遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

翻訳家 山岡朋子さん その79: ペリー艦隊日本遠征記

山岡朋子さん (横山朋子さん名) が共訳者として関わられた豪華本 『ペリー艦隊日本遠征記(全3巻) *1』 について紹介したのは2008年10月7日付け 翻訳家 山岡朋子さん その12 国立国会図書館 - 翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記 でしたが、その後昨年9月に求めやすい価格で再版されています;




          
ペリー艦隊日本遠征記 上 [単行本]    ペリー艦隊日本遠征記 下 [単行本]
   加藤 祐三 (解説), 伊藤 久子 (解説), オフィス宮崎 (翻訳)
     出版社: 万来舎 (2009/04)、発売日: 2009/04
ISBN-10: 4901221345          ISBN-10: 4901221353
ISBN-13: 978-4901221344        ISBN-13: 978-4901221351


なおこの経緯については、翻訳された オフィス宮崎さんHP に以下案内されています;

2009年4月28日


『ペリー艦隊日本遠征記』発売


オフィス宮崎は昨年、創立20周年を迎えたことを記念して、1997年に企画制作した『ペリー艦隊日本遠征記 Vol.1, 2, 3』(栄光刊)を、新たな形でもう一度世に出すためのプロジェクトをスタートさせました。


横浜開港150周年にあたる今年、『ペリー艦隊日本遠征記 上下巻』(万来舎刊)の発売が実現しました。 (中略)


1997年に発売した3巻セットは、アメリカで出版された初版 『Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan, 1856』 を完全訳出し、カラー図版や海図を含め、すべてを復元することをコンセプトとしたものでしたが、今回は、ペリー艦隊が日本に遠征し、日米和親条約を結び、遠征を終了するまでの全記録を収録したVol.1を、見出しなどをつけて読みやすく再編集し、より多くの方に読んでいただけるようにと考えて制作しました。


加藤祐三先生(横浜市立大学名誉教授・元学長)、伊藤久子先生(元横浜開港資料館調査研究員)に解説を執筆していただきました。


本のサイズは四六判(上下巻を横にならべてA4用紙におさまるサイズ)、中ページはモノクロですが、オリジナルのVol.1に掲載されている図版およびテキストは、すべて収録しています。 (以下、目次が掲載されています。)


従って、元々の3巻全てを収録している訳ではない様です。読み物としてならこの新版、歴史資料としてなら元々の3巻 *2 を、と云ったところでしょうか。なお上掲HPに記載の新版の目次中、

  • 上巻
  • 下巻
    • 第15章 三度目の琉球訪問
    • 第17章 四度目の琉球訪問
    • 第25章 琉球と協約を結ぶ  ── 日本遠征の終了  那覇〜台湾・香港〜ニューヨーク」


と相当数の章を、沖縄 (当時の琉球王朝) 訪問について割いている様です。偶然見つけました関連記事を参考まで紹介;

沖縄と米国海兵隊【1】ペリーの「黒船」で来た海兵隊
時事ドットコム特集、2010年4月24日?


−−−。「黒船」と呼ばれた軍艦4隻を率いる米国のペリー提督が日本本土に向かう途中、補給のため沖縄に立ち寄り、艦隊に所属する海兵隊2個中隊がペリーに随行して那覇に上陸したが、それは決して友好的なものではなかった。 (以下略)


琉球王国時代の1853年5月ペリーが初上陸して以来、沖縄と米軍の関わりは続いているのですね。

.

*1:オフィス宮崎 (翻訳) 、出版社: 栄光教育文化研究所 (1997/10)、
ISBN-10: 4897110351 / ISBN-13: 978-4897110356
発売日: 1997/10、
Amazon でのセット定価 15万円!!

*2:第1巻: 日本開国までの公式記録・日本人と生活の描写
第2巻: 貴重なカラー図版を用いた日本の博物誌・日本近海の水路誌、ペリー提督の所感等
第3巻: 全航海期間中の黄道光の観察記録/海図江戸湾、沖縄、函館など、ペリー艦隊が測量した海図をオリジナルサイズで復刻。
http://eikoh-books.com/others/post_51.html より抜粋。
更に蛇足ながら、『ペルリ提督日本遠征記:岩波文庫(青422-4)』 が1955年に出版されていました。同じ原書からの翻訳なのか、全訳か抄訳か、等は不明。