中国 新疆ウイグル自治区暴動のこと: 何が真実なのか? その2
「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が再来日している様ですね;
- http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091021-OYT1T00834.htm
「鳩山政権に期待」来日のウイグル人指導者
(2009年10月21日18時52分 読売新聞)
亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長は21日、都内で本紙と会見し、7月の中国新疆ウイグル自治区での暴動に関して、「日本の新政権に緊急措置を取ってほしい」と述べ、鳩山政権に、調査団の現地派遣や人権問題の担当官任命などの積極的対応を求めた。 (以下略)
- http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1021&f=politics_1021_001.shtml
中国、日本のラビア議長に対する入国許可に強く抗議
2009/10/21(水) 08:56 Searchina
−−− 報道によると、ラビア・カーディル議長は近いうちに日本を訪問する予定で、馬朝旭報道官は「日本の一部勢力は、ラビア・カーディル議長を日本に迎え、中国を分裂させようとしている。これについて日本側に強い抗議を申し入れた」とした上で、「中国政府は民族分裂に反対し、国家の統一を守る固い意志に変わりはない」と改めて強調した。 (以下略)
- http://sankei.jp.msn.com/world/china/091020/chn0910200004000-n1.htm
ウイグル会議のカーディル議長が来日へ
2009.10.20 00:02 MSN産経ニュース
中国の強い反発にもかかわらずビザを発給した政府は、さてどの様に対応するのか見もの。人気取りなんて馬鹿な動機でビザ発給したとは思えませんから、外交センスが問われます。さてウイグル自治区って−−−
国境を接する国の数は中国の行政区分で最大、かつ中国の省・自治区の中で最大、総面積は日本の約4.5倍ですがその約4分の1は砂漠とのことですから実質3.4倍。その民族構成は;
出典:上掲ウィキペディア
ですから、歴史的に複雑な経緯がありそうですね。上掲記事中の馬朝旭報道官のコメント 「中国政府は民族分裂に反対し、国家の統一を守る固い意志に変わりはない」 は至極当たり前のことであり、この点を外国が問題にするのは明らかな内政干渉です。従って当面日本政府に出来るのは、同議長の主張する人権問題の真偽の調査を実施することしか無い筈。
日本国内での対応をネットで眺める限り、「ウイグルの母」 「xxx人権賞受賞」 「ノーベル賞候補」 「愛の10個の条件(???)」 など賞賛するものが圧倒的に多いのですが、一方では;
- http://j.peopledaily.com.cn/94475/6723827.html
ラビア氏の映画に豪観客から辛辣な質問
人民網日本株式会社事業案内 更新時間:17:16 Aug 10 2009
−−−上映後の交流で、最初の観客からダニエルズ監督に対し、「ドキュメンタリー映画なのに、どうしてラビア氏とその側近の映像や言葉しかないのか。中国政府に対する紹介は全くなく、中国政府や人々の観点もみられない。これは偏見ではないのか?」という質問が投げられた。 (中略)
「中国・中央テレビ(CCTV)の『7・5』事件の報道だと、烏魯木斉(ウルムチ)の暴力事件で死亡した漢族はウイグル族よりも圧倒的に多く、負傷者も多くは漢族だというが、中国政府が少数民族を『鎮圧』したとどう理解するのか?またどうしてラビア氏が『非暴力主義者』だといえるのか?」。
こういった質問に対し、舞台上の監督とラビアは言葉をつまらせ、沈黙するしかなかった。 (以下略)
- http://www.china-embassy.or.jp/jpn/xwdt/t577024.htm
我々も平穏な暮らしがしたい ラビアと犠牲者の遺族に手紙子女と弟
中華人民共和国駐日本国大使館
- http://japanese.china.org.cn/life/txt/2009-07/10/content_18112496.htm
「7・5」事件の裏にいるラビア・カーディル
「チャイナネット」 2009年7月10日
などの厳しい批判もあります。ただしこれらは主に中国から発信されているものですから、一方的に不利ですね。中国政府はアカだから嘘を言っているに違いない、と云う先入観なり固定概念がありますから。でも冷静に考えると、カーディル議長の言っていることは全て疑わずに受け入れるのに、中国政府の言っていることは頭っから否定するってぇのは明らかに不公平。
なお私の 「馬鹿げた」 先入観はむしろ逆; 議長はアメリカに亡命し、その活動の本拠 世界ウイグル会議 (ウィキペディア) はドイツに置くものの、社会主義・共産主義圏全てを無条件に敵対視するアメリカとの結びつきが強い以上、相当無茶な嘘でも横暴でも通ると考えている可能性アリ、と云うこと。アメリカの言いなりの日本へ行って楽にカネ調達して来よう、と考えているなら、ナメられたものです。以前紹介しました、 キューバ系アメリカ人財団 (ウィキペディア)、 世界抗日戦争史実維護連合会HP などと同じではないか、と思えます。アメリカの国益にうまく乗ればよいのですから。なお同じ亡命ウイグル人組織ではあるが、ワシントンに本拠を置く 東トルキスタン亡命政府 (ウィキペディア) ってのもありますね。
山岡朋子さん(横山朋子さん名)翻訳の 『ルス、闇を照らす者』 に描かれたアルゼンチン政府による国民への人権蹂躙行為は、確か1978年アルゼンチンで開催されたワールドカップ (サッカー) を観に来た外国人が地元の人から聞いた話として自国メディアに伝えてから一気に広く知られる様になった、と記憶 (うろ覚えで出典が示せません) します。ですから議長の言っている人権侵害が事実であれば断固抗議すべきでしょうが、それを見極める努力をせずに行動するのは大変危険。いつも思うのですが、何故ジャーナリストは自分の目で確かめて来よう、としないのだろう? 『xxさんを助けよう!!』 市民活動と同じことをやっててもしょうがないでしょうに。
以下、記事のリンクのみ紹介します;
【グローバルインタビュー】私たちはテロリストではない ラビア・カーディル議長(下)、2009.8.9 13:00 MSN産経ニュース VS 「世界ウイグル会議」とラビア・カーディル、期日:2009-07-09 来源:チャイナネット