遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オバマの侵略戦争: パキスタンへの拡大

アメリカが侵攻しているイラクアフガニスタンには世界が注目しておりましたが、例のNYでの爆発物発見・容疑者逮捕 (911同様に少し胡散臭いのですが) により最近パキスタンが一気に注目され出した感があります。でも実際にはアフガニスタン侵攻が始まって以来、同国と国境を接するパキスタンでは難民の流入に加えて戦闘やら無人機 (Unmanned aerial vehicle - Wikipedia) による爆撃で民間人も多数殺され、国土も地域社会も荒廃させられています。更に今回、911によるアフガニスタン侵攻同様のアメリカの 「仕返し」 が加わることとなりましたから、状況は悪化する一方。 (なおパキスタンおよびその歴史に関するウィキペディアについては末尾に置いてあります。)



出典: アフガニスタン内戦
ARCHIVES/WAR HISTORY より

  • Revenger's tragedy: The forgotten conflict in Pakistan
    Monday, 10 May 2010, The Independent


    It has been a hidden war ignored by the outside world. Up to last week nobody paid much attention to the fighting in north-west Pakistan, though more soldiers and civilians have probably been dying there over the last year than in Iraq or Afghanistan. −−−
  • The U.S. Is Shipping Tons of Deadly Weaponry to Pakistan
    TheNation.com / By Jeremy Scahill, May 12, 2010


    U.S. drones bomb Pakistan regularly. Now, Washington is about to deliver 20 F-16s and surveillance planes to Islamabad along with a thousand 500 lb bombs. −−−


    オバマは際限無く暴力にカネをつぎ込んでいます。儲かるんでしょうね、きっと。暴力が暴力を呼ぶ、武器が売れる。

【紛争に関する幾つかの報道】


なお無人爆撃機による民間人の犠牲者数は誇張である、との主張もアリ ⇒ Georgetown Professor: 'Drones Are Not Killing Innocent Civilians' in Pakistan, Jeremy Scahill May 10, 2010, The Nation


参考まで、Drone は;

出典: http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=123247&sectionid=351020401

【ヒラリーの恫喝】

    • Britain 'complicit in mistreatment and possible torture' says UN
      guardian.co.uk, Wednesday 27 January 2010 11.40 GMT *1


      勿論肯定は出来ませんが、欧米への憎悪をあおる様な扱いをされれば、爆弾で吹き飛ばしてやれと考えても無理は無い。マッチポンプですね。うがった観方をすれば、欧米内でテロの恐怖を煽り戦争を正当化する目的でわざわざ 「テロリスト (の卵)」 を育成しているとも云えそう。何が 「人権」 だ、と言いたい。


パキスタンの場合、隣国インドとの宗教的な対立もあってイスラム色を強調している一方で、カシミール問題での紛争が続くインドへの対抗のためには無視出来ないアメリカに追従する必要があり、同胞を敵に回さざるを得ないと云うジレンマがあるのでしょうか。また米ソ対立の中、アフガニスタンソ連軍牽制のためアメリカから軍事政権への援助を受けていた過去もある。アフガニスタン国内あるいはインド・パキスタン間、あるいは地域内での自助努力による平和模索を不可能にしているのは、主に自分達だけの利益のために土足で割り込むスーパーパワーです。特に戦争の場合、事態は必ず悪化し複雑化しています。ついでに言うなら、パキスタンほど (まだ) 注目されていないが、コロンビアもそのいい例。



出典: Daily Times


先進国内で上掲写真の様な惨劇が発生すると大騒ぎになるのに、パキスタンアフガニスタンで起こっても誰も気にしない。自分達が加担しているのに−−− パワーゲームや言葉アソビにうつつを抜かすあまり、先日紹介した長崎市長の言葉を借りれば 「人間の視点」 が欠落しているのでしょう。

パキスタン・イスラム共和国 (ウィキペディア)

  • 人権:パキスタンは守旧的イスラームに基づく国家であり、憲法で公式にイスラームの理念にのっとった政治を行うことを宣言し、イスラム法の強い影響を受けた法を施行するという点でイスラム国家としての色彩が強い。そのためさまざまな人権侵害があると指摘されている。 −−−


    蛇足ながら、イスラム = 人権侵害と云う単純な図式も、欧米の馬鹿なキリスト教圏の偏見。もともと 「人権」 の考えは欧米で出来あがったものですから、それを単純にイスラムにあてはめようとすること自体、それが趨勢ではありますが馬鹿げています。 「欧米」 に人権を云々する資格などないと思いますが。トルコがEUに加盟出来ない、何につけイランの言い分が無視され一方的に悪者にされる素地がここにありますね。


パキスタンの歴史 (ウィキペディア)

.

*1:蛇足ですが、この記事中 "The UN investigation into torture and rendition across the globe since 9/11 lasted several years and was led by Martin Scheinin, UN special rapporteur on terrorism and human rights, and Manfred Nowak, special rapporteur on torture. In a move that will do little to ease the discomfort of western governments that were the focus of the investigation, the two men and their aides were assisted by members of a UN working party on secret detentions that was first set up in 1979 to investigate the fate of people who were "disappeared" by the Pinochet regime in Chile." の記載アリ。