遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

2011年東北地方太平洋沖地震 その15: これって、電力会社の責任逃れでは?

原子力発電所に関する参考リンク集


レベル5「痛恨の極み」=東電社長
  時事通信 3月19日(土)1時6分配信


   −−−「極めて重く受け止めている。わが国が経験したことのない大規模地震に伴う津波といった自然の脅威によるものとはいえ、このような事態に至ってしまったことは痛恨の極み」 (以下略、引用終わり)


    この期に及んで責任逃れ、どこまで卑怯なのか。地震津波およびそれらによる設備の損壊は確かに自然災害、しかしその後悪化した原発問題は明らかな人災でしょう。どこまでも甘い状況認識、外部エキスパート援助の拒絶 (留保と呼びたい様だが)、事実の隠ぺい −−− 自然災害のせいであれば頭狂電力は免責になることを暗に宣言しているだけ。 (大雑把に云えば、原発と云う、事故が起きれば損害額が想定出来ない無限リスクのある事業を実施するに当たって、国が一定の免責を企業に認めることで事業が成り立っているはず。首相が乗り込んで激怒した際 「あなたたちしかいない。(原発からの)撤退などあり得ない。覚悟を決めて下さい。撤退したら東電は100%つぶれる」 と怒鳴ったのはこの点では? 自然災害・不可抗力で免責になるから何もしなくてよい等と思うなよ、と言いたかったのでしょう。気持ちはわからないではないが、一国の責任者としてはどうなんでしょうね?) 一私企業の無能なマネジメントが悪化させた事態に対して、 「重く受け止める」 だの 「痛恨の極み」 だの、免責を強く意識した優等生的な発言なんて今更聞きたくも無い。一体何人の従業員・関係者を殺し、何人のいのちをさらに犠牲にしようとしているのか。解決のために 「決死隊」 を必要とするほど問題を悪化させたのは誰なのか。


関連する資料は溢れていますが、私の読んだものを参考まで紹介しますと;


原子力保険 - Yahoo!百科事典


原発と保険(2)


原子力発電の問題点


資料12 原子力保険と賠償法 / 地域防災計画 01 資料編
  御前崎市地域防災計画 原子力対策編関係 より

  • 原子力発電所は、一般の人に危険がおよぶことのないよう、あらゆる面から配慮されています。


    万一、事故が発生して一般の人に被害を与えるようなことがあった場合には、その損害を賠償できるように保険をかけることになっています。


    このため、電力会社は保険会社と「原子力損害賠償責任保険」を結び、また、国と「原子力損害賠償補償契約」を結ぶことになっています。


    以上の2つは、互いに補完し合う性格のもので、責任の性格は無過失責任、責任集中であり、さらに、これらで措置できない異常に巨大な天災地変または社会的動乱などによって生じたものについては、国が必要な援助を行うようになっています。


    これらについては、「原子力損害の賠償に関する法律」および「原子力損害賠償補償契約に関する法律」によって定められています。


    しかし、この法律ができて以来、適用されるような事故は一度も起こしていません。 (以下略、引用終わり)


   先日 ひやっとした 浜岡原子力発電所 を擁する御前崎市のもの。まだ遅くはない、福島の惨劇に基づいて見直す時間はありますね。



−−− 目の前で惨劇が展開され、無力さを見せつけられ、かつ放射能汚染に晒されている以上、机上の空論を戦わせている様な段階ではない。原子力発電を全廃した場合の電力不足により被る不利益と、原子力発電を続けあるいは拡大して享受出来る利便性のどちらを選択するのかも含めて議論されるべきと私は思いますが。地震の巣の上で爆弾を抱え続け 「繁栄を享受」 しても、死んでしまったら経済もクソもありませんよね?