遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

クルマ・チャリの功罪 その6: 浮かばれない被害者

ブログ内過去関連記事;


  クルマ・チャリの功罪 その2: 歩道に突っ込んだタンク車
  クルマ・チャリの功罪 その3 など:
  クルマ・チャリの功罪 その4: ひき逃げ、チャリによる事故誘発、逃走中の自爆事故 など
  クルマ・チャリの功罪 その5: チャリによる加害事故、 無防備な子ども達

あまりに非常識な検察の判断、到底納得出来るものではない;


2人死亡のタンクローリー事故 「運転手の不起訴は不当」と遺族が検察審査会へ申し立てへ
  msn産経ニュース、2011.10.12 21:04

  −−−事故では、越智被告の自転車を避けようとしたワゴン車が左車線のタンクローリーの前に割り込み、さらに避けようとしたタンクローリーが歩道に突っ込んだ。大阪府警は越智被告とそれぞれの車の運転手2人を逮捕したが、大阪地検は越智被告を重過失致死罪で起訴。運転手2人は嫌疑不十分で不起訴とした。 (記事終わり、引用終わり)


   私は不起訴 (ワゴン車・タンクローリーの運転者とも) は明らかに不当と思います。タンクローリーには歩道に突っ込む以外の選択肢もあった訳だし、ワゴン車に至っては現場から逃げた訳だし。それより信じ難い、いや腹立たしいのは、直接はねた当事者が不起訴になった理由が、検察から被害者のご遺族に説明されていない様に見受けられる点。この事故で唯一無過失なのは亡くなられた歩行者ですよ。正直者が馬鹿を見るとは正にこのことです。検察は一体誰の味方なのか。この件だけではありませんが、浮世離れしていると云うか、質が下がる一方。

  また、タンクローリー運転者の咄嗟の行動は止むを得なかったと云うならば、その様な重量級の車両の衝突に耐えるガードレールが設置されて然るべきですから、道路管理者の責任を問うことも出来ますね。特に学校のそばなど、城壁の様なガードレールを設置することになりますよ。


自転車誘発の死亡事故、1千万円支払いで和解
  読売新聞 8月10日(水)15時6分配信

  福岡市博多区で2008年、自転車と衝突したオートバイの男性(当時43歳)が転倒し、反対車線の乗用車にはねられて死亡した事故で、男性の遺族が、自転車と乗用車の運転手に総額約3800万円の損害賠償を求めた訴訟について、被告側が1000万円を支払う内容で福岡地裁で和解していたことが分かった。 −−− 自転車の男性(28)は重過失致死罪で在宅起訴され、 −−− 禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡され、確定している。 (記事終わり、引用終わり)


   この 「一千万円」 と云う金額は、一般的な賠償責任保険 (自賠責・任意保険以外) の上限額でしょう。殺された無過失の歩行者の命が値切られるのは同じとしても、死亡加害事故での自賠責の上限は3千万、任意保険なら無制限が一般的。チャリによる死亡加害事故の被害者はたまったものではない。経済効率を考えてのことなのだろうけれど、クルマやチャリの運転者はあまりに甘やかされているとしか思えません。


車避けようと転倒 バイクの男性死亡 川崎
  msn産経ニュース、2011.9.6 10:57

  −−−乗用車が県道に出たところ、右から走ってきたバイクの会社員、目時博行さん(31)=東京都世田谷区=が車を避けようとして転倒、はずみで目時さんが対向車線に投げ出され通りかかった乗用車にひかれた。 −−− 同署は自動車運転過失致死容疑で、女性と目時さんをひいた男性会社員(35)=川崎市川崎区=を書類送検する。 (記事終わり、引用終わり)


   事情は異なりますが、事故の原因を作ったクルマと、無過失とは云えないかも知れないバイク運転者をひき殺したクルマ両方の運転者が送検されており、検察でどの様に判断するのか要Watch。



参考: 交通事故 刑事事件について 青野法律事務所 弁護士青野渉 より;

  


検察審査会 - Wikipedia


  問題無しとは云えないこの素人集団が最近関わった例では、 陸山会事件 に関する市民団体による不服申し立てに対する起訴相当議決・不起訴不当議決 〜 某政治家強制起訴でしょうか。正に茶番劇。でもご遺族としては不服申し立て以外に手立てがありませんから、頼らざるを得ません。諸刃の刃。