原油価格 −−−
このところの中東騒乱に伴う市況および田中宇さん 『拙速分析』 (Webの場合 有料サービス の一部、ツイッターなら 田中宇 (@tanakanews_com) | Twitter 参照) を眺めていて遅ればせながら気付いたこと; 原油価格 の3つの主要指標のうち、WTIが若干BRENTより高いと (うろ覚えで) 思い込んでいましたら、逆転しています;
●WTI原油価格の推移 / 世界経済のネタ帳 より抜粋;
◦金融マーケットでは一般的に原油価格というとWTI原油先物の価格を指す。
◦WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)とは米国で産出される原油の一種でニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)にて取引されている。産出量は世界の原油需要の1%にも満たないが、世界的な指標となっている。
◦1バレルは約159リットル
●WTI原油先物価格チャート / Chart park より抜粋;
WTIはウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことを指します。そのWTIの先物がニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されています。
原油価格の代表的な指標にはこのWTIのほか、欧州産の北海ブレント、中東産のドバイがあり、これらが世界の3大原油指標と言われています。
そのなかでも、WTI原油先物は、取引量と市場参加者が圧倒的に多く、市場の流動性や透明性が高いため、原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動向を占う重要な経済指標の1つにもなっています。
◆【田中宇PLUS:拙速分析 2011年2月4日】 より抜粋
−−−原油の国際基準価格であるWTIの価格は、もはや国際基準といえない傾向が強まっている。WTIは、米国の内陸部オクラホマ州クシンにある原油貯蔵施設の出し値であるが、その価格は米国中西部の需給しか反映しない。最近はカナダのオイルサンドで産出された原油がクシンに供給され始め、供給過剰で値崩れしている。米国の一地方の需給が世界の基準値というのは間違っており、むしろ英国の北海ブレントの価格の方が、タンカーで世界中に積み出されるのだから国際性があると前から指摘されている。ブレントは1バレル100ドルを超えたが、WTIは90ドル台のままだ。WTIを使い続けることが、ドルの潜在的弱体化の反動として起きている原油高騰を隠蔽する、米国主導の歪曲策となっている。 (以下略)
念の為 Spot Prices for Crude Oil and Petroleum Products / The U.S. Energy Information Administration (EIA) よりデータを入手して検証して見ましたら;
⇒ 作成したExcelシート; WTIvsBRT.xls
※ 私のデータ転記ミスなど有り得ますので悪しからず。
※ 昨年2010年8月あたりからWTI<BRENT で推移、特に2010年末以降スプレッドは拡大傾向、と云うよりWTIの動きが世界の市況からかけ離れている様に見えます。
調べて見ると、WTIをメインとして使い続けることの是非が議論されています;
◆Is West Texas Intermediate Still the Global Benchmark for Oil Prices?
February 2nd, 2011, Jeff Rubin
◆Brent and WTI price gap continues to widen
Published: January 26 2011 19:52 | Last updated: January 26 2011 19:52, FT.com
◆MARKET WATCH: Brent still climbing above $101/bbl; WTI price declines
M. Ulric Killion's space
◆Widening of the WTI-Brent Explained by U.S. Idiosyncratic Factors
January 28, 2011, Seeking Alpha
結果としてこれは情報操作の一種と云えますが、このテの操作はまだまだありそう。アメリカの雇用やら経済状況は想像以上に悪いのでしょう。