オバマの国連デビュー: 核、イラン、イスラエル、ホロコースト−−−
間もなくオバマが国連デビューしますね。問題は山積していますが、所詮アメリカが私物化する国連ですし、非常に優秀な女性ではあるが私はその信条 *1 には嫌悪感しか感じないライスが国連大使ですから、今までと大して変わらないでしょう。でも今回非常にセンシティブな問題を扱わなければならない: イラン。以下記事の紹介レベルになりますが私が注目しているポイントは;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000552-san-int
オバマ米大統領、国連デビューのカギはイラン
9月19日20時12分配信 産経新聞
【ワシントン=有元隆志】オバマ米大統領が国連総会に初登場する。気候変動や核不拡散・核軍縮問題に積極的に取り組む姿勢を示すことで、国連との間でとかく軋轢(あつれき)が多かったブッシュ前政権時代との違いを示し、米国連外交の「劇的な変化」(ライス国連大使)を印象づけたい考えだ。総会は大統領にとって晴れ舞台である一方、イランの核問題などでロシアや中国の協力をどこまで得られるか、指導力が試される場にもなりそうだ。 (以下略)
『核無き世界』 なんてのも、まだ眉唾と謂わざるを得ない。核兵器所有国として自分達も査察を受け入れる位のことをやらないと、タワゴトで終わるでしょう。またイランだけを制裁対象としているが、それ以前に、既に核兵器を所有しているイスラエルの扱いはどうるすの? 明らかに不公平。それに、 「爆発を伴わない核実験はOK」 、なんですか、それは?今までと何ら変わらない;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000007-jij-int
イスラエル核に懸念=NPT加盟求める−IAEA決議
9月19日1時8分配信 時事通信
【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)年次総会は18日、イスラエルの核開発能力に懸念を示すとともに、同国に核拡散防止条約(NPT)への加盟を求める決議を採択した。イスラエルの核開発を批判する決議の採択は1991年以来。 (以下略)
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000510-san-int
イラン核問題、追加制裁も示唆 米国務長官
9月19日10時28分配信 産経新聞
- http://www.jiji.com/jc/zc?k=200909/2009091200086&rel=y&g=int
「核なき世界」へ決意表明=対北・イラン決議の順守要求−安保理首脳会合の米議長案
時事ドットコム (2009/09/12-10:15)
−−− 米大統領が安保理会合を主宰するのは初めてで、決議採択によって核不拡散・核軍縮を目指すオバマ政権の強い意思を示す。決議案は不拡散・軍縮の措置や原則の再確認を基調にしており、政治機運を醸成して来年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功を期する目的もある。 (中略)
決議案は 包括的核実験禁止条約(CTBT) の発効を視野に入れた同条約への加入や、核軍縮および核廃絶に関する条約の交渉開始を関係各国に要請。また、NPT 未加盟国に早期加入を求めるとともに、国連の全加盟国に対し爆発を伴う核実験実施を控えるよう訴えた。
一方的に非難されているイランのアフマディネジャド大統領は確かに過激な言動を繰り返していますが、でもよく考えると一理ありますよ。単に発言を許すだけではなく、言い分を聴いたうえで対応しない限り、解決なんて夢のまた夢;
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000053-mai-int
<イラン大統領>「ユダヤ人大虐殺は作り話」と主張
9月19日19時19分配信 毎日新聞
【テヘラン春日孝之】イランのアフマディネジャド大統領は18日、テヘラン大学で演説し、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)について「シオニスト政権(イスラエル)を作るための口実だった」と改めて主張した。米欧などの反発は必至だ。
イランは来月1日、核開発問題を巡り国連安保理常任理事国にドイツを加えた6カ国と協議に臨む予定で、これにも影響を与えそうだ。
イラン国営のプレス・テレビによると、大統領は「ホロコーストが事実なら、どうして(米欧は)事実かどうか証明することを許さないのか」と述べた。
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090919-00000510-san-int
イラン核問題、追加制裁も示唆 米国務長官
9月19日10時28分配信 産経新聞
−−− 一方、ライス国連大使は18日の記者会見で、イランのアフマディネジャド大統領が同日、テヘラン市内での集会で、ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺)を否定する発言をしたことについて、「憎むべきコメントだ」と強い不快感を表明した。ギブズ大統領報道官も「ホロコースト否定は根拠がない。そのような悪質なうそを宣伝することはイランを一層国際社会から孤立させるだけだ」と非難した。
アフマディネジャド大統領はこれまでもホロコースト否定や、「イスラエルは地図から抹消されなければならない」といった過激な発言を繰り返してきた。 (以下略)
イスラエルに対する嫌悪についても、過去の経緯を考えると無理はないと思う。皆ヒトゴトの様に扱うが、ある日突然我々の国土の中にある別の国が建設されて、その国がいつの間にか我々の国を武力で支配する様になったら、どう思いますか? 自分のこととして考えれば、誰にでもわかる筈。 なお過去の経緯については、以下田中宇さんの過去の記事から引用します;
http://tanakanews.com/b0212israel.htm
イスラエルに未来はあるか
2001年2月12日 田中 宇 より抜粋
−−− イスラエルは、世界からユダヤ人移民が集まる国としてパレスチナ地方に建国されたが、パレスチナ地方にはもともとパレスチナ人(アラブ系)が住んでいた。1946年時点でパレスチナ人が130万人だったのに対しユダヤ人は70万人しかいなかった。
「シオニズム」と呼ばれるイスラエルの建国運動はユダヤ人国家の建設を目標としていたから、パレスチナ人が首相や与党になってしまうのは許されなかった。そのため、イスラエル建国直後の中東戦争に勝利したイスラエルは、パレスチナ人を武力で村から追い立て、一部はレバノンやヨルダンなどの周辺諸国に難民として押しつけ、残りは「ヨルダン川西岸」と「ガザ」の2地域に押し込め、選挙権を与えないで難民状態に置いた。イスラエル国内に残ったパレスチナ人(アラブ系住民)は1−2割となった。
イスラエルは民主主義国であるが、それはパレスチナ人を追い出した上で行われており、ゆがんだものだ。イスラエルを正当化する考え方として「アラブ諸国は民主主義ではないが、イスラエルは立派な民主主義国だ」という主張があるが、それは間違っていることになる。イスラエルはむしろ、アパルトヘイト時代の南アフリカに近い存在といえる。 (以下略)
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*1:コンドリーザ・ライス (ウィキペディア) 中の「思想と行動」 によると、
支持者からはアメリカ屈指の戦略家であり、オフェンシブ・リアリスト(攻撃的現実主義者)と評される。バランス・オブ・パワーを破壊しようとする勢力には当然に武力行使も選択肢に入れた対応をしなければならないとする立場であり、クラウゼヴィッツ戦略学の正統に位置するとも言える。経済への理解も深いが、リベラリストのように経済に深入りし過ぎた判断をすることも無いとされる(対中国への姿勢に特に顕著)。