遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

グエン・ティ・タイン・テュエン (Nguyen Thi Thanh Tuyen) さん ・ グエン・ドク (Nguyễn Đức) さん 、ご出産おめでとう!!

ベトナムよりもアメリカよりも、日本でよく知られたドクさんご夫婦に双子の赤ちゃんが誕生したことが報道されています。母子揃って健康とのこと、こころよりお祝い申し上げます;





  • 素朴なギモン; 向かって右側の赤ちゃんはピンク色の帽子、左が青と思いますが、ちょこんと付いている様に見えるもの (汗) からすると、ピンク色の帽子が男の子なのかしら?


    出典:http://english.vietnamnet.vn/Health/200910/Separated-Siamese-twin-fathers-twins-875834/
    Separated Siamese twin fathers twins
    15:36' 28/10/2009 (GMT+7) / VIET NAM NET


    Dr Pham Viet Thanh, director of the hospital, said the boy weighs 1.6kg and the girl, 1.15kg. The two babies, who were born prematurely, are in good health.


    He (=Nguyen Duc-san) said the babies' names, which are still undecided, will reflect Viet Nam-Japan relationship.


ドクさんは、2007年に亡くなられた兄ベトさんと下半身のつながった結合双生児として生まれ ベトちゃんドクちゃん (ウィキペディア) *1 の愛称で、ベトナム戦争アメリカ軍が大量に散布した枯葉剤被害のシンボルとなった経緯があります。治療・分離手術などで日本が関わった訳で、お子さんに遺伝的な問題が無いことを祈るばかりです。


核兵器同様、枯葉剤を含む化学兵器の本当に恐ろしいところは、遺伝により被害者の子孫に影響を及ぼす可能性が高いことです。むろんこれは兵器のみならず、環境汚染などによる 水俣病 (ウィキペディア)イタイイタイ病 (ウィキペディア) などの公害病でも同じですね。汚染者負担原則 (ウィキペディア) からすると汚染者が全ての損害を負担すべきですが、それが戦争となるとうやむやにされます。日本の原爆による被害などはよい例。ベトナムのこのケースも明らかな戦争犯罪と解しますが、ベトナムは (あるいはベトナムも) 恐らくアメリカとの関係構築を考慮してあまり声高に主張はしていない様に思われます。加害国アメリカについては、敵国被害者からの声は無視しても、自国内での被害者の声は無視出来ずに渋々 *2 対応しているのでしょう。劣化ウラン弾 (ウィキペディア) なども同じ。(蛇足ながら、この兵器は核兵器には分類されていない筈。「廃絶」の対象外かな?)


お兄さんのベトさん (Nguyễn Việt) が2007年に亡くなられた際のまとまった資料 (のインデックス) として以下紹介します;


さて ベトナム戦争 (ウィキペディア) は過去の歴史の中での出来事ですが、枯葉剤は現役で活躍中の可能性大です。想定される使用場所は、麻薬の栽培地域。ってことは、現在アフガニスタンとコロンビアですね;


上掲 『ベトさん死去、枯れ葉剤被害の象徴的存在』 内に、以前紹介したことのある、NY在住のコロンビア出身の画家 Fernando Botero さん (ころころとふくよかな人物を描く方) のコメントが紹介されています ⇒ フェルナンド・ボテロ (ウィキペディア) 参照;

Fernando Botero (ニューヨーク州ブロンクス)
Thursday Oct 11


ベトナムで使用されたエージェント・オレンジや、コロンビアで使用されたグリフォセートは植物や動物に影響がないんだろ? 我々コロンビア人は米国政府に問う。なぜ米国内のマリファナ撲滅のために枯葉剤を使わないのか? これはあなた方アメリカ人の問題であって、我々の落ち度ではない。何とかしろ,,,


カネで正義が買えるアメリカは勿論のこと、ヤクチューの元アイドル --- 別名 「犯罪者」 、いや失礼、 「容疑者」 --- を気遣う日本でも、麻薬消費を取り締まれないくせに、国外の供給サイド (栽培者、精製者、運び屋) の人間の生活や人権や環境は問答無用に叩き潰して構わない、と考えているらしい。使用している薬剤はベトナム戦争当時とは違う、との詭弁を弄しているのだろうが、自分達が自分の弁護のために言っている通り、「ヒトに対しての影響については解明されていない部分が多い」 のだから笑止千万と言わざるを得ません。


ドクさんには分離後亡くなられたベトさんの分まで生きて欲しいし、お子様が健やかに育つことを何より願いますが、一方で同じ惨禍を繰り返してはならない。原爆犠牲者にも誓った筈ですよね?


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*1:この記事内では、『しかし二人が枯葉剤の犠牲者であると直接的に証明されているわけではない』 あるいは 『ヒトに対する奇形性は現在でも未確認』、 『ヒトに対しての影響については解明されていない部分が多いとして否定する意見もある』 などの注意書きがあります。この記事を書いた人の姿勢の表れですが、当時の状況から判断して枯葉剤の影響であることはほぼ間違い無いにもかかわらず、発症のメカニズムが100%解明されない限り認めないと云う、加害者側の論理ですね。その論理でどれだけ被害が拡大するのか、歴史に学んでいないのでしょう。ウィキペディアは辞書ではありませんから、あくまで参考・情報のインデックスとして参照すべきですね。

*2:枯葉剤 (ウィキペディア) 中に 『−−−1984年、アメリカのベトナム帰還兵らが集団訴訟枯葉剤製造会社を訴えた裁判では、審理入りする直前に原告代表者が会社側との和解を発表した。製造会社側は枯葉剤の被害を認めずに原告に補償金を支払うことで同意したが、裁判で帰還兵らの枯葉剤被害がつまびらかにされる事がないまま、帰還兵らの証言はお蔵入りとなったのである。この突然の和解を不服とした帰還兵や遺族らが1989年に再び集団訴訟をおこしているが、却下されている。』 との記載アリ。