遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

世界中に暴力の種を蒔いて増幅させ、連鎖を誘発して戦争に走るアメリカ

キャリアを犠牲にしてアフガニスタンでの戦争に抗議した勇気ある外交官のことが報道されています。まともなアメリカ人もいるんだな、と少しだけ救われた気分ですが;

  • http://mainichi.jp/select/world/america/news/20091028k0000e030025000c.html
    <米外交官>辞表に波紋 アフガン戦争に抗議
    毎日新聞 2009年10月28日 11時08分(最終更新 10月28日 12時48分)


     【ワシントン草野和彦】「アフガニスタンにいる戦略的目的への理解と自信を失った」。アフガンで復興作業を担当し、9月に辞職した米外交官が、提出した辞表の中でアフガン戦争に強く抗議していたことが分かり、米メディアが大きく取り上げている。オバマ大統領が「必要な戦争」として、米軍の追加増派を検討する中、現状を熟知する外交官の辞職は米世論にも影響を及ぼしそうだ。 (以下略)
  • http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=int_30&k=2009102700643
    アフガン戦争反対で辞任=米外交官で初−ポスト紙
    (2009/10/27-16:24) 時事ドットコム


    −−− 辞任したのはアフガン南部ザブール県に駐在していたマシュー・ホー元米上級代表(36)。9月10日付の辞表で、「アフガンにおける米国のプレゼンスの戦略目的に対する理解と自信を喪失した」と説明。米軍の存在こそが抵抗運動を活発化させていると指摘した上で、米国が犠牲を払う価値のない戦争だと結論づけている。

原文読んでいないのでご本人の意図するところと変わってしまっているかも知れませんが、 「米国が犠牲を払う価値のない戦争」 のコトバはいただけない。思い上がりも甚だしい。国内でやるなら幾らでもお好きに殺し合って頂くのは大歓迎ですが。


アメリカこそが世界一のテロ国家かつテロ支援国家である、と言わざるを得ない理由と各々の裏付けはそれこそ山の様にありますが、上掲 『米軍の存在こそが抵抗運動を活発化させている』 もそのひとつ。暴力と憎しみのタネを世界中に蒔いてその連鎖を誘発していること。状況はイラクでも全く同じ筈。特にアフガニスタンに至っては紛争がパキスタン内部まで拡がりつつありますし、米兵のみならず現地民間人の死亡者も止まるところを知らず増え続け、戦争難民も大量に発生しています。この状況で利を得ているのはアメリカ軍とその兵站を担う軍事産業という巨大な 「複合産業」 および 「戦後復興」 の名の下後からご褒美として甘い汁を吸える、アメリカの 「同盟国」 の一部産業だけ。景気刺激策のつもりなのか? 最近の記事を幾つか拾うだけでも;

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091028-00000100-mai-int
    パキスタン>爆弾テロ87人死亡 反政府勢力、米威嚇か
    10月28日21時4分配信 毎日新聞


    −−− 武装勢力によるテロ攻撃は、今月中旬に政府軍が部族支配地域、南ワジリスタンでアフガンのタリバンと共闘関係にある武装勢力パキスタンタリバン運動」(TTP)への本格攻撃を開始して以降、急増している。28日現在で市民350人以上が死亡するなど、国内が戦場と似た治安状況に陥っている。


     これに対し、米国のオバマ政権は、アフガンの治安悪化はパキスタン側に原因があるとみなす。パキスタンが反発する中で、部族地域への無人機による越境ミサイル攻撃を増加させている。5年で75億ドルの支援を定めたパキスタン非軍事支援法(ケリー・ルーガー法)の支援条件にも、米軍との共同軍事作戦や核政策介入の受け入れなどを求めている。


     しかし、パキスタン軍部や議会は、支援条件が「主権を侵害している」と反発。政府がいったん受け入れた支援法の見直しを求め、ザルダリ大統領も今月12日、米国にクレシ外相を派遣して米側に再考を促した。 (中略)


     しかし、米側がパキスタン側の意向を軽視し続ければ、もともと反米感情が強いだけに、反政府感情が高まる恐れが高い。そうなれば、アフガン安定化にはパキスタンの安定が不可欠とみなす米国の戦略は崩壊する。


更にアメリカは、国連人権理事会をも公然と、かつ露骨に無視しています。正に国連の私物化以外の何物でも無く、子ブッシュ時代と何も変わらない;

http://mainichi.jp/select/world/news/20091029k0000m030022000c.html
<国連>米軍空爆による市民の犠牲増を懸念 非協力も批判
10月28日19時11分配信 毎日新聞


−−− (国連人権理事会のフィリップ・アルストン)特別報告者は6月からこの問題で米国に説明を求めているが、米政府は「国連の調査範囲は軍事や情報活動関連には及ばない」と協力を拒否している。


アメリカのやっていることは、明らかな 戦争犯罪 (ウィキペディア) ではありませんか?何故なら、『戦争犯罪とは、(中略) 具体的には、他国に対して侵略戦争を仕掛けたり、敵兵・捕虜に対して非人道的な扱いをすることなどである。また、民間人に対しての殺戮・追放・逮捕など、紛争や混乱の誘発や報復感情の拡大の原因となる行為と言動も、戦争犯罪であるとされている。』 の定義に見事に当てはまっていますから。アメリカは決して裁かれることの無い、最高のエキスパートですよ。


あるいは、そもそも アメリカの戦争と外交政策 (ウィキペディア) そのものが戦争犯罪と云えませんか??? 「オバマジョリティー」 なんて浮かれてる馬鹿の気が知れません。