遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オバマの金融テロ その2: 貨幣操作

もうひとつの 『テロ』 は通貨操作。厳密には 「もうひとつ」 ではなく 『米国債本位制による通貨帝国主義』 政策の一環と云うことになりますか。


上掲の言葉は、前回再紹介した書籍

  • 帝国主義国家アメリカの内幕
    マイケル ハドソン (著), Michael Hudson (原著), 広津 倫子 (翻訳)
    出版社: 徳間書店 (2002/05)
    ISBN-10: 4198615209 / ISBN-13: 978-4198615208


からの引用です。同書 【エピローグ−−−米国債本位制による通貨帝国主義*1 より以下紹介;

−−− ヨーロッパ、アジア、そして他の国際収支黒字地域は進退きわまった。もし余剰のドルを吸収してそれをアメリ財務省に還流させずにおけば、ドルの価値は下がってしまうだろう。明らかにこれはアメリカの生産者に競争力を与え、交換可能通貨を持つ国々の輸出業者を不利にする。ところが、アメリカのただ乗りが収支改善に役立たなかったように、アメリカの赤字幅はまずます拡がるばかりだった。というより、アメリカは収支改善になどほとんど興味がなかったのだ。興味をもつはずがどこにある?結局のところアメリカは、赤字の埋め合わせに外国の資金を取り入れるべく自国の金利を上げることを一貫して拒否してきた。国内での経済活動が停滞するという理由でだ。赤字を続けているたの国々には、外国の債権者に支払いをするために自国経済を犠牲にせよと要求しておきながらである。


最近中国の為替政策に関して 「不正」 であるとの大合唱がよりによってアメリカから発信されました。確か日本もある時期この被害に遭いましたが−−−


そうそう、やはり駆け出しサラリーマンの頃、自動車業界でも 『輸出自主規制』 やらその後 "Buy American" ってぇのもありましたね。当時の私はネンネでしたが、それでもアメリカは身勝手な国だなと思いましたっけ。でも日本政府やお役所は従順でした、即対応しましたから。(今でもそうでしょうが) 中国がどこまでアメリカの政策を熟知しているかはわかりませんが、アメリカの要求を受け入れていない筈。これ当たり前のハナシですが、隷属に慣れ切ってしまった日本ではどう捉えられているのだろう?


そんな中、アメリカのいちゃもんに関し英紙が以下ズバリと書きました。関連記事を以下紹介;

  • 英国紙「米国は史上最大の貨幣操縦国」
    3月17日16時42分配信 サーチナ


    −−− そして姚堅報道官は「金融危機による影響を克服し、経済が回復した時に、米国が自由貿易の妨害者ではなく提唱者であることを願っている。自国の利益しか考えず、輸出を拡大し、他国の貨幣の切り上げを要求するのは利己主義の現れだ。私たちは国内の貿易政策をより一層整え、国内のニーズを拡大するつもりで、こうした政策は為替レートの問題を解決できるものではない。もし為替レートの問題を政治化させれば、各方の世界的な金融危機対策への協調や、困難な局面の互いの克服には何の助けにもならない」と強調した。 (中略)


     14日付けのイギリス紙「デイリー・テレグラフ」に掲載された文章では、「金融危機に対して米国を含む西側諸国は、自らの中に原因を見つけるべきで、いつまでもその原因を中国などの発展途上国のせいにするべきではない。米国は史上最大の貨幣操縦国として、人民元の為替レートをとやかく言う理由はない」としている。 (以下略)


おおもとの記事は;

The more America huffs about the yuan, the less China will do about it
Published: 6:19PM GMT 13 Mar 2010, Telegraph.co.uk


−−− The reality is that America's "weak dollar" policy – its long-standing practice of allowing its currency to depreciate in order to lower the value of its foreign debts – amounts to the biggest currency manipulation in human history. At the same time, the US has, for years, shamefully stalled on various rulings passed by the World Trade Organisation that show America to be breaching global trade rules. −−−


さてどの様に決着するか。 (金融テロ関連は多分もう少し続く−−−)

*1:上掲翻訳書の380・381ページ