遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

アリゾナ州での銃乱射事件: 続報2 --- ガブリエル・ギフォーズさんの容態

ブログ内直近記事


2011年5月17日、レイアウト崩れを補正。


※ 病室でのギフォーズさんの写真が公開されています。開頭の状態の様ですから当然全身ではありませんが、夫で宇宙飛行士の マーク・E・ケリー さんが手を握っているものなど;


  
  出典: Gabrielle Giffords first photos from her hospital room
  January 11, 2011 | 8:01 pm, Los Angeles Times


なおギフォーズさんは銃規制反対派であり、個人でグロック社製の銃も所持していたとのこと。今回の凶行で使用された銃 (下掲載の図中の写真参照) もグロック社製のセミオートマだった様ですから、皮肉なものです。今回の事件でギフォーズさんの銃規制に対する考えが変わるかはわかりません。今はとにかく生きて欲しい;




Gabrielle Giffords / Times Topics
   The New York Times


Gabrielle Giffords breathing on her own, moving both arms
   Los Angeles Times, January 11, 2011, 4:45 p.m.


  Rep. Gabrielle Giffords is breathing on her own and moving both arms, both very encouraging signs of recovery, physicians at University Medical Center in Tucson said Tuesday. (以下略、引用終わり)


Gabrielle Giffords Condition, Will Survive Gunshot Wound
  Posted by admin on Jan 11th, 2011 and filed under US News, TPI NEWS Daily Update


   主治医?である Dr. Peter Rhee へのインタビュービデオが掲載されています。回復して、植物状態にはならないのではないか、との見込みの様子。


なお損傷した左半球の機能に関して一般的に言われていることは迷信に近い様で、まだまだ未解明と云うのか正解の様です。加えて私のシロート考えでは、たとえ何かの機能を掌る部位が損傷したとしても、リハビリ等によって他の部位がそれを補う方向で対応することを助けられると思います。脳は、いったん壊れたら修理・部品交換しなければならないコンピュータの様なチャチなものでは無い筈;

  • 基本的には人間では左側の脳が言語の優位半球となり、計算や数値的なことを主に担当し、右側の脳は画像等の情報を処理するといわれています。ただし10〜20%の人では言語の中枢が右側や両側にあると言われています。


      Neuroinfo Japan:脳とそれをささえる器官のしくみ より抜粋
  • 右脳と左脳の機能


      脳機能局在論では、脳の各部位がそれぞれの役割を担っているとされます。 体の左半身の制御を司るのが右脳、右半身の制御を司るのが左脳であることはよく知られた事実です。


       しかし、この右脳と左脳の機能について、間違った知識が一般に広まっています。 「右脳は芸術などのイメージ処理に使われ、左脳は数学などの論理処理に使われている」という俗説のことです。 わずかに活動の違いがあることは認められていますが、この俗説はあまりにも極端です。


        この俗説は、心理学者ロジャー・ウォルコット・スペリーによる左脳と右脳をつなぐ脳梁を切断した患者に対して行った研究が一般に広まったものです。 しかし、それは一般健常者にあてはまらないのです。


       経済協力開発機構も2007年に「論理的な左脳」と「創造的な右脳」は迷信であるという報告をしています。 アメリカ人の小説家マイケル・クライトンハーバード大学医学部卒)も、自身の作品の中でこの俗説を否定しています。


       脳が部位(領野)によって異なる機能を担っているのは事実ですが、まだわかっていないことばかりです。 21世紀は脳の時代と言われています。 今後の研究に期待しましょう。


      脳の機能 より抜粋


NPR - How Neurosurgeons Size Up Brain Injuries Like Giffords'
  Monday, January 10, 2011, Integral Options Cafe



なお銃弾貫通のルート、脳の部位などについては;




出典: Gabrielle Giffords: Halt in swelling, ability to respond give doctors hope
   Posted: January 11, Updated: Today at 1:32 AM / The Associated Press @ The Portland Press Herald


Gabrielle Giffords shooting: Survival factors after gunshot wound to head
  guardian.co.uk, Monday 10 January 2011 16.29 GMT


  画像4枚順次表示


なお今回の事件をきっかけに、再び銃の規制の問題がクローズアップされる筈。しかしアメリカ有数の利益団体である 全米ライフル協会 も、再びそれを潰しにかかるでしょう。ちなみに彼らのサイトトップ には以下白々しい、空しいコメントが記載されています;

01-08-2011


Statement from the National Rifle Association on Tucson Shooting


Our thoughts and prayers are with the victims of this senseless tragedy, including Representative Gabrielle Giffords, and their families during this difficult time. We join the rest of the country in praying for the quick recovery of those injured.


彼らのスローガンは 『人を殺すのは人であって銃ではない』 と云う、一見もっともなことであるし、更にどうしようもないと私が思うのは、連邦最高裁が2008年に、アメリカ合衆国憲法修正条項第2条に定められた「武器を所持して携帯する権利」 条項を 「個人の武装権を認めたもの」とする判決を示していること。しかしそれを考慮しても、銃を野放しにしておいたことが今回の惨劇の主な原因でしょう。まあ、アメリカ人が決めることですが。