遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

踊り姫 そして 猫 (を主とする生き物) を愛する 長嶺ヤス子 さんのこと

私がまだ学生の頃 『裸足の踊り姫』 として活躍されていた長嶺ヤス子 (ウィキペディア) さんが来月踊りの公演を予定されていることをたまたま知りましたので、長嶺さんご本人についても併せて紹介します;


⇒ 経歴・活動などの紹介は Dancer 長嶺ヤス子 Official Site 参照。


2009年12月8日(火) 午後7時開演 五反田 ゆうぽうと


写真および詳細の出典は: 〜じょんがら〜 いま蘇える津軽の唄・・・


<梗概>


今回の『じょんがら』は皆さんもご存知の津軽地方の民謡です。
ある津軽三味線の曲を私が聞いた時、何百年にも渡って、貧しさや自然の厳しさと闘い続けてきた北国の人々の生命力の強さを感じました。
その音色には、北国の人々の優しさ、悲しさ、力強さ、逞しさがありました。私はその音色をかりて、そこに生き続けてきた人々の生命力を、踊りで私なりに表現してみたいと思いました。
長嶺ヤス子北国の貧しい農家に生まれた女は、生活の為に門付けを生業としている一座に預けられ、毎日、毎日、西へ東への旅暮し。
裕福な生活に憧れていた娘も、やがて、年頃になり、門付けで毎年訪れるある裕福な家のご主人に見初められ、妾として囲われる事になる。
・・・・・・・・・
しかし女は、裕福な生活よりも自由を求めて、また、門付けの旅生活に戻っていく。

<使用予定曲目>
津軽よされ節
津軽じょんがら節
●十三の砂山
●秋の笛
 他

  • なお上掲長嶺さん公演内容といずれも直接の関係はありませんが、ベースとなる音楽 『じょんがら (あるいは濁らず じょんから)』 については 津軽じょんがら節 あるいはじょんから節について 参照。ついでに 『門付け (かどづけ)』 とは家々の前で三味線を弾いたり唄ったりしてお金や食べ物を貰ったりする芸を指します。津軽ではありませんが、越後瞽女の主流のひとつである 「高田瞽女」 のサイト 瞽女トップページ 内の 門付けの旅 あたりがイメージが湧くかも。で、越後と津軽がどう繋がるかと云うと、「新潟に、ゴゼという盲目の女性達が門付けをしながら津軽に流れてゆき、津軽では盲目の男性がゴゼから三味線を習い弾き、そして、門付けをして各地を放浪して廻った。その後、単独の放浪芸から唄や踊りを取り入れた民謡の一座を組むようになり、各地で興行するが、そこでは三味線は、伴奏楽器でしかなかった。やがて、前弾き(唄に入る前の三味線によるアドリブ演奏)が次第に聴衆の心を掴み、前弾きの部分がどんどん長くなっていき、ソロ楽器として認められるようになった。 (津軽三味線ライブスポット 郷土料理と津軽三味線の店「杏」(あんず) より引用)」 ってことだそうです。


私が観たのは昭和52年 (1977年) 公演の 「サロメ」 および昭和55年 (1980年) 上演の 「道成寺」。ゴールデン・アロー賞 (芸能賞) 受賞の 「サロメ」 公演本体だったかその前後で開催の踊りのコンサートだったかは定かではありませんが、確か当時渋谷山手教会の地下にあったジアンジアンでの開催だったと記憶します。(最近ボケてきましたから違うかも) 私は共演のスペイン人歌手と友達になったので、スペイン語を使ってみたいこともあってかなり足繁く楽屋と宿泊先に通った想い出があります。


それから20数年経ったある日、福島県でハンパではない数の猫に囲まれてお住まいであった長嶺さんとその宗教観・遺骨の供養の様子などが紹介されているのを偶然テレビでお見かけしました。まだ踊っていらっしゃるとは (失礼!) 先日まで存じ上げなかった。猫に関しては元々お好きであったのだろうと思っておりましたが、そうではなかったのですね;



絵および以下引用の出典: 画家としての長嶺ヤス子 (HPより)


1995年から、彼女は毎年プロの画家として10月に油彩展を開いている。 絵によって彼女は生活の糧を得ている。
また、彼女は猫の絵でもよく知られています。
1980年に、彼女は偶然、迷い猫を車で轢いてしまいました。
その時から、彼女は多くの迷い猫や犬を飼い始めました。
現在、彼女は160匹の猫と20匹の犬の面倒をみています。
長嶺は、我が国ではフランスのブリジット・バルドーのように、動物愛護の先駆者です。


BBとの比較はおもしろい。確かにそうですね。長嶺さんの生き物に対する思いは、色々なサイトで紹介されています。例えば;

http://f61.aaa.livedoor.jp/~yasuko/top.html
小さな命を抱きしめて (長嶺さんの応援サイト)
※ 「猫との出会い」 に、1980年の野良猫プチとの出会いから今に至る経緯が、長嶺さんのことばで語られています。


http://www.teinenjidai.com/tokyo/h20/11_2/index.html
動物と出会って“命の強さ”得る  舞踊家/長嶺ヤス子さん
定年時代 東京版 平成20年11月下旬号


http://www.asu-ch.net/num_search.php?channel_no=10102
ペット情報誌 犬吉猫吉 九州版> 炎の舞姫 長嶺ヤス子さんに聞く
(10102) 炎の舞姫 長嶺ヤス子さんに聞く  (ペット情報誌 犬吉猫吉 九州版)


元々踊りを観る目など無い私が長嶺さんに対して抱いていたイメージは 「激しい気性の踊り手」 程度でしかなかったのですが、上に紹介したものも含めた長嶺さんの猫 (および犬) の絵は皆優しい、穏やかな顔です。私は1980年、つまり長嶺さんと猫の最初の出会いの前後から長嶺さんの舞台を観ておりませんが、12月の公演はきっと長嶺さんの生きていらっしゃったことどもの集大成の様な舞台かなぁ、と楽しみです。相当ご高齢なのにまだ舞台を務められるのは素晴らしいことですし。

http://www.chugainippoh.co.jp/NEWWEB/n-interviews/Nint/n-d030215.htm
大地の上で“お経と踊る”幸せ  舞踊家  長嶺 ヤス子さん
(平成15年2月15日の中外日報紙面から)


−−− 私は生と死を両方見ながら、 細い糸の上を歩いているような気がするんです。 両方から支えられているというか。 今までに亡くなった動物たちに会えると思うから死に対する恐怖も全くないの。 けれど、 今生きているものたちがいるから、 死ぬわけにはいかない。


 私はね、 いつも幸せなんです。 お金がなくて明日どうしようか、 と思うときでも幸せなの。 それなりにすごく何か溢れるものがあって、 困ったら困ったで、 悲しみも溢れれば素晴らしいものだし。 無感動でいるよりはね。