遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

翻訳家 山岡朋子さん その62  『ルス、闇を照らす者』 : アルゼンチンの歌手 メルセデス・ソーサさん 訃報

山岡朋子さん (横山朋子さん名) 翻訳の 『ルス、闇を照らす者』 の舞台アルゼンチンのフォルクローレ歌手で、来日経験もあり日本にも数多くのファンのいるメルセデス・ソサさんが、10月4日ブエノス・アイレスの病院にて74歳で亡くなられました。私は2度目の来日時 (1977年) コンサートを聴きに行った記憶があります。当時スペイン語を専門に勉強しており、フラメンコだけではなくフォルクローレにも首を突っ込んでおりましたので。

  • Mercedes Sosa, página web oficial
    República Argentina, Lunes 5 de Octubre de 2009


    この公式HP冒頭に発表されています;Parte de prensa


    En el día de la fecha, en la ciudad de Bs As, Argentina, tenemos que informarle que la señora Mercedes Sosa, la más grande Artista de la Música Popular Latinoamericana, nos ha dejado.


出典: http://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Mercedes_sosa.jpg
座っている恰幅のよいソサさんの後ろの女性は、第59代アルゼンチン大統領 クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル さん。


Wikipedia での紹介については、当然? 西語版のほうが圧倒的に詳しい;

※ いずれのサイトでも既に死亡が記録されています



Titulo = Mercedes Sosa Gracias a La Vida
彼女の歌の中で、恐らく最も有名な曲 (年代不明)
(ビオレータ・パラ 作詞・作曲)
画面中の字幕はポルトガル語の様です。ブラジルかな?



Titulo = 05 Mercedes Sosa - Duerme Negrito (5 13)
(先日、ユパンキの歌うものを紹介しましたよね)



Titulo = Mercedes Sosa - Alfonsina y el mar


Titulo = José Carreras, Alfonsina y el Mar


日本でも相当数のレコードが販売されていましたが、今はどうでしょうか。なおソサさん最後のCDは本年発売された Cantora ですね。


メルセデス・ソサさんを山岡朋子さん翻訳関連として紹介するのは、単に翻訳本の舞台アルゼンチンの歌手だからではありません。彼女の活動期間は、正確にはわかりませんが西語版 Wikipedia によると1959年〜2009年の半世紀に及ぶ訳ですが、お気付きの様に1976年から1983年にかけてアルゼンチンの軍事政権がアルゼンチン国民に対して弾圧行為を行っていた 汚い戦争 と呼ばれた期間を含み、かつソサさんもその弾圧対象となっていたと思われるため。ウィキペディアでは、『−−−アルゼンチンが軍事独裁政権下にあった1970年代後半には、フランス、次いでスペインへの亡命を余儀なくされた。歌による社会変革を目指した新しい歌運動の第一人者と目された時期もある』 と紹介されています。


ヌエバ・カンシオン (ウィキペディア) とは、 『−−−「新しい歌」を意味するスペイン語である。キューバなどでは、ヌエバ・トローバ(Nueva trova)とも呼ばれる (意味は同じ)。字義通りの新しい歌という意味ではなく、音楽をとおした社会変革運動として、1960年代以降ラテンアメリカ各地で大きく盛り上がり、特にアジェンデ政権のチリ、革命後のキューバ、アルゼンチン、メキシコなどでは優れた音楽家を輩出した。』 とのこと。日本語版ウィキペディアには各国の関連するグループ・歌手・演奏家が紹介されています。


なおアルゼンチンでの盛り上がりは別名 Nuevo Cancionero と呼ばれており、リンク先にもその 「マニフェスト」 が紹介されていますが、メルセデス・ソサさんHPには全文が紹介されています; Manifiesto fundacional del Movimiento del Nuevo Cancionero


−−−安らかに。