遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

アフガニスタン: Malalai Joya マラライ・ジョヤさん関連記事の紹介 その8−2

昨日紹介しました、マラライさんに関する Glyn Strong さん記事から3点考察してみますと;

【1.アフガニスタンでのレイプ】


紹介された Samia さんのケースは、レイプ被害に遭われたと云う意味では残念ながら珍しいことではないが、その後立ち直られかつ理解のある男性とめでたく結婚出来たことは非常に珍しいと云う現実がある様です。


記事の中から拾った問題をざっとまとめてみると;

  • 被害者が何重もの被害に遭われること
    1. 第一の被害: 犯罪行為そのもの。


    2. 第二の被害: 法廷で晒しものになること。


    3. 第三の被害: 地域社会での偏見・差別。


      ここまでは程度の差こそあれ、世界中どこでも同じ様なものでしょう。日本だって、 「正しく生きていればそんな被害に遭う訳が無い」 などと云う、全く根拠の無い馬鹿げた迷信がはびこっていませんか? 更にアフガニスタンの場合、


    4. 第四の被害: 裁判で逆に姦通罪の判決を受け、投獄される可能性があること。


    5. 第五の被害: 投獄されて再びレイプ被害に遭う可能性があること。


    6. 第六の被害: 家族の恥と考えられ、結婚対象からはずされ、被害者が自分を傷つけたり自殺を図る、場合によっては家族によって殺されてしまうこと。


      誤解無き様申し添えますと、これは宗教によるものではなく無知によるもの。アフガニスタンの中で解決されるべき問題。日本でだって、被害者が本来感じるいわれなどない自責の念に駆られて自殺を図るケースはある筈。


    7. 第七の被害: 加害者を訴えた家族が脅迫を受ける、あるいは名誉棄損と看做され投獄され暴行を受ける等。
  • 加害者・法の運用上の問題


    いずれも明らかに宗教とは別次元の、実質無法状態
    1. 加害者が権力者・軍属あるいはその親族であった場合に罰せられないこと。


    2. 万が一訴えられた場合、被害者を脅迫しても罰せられないこと。


なお被害者は女性とは限りません。記事中、更におぞましいケースが紹介されています。以下抜粋しますと−−−

    • “Last year, two sons of a powerful warlord in Helmand province, raped a small boy and also filmed their savage act, then they proudly released their film in public, although the family of the boy filed a case and raised their voice for justice, but no action was taken against the rapists because their father is a warlord and their mother (Bibi Laeiqa) is a member of Provincial Council of Helmand.”  (以下略)


クルアーン - Wikipediaハディース - Wikipedia などの シャリーア - Wikipediaイスラム法) がレイプを許している訳などなく、特に既婚男性が女性をレイプした場合 (配偶者に対する裏切り + 被害者への暴行) の罰則は本来更に厳しい筈です。問題なのはそれを運用する人間。現カルザイ政権はその点でも完全に失格。


なおその性格から、またアフガニスタン国内での以上の様な状況からレイプ被害の総数は把握が非常に難しい様です。発覚しているのは氷山の一角でしょう。紹介記事以外でも幾つかネット上で確認可能。たとえば;



  • Title; Support Afghan Women Empowerment Act N.O.W!! (Read Attached)


    7 year old Samia has a shocking story. She is one of tens of thousands of Afghanistan's girls who fall victim of family violence in the male-chauvinistic society where fundamentalists promote and support misogynistic customs.  (以下略)


    この被害者のお名前も Samia さんですが、この度結婚された Samia さんとは別人です。


  • Title: A 12-y-old girl is gang-raped by warlords in Northern Afghanistan


なお上掲以外でも多数のビデオを提供している以前紹介した組織 "Revolutionary Association of the Women of Afghanistan (RAWA)" と連帯する会が日本にある様です。興味のある向きは是非訪問を;

http://rawa-japan.3005.net/index.html

rawa連ブログ


残り2点については次回。