遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

中国人はアヘン戦争の屈辱を忘れない=英国人死刑問題の背景とは―英紙

中国が英国籍のヤクの運び屋さんに死刑を執行したことに対して大英帝国が激しく非難し、他西側メディアもほぼ右にならえて 「残酷な死刑を執行した野蛮な中国」 を非難している様子;

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2009122900447
中国、英国人の死刑執行=ブラウン首相が非難声明
(2009/12/29-20:42) 時事ドットコム


【北京時事】中国国営新華社通信は29日、麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた英国人アクマル・シャイフ死刑囚(53)に対し同日、新疆ウイグル自治区ウルムチで注射による死刑が執行されたと伝えた。ブラウン英首相は「われわれの釈放を求める要求が認められなかった」と刑執行を非難する声明を発表した。 (中略)


 シャイフ死刑囚は2007年9月、タジキスタンの首都ドゥシャンベから航空機でウルムチ空港に到着した際、携帯していたスーツケースにヘロイン4キロを所持していたとして昨年、一審で死刑判決を受け、今年10月に刑が確定。最高人民法院最高裁)が29日までに刑執行を承認していた。 (以下略)


一方中国は穏やかにではあるが大英帝国の非難に対して断固たる反対を表明しており、また中国国内では死刑執行を支持する声が圧倒的に多い様子;

  • http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2009122900463
    2国関係に影響望まず=英国人の死刑執行で−中国
    (2009/12/29-17:54) 時事ドットコム


    【北京時事】中国外務省の姜瑜副報道局長は29日の定例会見で、中国による英国人死刑囚への死刑執行をブラウン英首相が非難する声明を発表したことに対し、「中英関係を重視しており、この件が両国関係に影響を与えることを望まない」と述べ、英国政府に「理性的な対応」を呼び掛けた。 (以下略)
  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091231-00000020-rcdc-cn
    英国人麻薬密輸犯の死刑執行、97%が中国政府の判断を支持―中国ネットユーザー
    12月31日14時36分配信 Record China


    2009年12月29日、環球網は英国人アクマル・シャイフ死刑囚に対する死刑執行の是非を問うネットアンケートを実施した。97%が「中国政府の判断を支持する」と回答している。 (以下略)


そんな中、英国の中道・リベラル寄りと言われる ガーディアン (ウィキペディア) 紙の記者が偏見や感情に偏らないスタンスで英国首相の批判に疑問を投げかけています;

  • http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=38477
    中国人はアヘン戦争の屈辱を忘れない=英国人死刑問題の背景とは―英紙
    2009-12-31 12:25:37 配信 Record China


    −−−香港紙・明報は30日付英紙ガーディアンに掲載されたマイケル・ホワイト記者の署名記事を紹介した。ホワイト記者はブラウン首相、野党・保守党のキャメロン党首も英中関係の歴史についてあまりにも無知だと嘆いている。アヘン戦争から始まる屈辱の歴史について英国人は忘れても中国人は決して忘れることはなく、麻薬密輸問題でどのように説得しても中国が態度を変えることはないと指摘した。 (以下略)
        • 記者 Michael White さんのプロフィール


          Michael White has been writing for the Guardian for over 30 years, as a reporter, foreign correspondent and columnist. He was political editor from 1990-2006, having previously been the paper's Washington correspondent (1984-88) and parliamentary sketchwriter (1977-84). He has reported from over 50 countries. Born in 1945 he was raised in Cornwall and read history at University College, London. Married with three adult sons, he lives in west London.


落ち目とはいえアメリカより表・裏の外交に長け、英米中心の覇権にこだわり続けているが故に中国を敵視している (様に私には見える) 英国での発信ですから読み応えがあります。 "No declaration of war this week, please Ivan." *1 で締めくくられていますし。


なおこんな中、また懲りない英国人がタイホされています;

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091231-00000009-rcdc-cn
中国に続き台湾でも=英国人男性を大麻所持で逮捕―中国紙
12月31日11時59分配信 Record China


2009年12月28日、台湾で英国人Joesが大麻所持容疑で逮捕された。29日には中国で麻薬を密輸した英国人の死刑執行が行われたばかりだけに注目を集めている。30日、環球網が伝えた。 (以下略)


一体、どちらが野蛮なのでしょう??


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嫌なことばかりが目に付いた2009年も間もなく暮れます。よいお年をお迎え下さい!!

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*1:"Thank goodness Ivan Lewis, the junior foreign office minister put up to talk about it today, saidL "I'm not going to make idle threats" – or we might be starting 2010 going to war with China." の記載が記事中にあります。