遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

911: 最初の911から38年、 二度目の911から10年、 311大地震から半年、 ハイチ112大地震から20ヶ月

また9月11日がやって来ました。我々は何も学んでいませんから、日付は別として少なくとも3度目は既に起こっており、現在進行中。震災に関しては、元となる自然災害そのものもさることながら、それを拡大あるいは深刻化させる人災の要素が増大していると言えるでしょうか;



【最初の911から38年: チリ アジェンデ政権転覆】


 チリ国内でのクーデターであっただけでは無い、 「アメリカの裏庭」 中南米でのアメリ外交政策を端的に表す出来事。その本質は38年経った今でも変わらない。 「アラブの春」 やらリビアでの政権転覆 (現在進行中、一部報道にかかわらず未完了) など、この延長線上にあるとも言えそう;


 チリ・クーデター - Wikipedia

 Golpe de Estado en Chile de 1973 - Wikipedia, la enciclopedia libre


 El nuevo escenario con que el gobierno espera el 11 de septiembre
   09 de Septiembre de 2011 • 07:00, Terra

 Gobierno chileno espera tranquilidad en marcha por aniversario golpe militar
   EFE –vie, 9 sep 2011 thru Yahoo! Noticias

 Rafael Correa recuerda a Salvador Allende y rinde homenaje a víctimas del 11S
   EFE –11 Sep. 2011 thru Yahoo! Noticias


 元大統領、死因は「自殺」=長年の殺害疑惑に決着―チリ
   時事通信 7月20日(水)6時35分配信

   Chile: Peritaje confirma suicidio de presidente Allende en 1973
     19 Julio 2011, Cubadebate

   元大統領の遺体運び出す=自殺か他殺か調査―チリ
     時事通信 5月24日(火)17時43分配信




【2度目の911から10年: 同時多発テロ


 テロ行為そのものおよび救出の過程で犠牲となられた方々には何の罪もありません、こころより冥福を祈ります。しかし真相は闇の中、この事件に直接・間接に関わり世界中に報復を宣言して勝手に戦争を始めた狂人子ブッシュおよびそれを踏襲する軽薄オバマ政権には全責任がある。またそれに加担・容認・黙認する国連をはじめとする 「国際社会」 は共同正犯。大雑把に言えば、この10年間にアフガニスタンで約3万人 *1イラクで約10万人 *2パキスタンで約1万人 *3、総計約14万人の非戦闘員 −−− 2度目の911での犠牲者数約3000人 *4 の約47倍の人間が殺された勘定。 「テロとのたたかい」 の名の下世界は一気に野蛮な西部劇の世界へ逆戻り。ムスリム = テロリストの図式が巧みに作り上げられ、「文明の衝突」が人為的に演出されています。


 更に唾棄すべきは、戦争の正当化のためか再選のためか、10年の節目を狙って 「無法者」 の殺害を演出したりテロの脅威をねつ造し殊更にアピールするなど、破産国家の割にはまだ懲りない様子。正に裸の王様。犠牲者不在かつ犠牲者への冒涜以外の何物でも無いと思いますが。


 同時多発テロ - Wikipedia

 September 11 attacks - Wikipedia


 Ralph Nader: 10 painful lessons of 9/11
   Updated 2d 3h ago (from 02Sep11 JST), USATODAY.com

 After 9/11, Was War the Only Option?
   Monday, September 05, 2011, Noam Chomsky's ZSpace Page


 The 9-11 Decade - Al Jazeera English


 同時テロ10年、厳戒態勢にイスラム教住民反発
   読売新聞 9月10日(土)22時27分配信

 <米同時テロ>「世界が一致しての対応重要」国連で追悼式典
   毎日新聞 9月10日(土)11時8分配信

    アメリカの報復には無条件に加担してやれ、ってことね、 『WWII戦勝国連合』 番頭の潘さん。

 テロ計画背後にアルカイダ=国際会議の新設発表―米長官
   時事通信 9月10日(土)6時32分配信

    私は 「アルカイダ」 が米政府の意のままに操れる半ば架空の組織と考えますから、情報操作が行われていることになります。テロ容疑者 (あるいは冤罪被害者) は現場で射殺するか、通常の司法ではなくグアンタナモの様な 「司法外」 で裁くので、目論見が表に出る危険性は極小。表に出ることがあっても、その頃当事者はこの世にいない。またそれをほじくり返す者がいたら、その者がテロ容疑者として扱われ −−− 後は同じ。意のままに操られる 「国際社会」 、ナメられたものです。

 世界で比類ない指導的役割を…オバマ大統領寄稿
   読売新聞 9月10日(土)19時7分配信

    白々しい、くだらない。いつものことながら、口先だけの薄っぺらい虚言かつ秀逸な英語教材。でも 「世界で比類のない指導的役割」 のステートメントだけは正しい。その装備・情報操作能力からして世界最強のテロ国家かつ世界最大のテロ支援国家としての誇りに満ち溢れている。




【311大地震から半年】


 東北地方太平洋沖地震 - Wikipedia

 東日本大震災 - Wikipedia

 福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia


 自然災害は、特に狭い国土を 「切り開いて」 住んでいる日本の場合、ある程度不可避と云えるのかも知れません。事前にその来襲? がわかっていても、今回の台風・豪雨などでの被害を回避出来なかったことがそれをよく表していると思います。しかし311震災に関しては、地震津波等純粋な天災による被害のみならず、その解決には長い時間を要する原発事故による放射能漏れと云う人災が発生したことが最大の特徴と云えるかと思います;


 原発・避難…、見えぬ収束、めど立たず 震災発生から半年
   河北新報 9月11日(日)6時10分配信

 双葉町の井戸川町長「数年は町には帰れない」
   読売新聞 9月10日(土)3時2分配信

    鉢呂経産相、就任9日目で辞任…「放射能をうつす」など不適切発言で
     スポーツ報知 9月11日(日)8時3分配信

ゴーストタウン - Wikipedia より抜粋

  ゴーストタウン(Ghost town) は、かつて人間が居住し都市や集落が形成されたが、何らかの理由により住人が退去して無人となり、人がその地に居住していたことを示す建物や痕跡のみが残されている場所のこと。 / 実際にはセントラリアやチェルノブイリのように、ゴーストタウンとされる場所でも、ごく少数の住人が住んでいる場合もある。


 幾ら愛する我がまちであっても住民が避難している現状下、チェルノブイリ同様にゴーストタウン (以下、 「死の町」 と読み替えも可) 化しているのは事実です。人っ子一人見ない町を訪れれば、誰でもそう思う筈です。避難の理由は住民に帰されるものではないことは周知の事実ですから、その言葉が住民や自治体を侮辱することはあり得ない。にもかかかわず、その言葉を使っただけで大臣が辞任まで追い込まれるのは、アタマのわるい私にはどう考えても理解不能。無論、その立場の人間として当然わきまえるべきTPOの観点からは大変疑問ですが、辛い現実を加害者とも云える政権の閣僚にその様な形で表現されて袋叩きに遭わせた、としか思えません。平時にはそれも一興? でしょうが、そんなことやってる場合なの?


 ゴーストタウン化している街を自分の目で見て原発事故の結果なり避難勧告の結果を思い知らされ、何とかしなければ、政府として何をすべきか、何が出来るか、と考えたのであれば、現場を訪れた価値がある。 (「お客さん」 として訪問したどこぞの馬鹿とは事情が異なる。) ゴーストタウン化している現実を認めない限り、前進はあり得ないでしょう。何か日本全体が、上っ面の言葉だけ 「マニュアル通りに」 スマートに取り繕ってそれでよしとする、変に優等生的な風潮がまん延していないか? 「xxの不自由な方」 と呼ぶだけでその障がいをお持ちの方を慮っていることになるのでしょうか? 「看護婦さん」 を 「看護士さん」 と呼び替えるだけで男女平等ですか? 「汚染されているのでは」 「うつるのでは」 という目で見られ差別されて辛い思いや悔しい思いをされている県外避難者はいらっしゃらないのでしょうか?


 ゴーストタウン発言のみならず、さすがに誤解しか産まない子どもじみた不用意なしぐさでたった8日で辞任したこの大臣がひとつだけ大きな業績を上げたとするならそれは、「街がゴーストタウン 化している」 ことを広く知らしめたことでしょう。これ以上に現実を的確に表現するコトバは無いと思いますが。たとえそのコトバがタブーであっても、現実は変わらない。国際的にも大変不名誉なことですが、我々は第2のチェルノブイリを作ってしまった。


 喉元過ぎれば、と言いますが、我々は住民が避難した町や住み慣れた家や土地を追われた被災者のことをどれだけ考えていますか? カネが出て移住しているのだから我慢すれば、程度にしか思っていないでしょう、違いますか? この町を殺したのは原発事故。でも自分達のそばに無い限り、 「安価でクリーンなエネルギー」 を産む原発は必要なのでしょう? 「がんばれ日本」 だの、「こころはひとつ」 だの、被災者との一体感だけは煽るキャッチコピーに酔い痴れているだけ。でも現実は被災者・被災地不在、痛み分けはご勘弁、何も解決しない。これは政治不在の副産物と云うより、私をはじめとする有権者の意識欠如が元凶かも。


   核実験のマーシャル諸島、半世紀を経て帰島進む
    読売新聞 9月9日(金)3時22分配信

    他人事ではない、これが放射能汚染の実態。精神論やら安っぽいキャッチコピーで解決出来る問題ではありません。放射能汚染により、死の町となってしまったことを認めて初めて、ではどの様に除染しようか、時間は? 短縮する方策は無いか、避難中の町の保護はどうしようか、避難されている方々の避難中の生活をどう守ろうか、予算は、財源は−−− 等、全てはそこがスタートの筈。




【ハイチ112大地震から20ヶ月】


 ハイチ地震 (2010年) - Wikipedia


 アメリカを筆頭とする 「国際社会」 が、復興どころか新たな植民地として利権に群がるだけで、殆ど何も解決していない。311震災同様、発生以来長期間状況を観ていますが、感じるのは無力感だけ。ハイチ国民不在。21世紀になってもまだ飢えに苦しむソマリアなども同じ。


 How the World Failed Haiti
   August 4, 2011 1:35 PM ET (from the August 18, 2011 issue of Rolling Stone)
   過去記事 にて紹介済み




この4つに共通するキーワードは、「被災者不在」 でしょうか。日付にこだわらなければ、 「アラブの春」 も同じ様なもの。あるのは 「西側先進国」 の身勝手な屁理屈だけ。その結果、被害が拡大。新たな災害が発生しない限り、来年の今日もきっと同じことを書いているでしょう。終戦記念日しかり、原爆忌しかり、過ちを繰り返すだけ −−− そのうち、手痛いしっぺ返しが。


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