4月22日はアースデイ: ボリビアで開催の "World People's Conference on Climate Change and the Rights of Mother Earth"
地球の日、英語名称 Earth Day に関し、 アースデイ 日本語版ウィキペディア によると2種類のアースデイが存在; ひとつが1970年の北半球における春分の日3月21日国連により宣言されて以来現在に至る3月21日のアースデイ、もうひとつが1970年4月22日にアメリカ合衆国上院議員ゲイロード・ネルソンが開催した環境問題についての討論集会を発端とする4月22日のアースデイ。一概には言い切れないのですが Earth Day 英語版 Wikipedia の方がはるかに詳しく紹介していることが関心の高さを表すのでしょうか。
どの日付であろうと本質的には同じイベントであり、2009年4月22日付け国連は4月22日を ‘INTERNATIONAL MOTHER EARTH DAY’として宣言しています;
国連としてはむしろ6月5日 環境の日 - Wikipedia に注力しているのでしょうか。
アースデイの国際機関としては http://www.earthday.net/ あたりでしょうか、日本でのイベントは 地球の日 - アースデイJP | Earth Day Japan が統括している様子。後者もなかなかいいことを言ってはいます;
- 地球の日 - アースデイニュース | アースデイ(地球の日)に始める:三つのエコロジー
−−−『三つのエコロジー』に関して、現在の日本での大きな課題としては、地球環境では気候変動や原子力開発と廃棄物処理の問題、社会環境では米軍基地や格差と貧困の問題、精神環境では年間三万人を越える自殺者や家族間での殺害事件などが挙げられると思います。それらを一連の問題として考えること、環境のエコロジー、社会のエコロジー、精神のエコロジーを合わせた課題に取り組む出発点として、「アースデイ」という強度をもった日を選択してください。−−−
以下、上掲英語版ウィキペディアにて紹介されている "Earth Day 2010 / Earth Day 2010 will coincide with the World People's Conference on Climate Change, to be held in Cochabamba, Bolivia, and with the International Year of Biodiversity." に基づき、現地で取材を行っているDEMOCRACY NOW ! に連続して紹介されたボリビアでのイベントを紹介;
イベント・ボリビアの紹介
- Call « World People's Conference on Climate Change and the Rights of Mother Earth (イベントへの招待)
Signed by Evo Morales Ayma, President of the Plurinational State of Bolivia on January 5th, 2010
※ ボリビア - Wikipedia の正式国名は ボリビア多民族国、Estado Plurinacional de Bolivia(スペイン語)、Bulibiya Suyu(ケチュア語)、Buliwiya Mama Llaqta(アイマラ語)。ウィキペディアに 「−−− 就任2年目になるエボ・モラレス大統領は、2007年1月22日、国会で年次報告を行い、新憲法を制定する重要性を改めて強調した。新憲法には、水を含む資源主権や先住民の権利確立、教育行政に対する国の責任などが盛り込まれる予定である。 −−− 2009年1月25日、先住民の権利拡大や大統領の再選を可能とする新憲法案が60%あまりの賛成を得て、承認された。」 と記されています。この新憲法についてコンパクトにまとまったサイトとして ボリビア新憲法概要 開発と権利のための行動センター を紹介しますので、是非一読を。押し付けられた化石の様な憲法を後生大事に抱え続けるどこぞの国と違って、うらやましい限りです。(そういえば、以前紹介したエクアドル憲法についても調べておかないと)
April 21, 2010, DEMOCRACY NOW !
April 20, 2010, DEMOCRACY NOW !
- Bolivian Indigenous Activist We Must Respect Mother Earth, Our Pachamama
※ インタビューを受けている Peregrina Kusse Viza さんは上掲ボリビア新憲法草案作りにも参加された、Consejo Nacional de Ayllus y Markas del Qullasuyo メンバー。
- このインタビュー中、パチャママ - Wikipedia と云う言葉が出て来ます。ケチュア語族 - Wikipedia 語、アイマラ語 - Wikipedia で 『母なる大地』 を意味します。学生時代に親しんだフォルクローレの中でもよく聞いた言葉であり、懐かしい。例えば;
CAMINO DEL INDIO - ATAHUALPA YUPANQUI
動画中 0:47 および 0:52 あたりに出て来ます。同じ歌で、 Miguel Aceves Mejía - Caminito del Indio はメキシコ歌手のもの、一部キチュア (アイマラ?) 語が西語に置き換えられていますが。
脱線ついで、暮米日合作の映画 映画『パチャママの贈りもの』公式サイト も紹介。現在でも上映されているのかな?
April 19, 2010, DEMOCRACY NOW !
アースデイの紹介として南米の小国ボリビアを紹介するのには訳があります。私は地球の環境保護に関しての先進国、特に世界最大の環境破壊国・覇権国であるアメリカあるいはその道具に過ぎない国連などの主催するイベントを全く信用していないし、先が見えているから。カッコだけ。昨年のコペンハーゲンサミットでの醜態がその実態をよく表していますが、自国の国益に沿わないものは斥ける・無視する姿勢を見ていると、マザーアースと云うコトバは使っていても意味を理解はしていません。日本でもエコと云えばエコポイント・エコ商品・エコ減税などメーカーの宣伝文句に踊らされるものばかり、身銭を切ってでも守ろう、などと云う切迫感も危機感もありません。自己満足の世界ですね。やらないよりはマシかな?
一方でボリビアは、先進国にババをひかされ続けたハンデを負いながら、かつ様々な妨害や誹謗・中傷やシカトにもめげず自分達の手で国創りを進めていますが、気候変動による影響をもろに受けている、と解します。地球規模での気候変動のメカニズムがどうであれ、元々経済的に余裕のある国ではない以上死活問題。Pachamama はアンデスの古い神話にあらわれる代表的な女神とのことですが、元々そこで暮らしていた (あるいは暮らしている) 先住民族は与えられた環境と巧みに共存しながら暮らす過程で 『母なる大地』 として大事にして来たのでしょう。母である以上大地は生きる糧を与えてくれますから、 「征服」 する対象などでは有り得ない。それを未開と考えて破壊したのは誰なのか。世界を席巻する現在の政治・経済の仕組みは限界である、 Pachamama を取るのか現在の仕組みを取るのか、がひとつのテーマとなっている様です。
現在ボリビアが注目されるとすれば、恐らくリチウムでしょう。それこそ Pachamama が与えてくれた資源です。やれ資源ナショナリズムだ、ポピュリズムだ、など我々先進国は勝手過ぎやしませんか? (以下、4月23日加筆 ⇒ ) また本当に地球のことを考えるのであれば、何故紛争や先進国による侵略戦争を止めさせないのか? たとえ自己満足にしろ、我々が世界中でコツコツ積み重ねる努力など微塵に吹っ飛ぶ程の環境破壊ですよ。