Information / Toxics Targeting


で、我がこころのふるさと? スペインのケースを取り出すと; 米欧の経済覇権争いで苦境に立つ中、背に腹は代えられないとすれば、開発しないテはない。それでもなお相当強い懸念が払しょくされない様子。なおシェールガスは、スペイン語なら Gas de esquisto, gas de lutita, gas pizarra


Spain Shale Gas Reserves Estimated to Equal 39 Years of Demand
  Mar 11, 2013 9:20 PM GMT+0900, Bloomberg


Shale-rich Spanish region vote to ban fracking
  Mon, Apr 8 2013, Reuters


Los riesgos desconocidos del ‘fracking’
  17/05/2013 - 12:25h, eidiario.es


最も強力と思われる反対サイトは;


No al Fracking en Cantabria 旧サイト
No a la Fractura Hidráulica en Cantabria 新サイト

  
  出典: Impactos No al Fracking en Cantabria
    新旧サイトとも、リンクも充実。




隣国での環境汚染やら事故をセセラ笑う様な報道も多いのですが、いつか日本も通った道だし、経済が低迷する中経済効率最優先の風潮あり。再度 ウィキペディア によれば、


つまり、日本国内では取り出し出来るシェールガスの埋蔵はありませんから国内汚染の可能性はゼロ。しかし他国での無理な生産において環境破壊の加害者となる可能性は大、手放しで喜べるようなハナシではありません。採算面でも不安は残るし、「安定供給」 をアテにした消費増は自殺行為;


シェールガス 安定調達へ大きな一歩だ
  2013/05/21 03:14、産経新聞 イザ!

   アホメディアによる近視眼的な煽り記事の典型。でもガスよりむしろ 『日米同盟重視という戦略的意味』 を宣伝したいのかも。



この件に関しても、私が最も共感出来るのはやはり元アメリカ人であるトッテンさんの記事;


No. 1033 シェールガス・バブル
  投稿日: 2013年5月7日、耕助のブログ

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